竹とんぼ

先達の秀句を味わいながら
自得の一句を求めて多作多捨です
古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です

キエンセラ組まれ解かれて花の塵 たけし

2018-05-04 | 
キエンセラ組まれ解かれて花の塵




東北、北海道の桜もいよいよ終わった
あとは「花は葉に」なって夏の到来だ

散り際の桜が好きだという人も少なくない
また川をゆるやかに下る花筏も風情がある

花筏と雅な呼称もあるが「花の塵」との呼名も捨てがたい
これを眺めていてあのスペインの「キエンセラ」の音調が浮かんだ


キエンセラの日本語訳

俺を好きになってくれる人は誰
誰だろう、誰だろう
俺に恋愛をくれる人は誰
誰だろう、誰だろう

出会えるのかも分からない
分からない、分からない
また、寄りを戻せるのか分からない
分からない、分からない

また、恋愛での情熱の元で生きるようこと望んでいた
きのうのように、幸福に感じさせてくれる恋愛での

俺を好きになってくれる人は誰
誰だろう、誰だろう
俺に恋愛をくれる人は誰
誰だろう、誰だろう
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無為無聊風なきときの風車 たけし

2018-05-03 | 
無為無聊風なきときの風車 




風車であそぶ子供をみない
幼少期の残像の中にある風車は
笑顔に包まれたやさしい風と共にあった
ふとこの晩年の
無為無聊の日常に風車がまわっているような

発表  2013/3/13
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鳥曇なかなか消せぬ涙あと  たけし

2018-05-02 | 
鳥曇なかなか消せぬ涙あと




泣きぬれた顔を隠して
夕暮れの道を歩いた幼年期
だれもいない公園でぶらんこを漕いでいると
何故か悲しkなったこともあった

そんな時は泣いた痕跡は消さないと帰れない
今の子供らにはこんな感傷はあるのだろうか



初案 2017/2/16
半仙戯なかなか消せぬ涙あと
「半仙戯」は適当でなかったように思っていたが
「鳥曇」の空をみて閃いた

【鳥曇】 とりぐもり
◇「鳥風」 ◇「鳥雲」
秋から冬にかけて日本で越冬した渡り鳥が北へ去るころの曇り空。その頃の風を鳥風ともいう。
例句 作者
鳥曇波のこみあふ隅田川 久保田慶子
また職をさがさねばならず鳥ぐもり 安住 敦
廃園にただ来しのみぞ鳥曇 藤田湘子
眼鏡より曇りはじめし鳥曇 亀田虎童子
腰痛のゆゑの不機嫌鳥ぐもり 原 赤松子
海に沿ふ一筋町や鳥曇 高浜虚子
振つてみるアフガンの鈴鳥曇 川崎展宏
毎日の鞄小脇に鳥曇 富安風生
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冥界に更衣とや石仏 たけし

2018-05-01 | 
冥界に更衣とや石仏





更衣は6月1日と決められているが
しばらく以前からこの風潮は一部の官公庁を除いて
自由のようだ

四季を通じて個人が自由な服装を楽しむ
鎌倉の寺社廻りなどをしていると
外国人も多く、コートを羽織る日本人の列に
半袖の外国人がいたりするのは珍しくない

そんな光景を路傍の石仏が
訝し気な眼差しをむけている


初案 2013/4/15
冥界も更衣なり石仏
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「売切御免」蕎麦に昼酒蕗の薹 たけし

2018-04-30 | 
「売切御免」蕎麦に昼酒蕗の薹




馴染みの蕎麦屋に見慣れた貼紙
「売切れ御免 蕗の薹あります」
毎年、春を告げる蕗の薹の天婦羅を提供する
十割蕎麦をたのんで
この天婦羅で昼酒の至福を味あう
ことになるのも毎年の決まりだ

初案 2018/3/8
「売切御免」蕎麦を待つ間に蕗の薹
待つ間はいらない
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奇書悪書ルーペ片手に春燈下 

2018-04-29 | 
奇書悪書ルーペ片手に春燈下 




終活なる言葉は他人事だと思っていたが
書棚には家人に見せられない書物が少なからずある

妻には許されるとしても
子供や孫には知られたくない

少しばかりの矜持と尊厳が氷解する
始末しようとするが
ページをめくりだして捗らない

初案 2017/3/14 
春燈下ルーペ片手に奇書悪書
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葉脈の陽の突き通る春紅葉 たけし

