竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

うららかや死んだふりして山手線 丈子

2024-03-31 | 


2024年 春
春の山手線
うららかな陽に睡魔は抗えない
死んだふりをしている私です

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遺族から今年も届く花菜漬物 丈子

2024-03-30 | 


2年前に亡くなった長野の旧友の奥様から
今年も花菜津が送られてきた
何年も旧友から送られてきていたものだ

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苗代に縄文人の裔の貌 丈子

2024-03-29 | 

2024年 春
田水張る季節
老翁の縄文人の末裔たちの声がする

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苗札の素性おおかた土の中 丈子

2024-03-28 | 


2024年春
花壇の手入れ 植え替えの季節だ
新しい苗や種を購入して植え
苗札を土に差し込むのだがおおかたは土中になる

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春天の大谷観音鳶の笛 丈子

2024-03-27 | 

2024年 春
大谷観音での嘱目句
鳶の鳴声が印象的だった

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凛とかたくな真夜の白辛夷 丈子

2024-03-25 | 


2024年 春季作品
来ぬ人を待ち続けてるように
花辛夷の鮮やかさ

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若冲の「群雀」のごと凧の連 丈子

2024-03-24 | 


青空高く見事に連なる凧の連がゆらいでいる
以前画集で観た若冲の「群雀」が脳裏に浮かんだ
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意のままに地球の磁力小紫 丈子

2024-03-23 | 


地球の磁力を思うがままにの美しい蝶が舞う
小紫は雄の翅の表面は美しい紫色に輝くので、この和名がつけられた。

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ひとり子のおはなしじようず紙雛 丈子

2024-03-22 | 第一句集「裂帛」自選


紙で雛人形を作る少女
できた人形に
やさしい眼差しで
いつまでも話しかけている

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妖しきは真直に真白独活の列 丈子

2024-03-21 | 第一句集「裂帛」自選


独活を栽培する真闇の臺
その真っ白な真直の列はなんとも怪しい

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おひさまを蹴飛ばしているる鯉のぼり 丈子

2024-03-20 | 第一句集「裂帛」自選


最近は自宅で鯉のぼりを揚げるのをみることが少なくなった
長孫が誕生してから鯉のぼり/兜
金太郎の人形を飾っている
お日様を蹴飛ばす元気は爺の祈りだ

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招いたり追いやったりよ菖蒲束 丈子

2024-03-19 | 第一句集「裂帛」自選

菖蒲湯での束の間の安息
かわりばんこに孫が4人
としごとに相手も変わるが
することはいつもおんなじ

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花は葉に女ひとりの東慶寺 丈子

2024-03-18 | 第一句集「裂帛」自選


女性のかけこみ寺といわれた東慶寺
桜もそろそろ葉桜になる頃だった
妙齢の上品なご婦人がお一人で参内していた

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思うほど自由のあらず残り鴨 丈子

2024-03-16 | 第一句集「裂帛」自選


どこにでも自意識の高い身勝手な輩がいる
帰らない残り鴨もその類だろう
好き勝手にふるまえる自由を求めてようだがそうでもない
自分本位を赦されるだろう老後もなかなか生きにくい

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春満月嘘にうなずく母ありき 丈子

2024-03-15 | 第一句集「裂帛」自選


幼年期青年期母を欺いた嘘はたくさんあった
いま思えばしっかりと見破られていたようだが
ほとんどを微笑ながら頷いてくれていた

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