竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

コスモスや空家ばかりが目立つ街

2015-09-30 | 
コスモスや空家ばかりが目立つ街 たけし



コスモスはあの細い茎
を風にまかせて揺れながら
生命力はなかなかのものである
空家となった家の庭にも
毎年咲いている
それも年々増殖の兆しだ
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招かれて紙表札の月の宴

2015-09-29 | 
招かれて紙表札の月の宴  たけし


昨夜はスーパームーンとか

33年ぶりの月と地球の大接近だそうだ

一昨日は仲秋の名月でその美しさを堪能できた

何年か前の孫娘のお招きを思い出しながらの月見をした
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常夜からなんの言伝ちちろ虫

2015-09-28 | 
常夜からなんの言伝ちちろ虫 たけし



昨晩は仲秋の名月とやらで

夕刻から何度も空の様子を伺ったものだが

見事な月を愛でることができた

ひときわに虫時雨がはげしく
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頑なに拳ほどかぬ鶏頭花

2015-09-27 | 
頑なに拳ほどかぬ鶏頭花 たけし





鶏頭は俳句に詠まれることが多い

子規の句があまりのも有名なことにもよるのだろう

あまり美しいとは思えないが

さまざまな感じ方ができる都合の良い素材かも知れない
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渓紅葉塗装の剥げた一両車

2015-09-26 | 
渓紅葉塗装の剥げた一両車 たけし




山は四季をつうじて楽しい美しいが
紅葉の山の味わいは格別だ
同じ紅葉を毎年眺めてもその感動の衰えることはない
樹木は休まず成長しているのだから
去年の紅葉と同じではないのだと知る
眺める自分もなにがしかの変化をしている
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秋霖にバリトンサックス偲ぶ会

2015-09-25 | 
秋霖にバリトンサックス偲ぶ会

バリトンサックスの演奏を聴く機会があった

もの哀しい低温の響きは他の楽器ではあらわせないだろう

俳句のYS先生を偲ぶ会での句友の演奏だった

おりからの秋霖

なんとも相応しく心に沁みる
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新走りをんなの揺るる絵杯

2015-09-24 | 
新走りをんなの揺るる絵杯


新酒の季節もとおくない

趣味であつめたという絵杯でふるまわれたことがある

「枕絵」のような際どい絵柄もあって苦笑した

なんとか一句にしてみたが
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丸めたる指に収まり天の川

2015-09-23 | 入選句
丸めたる指に収まり天の川

秋の夜空はなんとも美しい

仲秋の名月はもとより星空も素晴らしい

子供らが幼いころ指を丸めて星を一緒に探した記憶がある

孫の時代には通じないかもしれない


入選 2015/10/20 朝日新聞 石倉夏生選
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家数に不足の灯り天の川

2015-09-22 | 
数に不足の灯り天の川



空家がとんでもなく増えている
小家族の世帯が多く
子供は独立すれば別な家を求める
住人は平均で2人を下回る
無住家は増加するばかり
私の家の並びのも2軒の空き家がある

夜間、灯りのつかない家は不気味でさえある
空には家の持主の亡くなった人もいそうな天の川
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櫓田や散らばる鷺の六七羽

2015-09-21 | 
櫓田や散らばる鷺の六七羽





秋晴れに誘われての早朝ウオーキング

約40分 5014歩 4.13km スマホの歩数計の記録

刈り入れの終わった田圃は櫓田にその様相を変えている

白鷺が散るでなく集まるでもなく六七羽

今朝の秋である
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月の宴紙表札の子供部屋

2015-09-20 | 
月の宴紙表札の子供部屋



孫が4人同居していた時期があった
子供部屋はいつも賑やかだった
賑やかな声にもたくさんの彩りがあった
「今日はお月見」といって
「呼ぶまで入らないで」
呼ばれて部屋の前まで行くと
4人の名前の入った紙の表札
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日矢太し合掌したる今朝の秋

2015-09-19 | 
日矢太し合掌したる今朝の秋


久の好天気に散歩の脚も軽やかだ
豪雨の名残はまだあるが空気も爽やかで気持ちが良い
空には「日矢」
思わず合掌したのだった
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大の字になれぬ哀しさ捨案山子

2015-09-18 | 
大の字になれぬ哀しさ捨案山子 たけし




田圃には刈り入れが終わると

役目を終えた案山子が休んでいる

捨てられているものも珍しくない

一本足の彼らは大の字になることはできない

彼らが哀しみを訴えているようにみえるのは

空を見上げて大の字になれないことが理由なのだ
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焦げはじめより昭和なる初秋刀魚

2015-09-17 | 
焦げはじめより昭和なる初秋刀魚



秋刀魚の美味い季節である

ガス、IHを使用したり

フライパンで焼いたりする昨今だが

たはり七輪で炭火で焼くに限る

もうもうたる煙と香り

その焦げ具合には問答無用の郷愁がある
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早世の柩花に添えし秋扇

2015-09-16 | 
世の柩花に添えし秋扇 たけし



秋扇とは寵愛をうけなくなった女性のことふぁとか

なんとも無遠慮ないいようだろう

知人の女性が若くして亡くなった

あふれるばかりの供花に添えて扇がひとつ

この例えを知っていれば供えられない
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