2018-04-28 | 
葉脈の陽の突き通る春紅葉




春、新緑の紅葉が美しい
私は錦秋の山よりもこの新緑を好む
若葉の初々しい葉脈を
春光が浮き上がらせる
見上げると折り重なった何枚もの葉が
濃く薄く影なしていて時間が止まる


初案 2014/4/15
濃く薄く日をかかえおり春もみじ
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自分史の戦中戦後山桜 たけし

2018-04-27 | 
自分史の戦中戦後山桜




春宵は人をやさしくするようだ
読み止しの本を整理したり
旧い写真を探してみたり
昔の日記を眺めたりする

小学校でのあの脱脂粉乳のミルクとコッペパン
街中で唄う傷痍軍人

自分史のなかはまだまだ戦後が克明だ
最近のきな臭さが気がかりだ

社案 2015/4/15
自分史の戦前戦後春燈下
季語を工夫し 戦前を戦中(昭和18年生)に正しく改めた
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サンパンの吃水線に春の潮 たけし

2018-04-24 | 
サンパンの吃水線に春の潮




サンパンは沖に停泊の船に
乗組員や物資を運搬する小さな舟だ
一昔前までは横浜港の埠頭にたくさんあった
岸からサンパンへは頼りない板が渡されていて
そこを荷物を担いだ荷役妊婦がひょうひょうと渡る

揺れる船につれて喫水線は定まらない

子供心に感動と憧れを覚えて見とれていた
時に気さくなニンプが乗せてくれたりもしたくれた


発表 2016/12/26
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春の雲心変わりの時効とも  たけし

2018-04-23 | 

春の雲心変わりの時効とも






真っ青な空に真っ白な雲が浮かんでいる
ほとんど形を変えずに
少しずつ動いているようだ

脳裏に残る来し方の残痕を
やさしく繕ってくれるようだ

心変わりも許されそうだ

初案 2016/2/11
春の雲心変わりも許しさう
時効を加えてみた
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空耳の遠く近くに春の風邪  たけし

2018-04-22 | 
空耳の遠く近くに春の風邪



春先の寒暖の差は大きく
寝込むほどではないものの
風邪気味の人は多く
私などはこの期間中ほとんど風邪をひいている

神経の異常な過敏さだろうか
空耳に反応して
家人にいつも呆れられる(笑)

2018/4/22
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春の雨ささず終ひのをんな傘 たけし

2018-04-21 | 
春の雨ささず終ひのをんな傘




別れ際にふり出した雨
差し出された傘を借りて歩き出す

濡れながら傘は開かないで小走りする
ついにささないままの傘
返すための再会はない

発表 2015/3/15
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春の雨一樹の仮宿逸れ鳥 たけし

2018-04-20 | 

春の雨一樹の仮宿逸れ鳥



北へ帰る鳥の群
なかには逸れる鳥もいるという
残り鴨などともいうらしい

気まぐれな春の天候
春雷とゲリラ豪雨に行く手を阻まれた
逸れ鳥が木立に潜んでいるような



初案 2013/4/15
春の雨一葉をゆらし逸れ鳥

一葉では身を護れない
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春炬燵幼きころの雨の音  たけし

2018-04-19 | 
春炬燵幼きころの雨の音




炬燵が我が家から姿を消したのはいつだったか
知人宅を訪ねても炬燵に招かれることはなくなっや

炬燵に入ると誰もが家人のようになる
心身が文字どうり温まる

春の炬燵にまどろんでいると
サワサワと雨の音
耳に残っている幼少期の雨音に変わらない



初案 2014/2/15

雨だれに齢さかのぼる春炬燵
齢さかのぼるが散文的だった
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春北風やまたもや届く訃の報せ たけし

2018-04-18 | 
春北風やまたもや届く訃の報せ




年々郵便物が少なくなってくる
高齢者向けの販促物も
購入を抑えていると減ってきた

ポストは新聞と町内の回覧板の受け取り用だ
時に葉書が来れば
訃報であったり欠礼通知だったり

今年はもう三度もこんな思いをしている

初案 2014/3/15
春北風訃報の葉書三枚目
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