竹とんぼ

先達の秀句を味わいながら
自得の一句を求めて多作多捨です
古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です

居酒屋の灯に佇める雪だるま  阿波野青畝

2019-01-14 | 青畝鑑賞


居酒屋の灯に佇める雪だるま  阿波野青畝

繁華街に近い裏小路の光景だろうか。とある居酒屋の前で、雪だるまが人待ち顔にたたずんでいる。昼間の雪かきのついでに、この店の主人がつくったのだろう。一度ものぞいたことのない店ではあるが、なんとなく主人の人柄が感じられて、微笑がこぼれてくる。雪だるまをこしらえた人はもちろんだけれど、その雪だるまを見て、こういう句をつくる俳人も、きっといい人にちがいないと思う。読後、ちょっとハッピーな気分になった。『春の鳶』所収。(清水哲男)



【雪達磨】 ゆきだるま

◇「雪兎」 ◇「雪仏」
雪でつくった大小ふたつのかたまりを重ねて、達磨のかたちにしたもの。木炭などで目鼻をつける。

例句           作者

雪兎つくる夫婦に二人の子 木村蕪城
朱の盆に載せて丹波の雪うさぎ 草間時彦
朱の盆に載せて丹波の雪うさぎ 草間時彦
雪達磨眼を喪ひて夜となる 角川源義
かく生きてかく忘れられ雪だるま 有馬朗人
家々の灯るあはれや雪達磨 渡辺水巴
雪だるま笑福亭の門前に 高野素十
もう誰もゐぬ校庭の雪だるま 立花文江
狂ひ寝や雪達磨に雪降りつもる 中村草田男
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蟻地獄みな生きてゐる伽藍かな 青畝

2017-07-25 | 青畝鑑賞
蟻地獄みな生きてゐる伽藍かな




(季語:蟻地獄ー夏  出典:万両  年代:昭和2年(1927年:28才位)
今眼前の蟻地獄が蟻をを呑んで、
生きているようにうごめいている。
それからこの寺院内にある無数の蟻地獄を思いやり、
みなこうなのだと、
この人気なく、
森閑とした寺院内で無数の無言の殺戮が、
繰り広げられているさまを想像したのである。

流伴鑑賞

素十、誓子に比べるとその名を聞くことは少ないが
虚子門下の名手といわれる
勇気定型を忠実に固守して見事の作が多い

散文や詩、短歌とも違う、
有季定型(五七五+季語)を知悉した
作者ならではの傑作といわれている
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記大空に長き能登ありお花畑 青畝

2017-07-24 | 青畝鑑賞
大空に長き能登ありお花畑





季語:お花畑ー夏  出典:国原  年代:昭和10年(1935年:36才位)

高山に登るとよくこういう光景がながめられる。
大空に長く半島が延びているのだ。
この句の場合はお花畑からの展望である。
(「近代俳句大鑑」)

流伴鑑賞
お花畑にいる作者
能登半島にいて作者は空から
鳥瞰のような錯覚を楽しんでいる

阿波野青畝(あわの せいほ、1899年(明治32年)2月10日 - 1992年(平成4年)12月22日)は奈良県出身の俳人。本名は敏雄。旧姓・橋本。原田浜人、高浜虚子に師事。昭和初期に山口誓子、高野素十、水原秋桜子ととも「ホトトギスの四S」と称された。「かつらぎ」主宰。
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