竹とんぼ

先達の秀句を味わいながら
自得の一句を求めて多作多捨です
古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です

日うらうら猫の欠伸を撮り収む たけし

2018-02-25 | 
日うらうら猫の欠伸を撮り収む




猫はいつだって特等席にいる
冬は陽だまりにその身体を移す
夜は炬燵が定位置だ
春はどこにいても極楽の気分なのか
毛繕いが終わると昼寝、大きな欠伸
スマホ片手に
その一瞬を撮り収めた


発表 2017/2/9

【麗か】 うららか
◇「うらら」 ◇「うららけし」 ◇「日うらうら」 ◇「麗日」 ◇「うらうら」
春の日が輝きわたって、万象ことごとく柔らかに明るく美しく見えわたる様。空が晴れて、明るくおだやかなさま。
例句 作者
あめつちのうららや赤絵窯をいづ 水原秋櫻子
うらゝかに汗かく耳のうしろかな 久保田万太郎
うらゝなる筑波を見しが夜の雨 斎藤空華
麗かや大荷をおろす附木売 前田普羅
うららかや空より青き流れあり 阿部みどり女
うららかに釈なにがしとなられけり 梅本豹太
うららかや一度は死にし人ばかり 中川宋淵
うららかや猫にものいふ妻のこゑ 日野草城
仏唇に朱の残りをりうららなり 林 翔
麗かや松を離るゝ鳶の笛 川端茅舎
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萎えている胸のささくれ風信子 たけし

2018-02-23 | 
萎えている胸のささくれ風信子




庭の片隅に風信子の芽がでてきた
毎年この季節になると律儀に姿をあらわしてくれる

冬の間にすっかり寂しくなっている庭だが
そろそろ手入れを促されるようだ

老いた心のさもしいササクレが
いつか風信子の芽をみているうちに
萎えている

発表2017/2/9



【ヒヤシンス】
◇「風信子」(ふうしんし)
ユリ科の秋植球根植物。春、青・紫・紅・黄・白色、また一重咲・八重咲の漏斗状の小花が総状に多数集まって咲く。江戸末期に渡来。
例句 作者
敷く雪の中に春置くヒヤシンス 水原秋櫻子
室蘭や雪ふる窓のヒヤシンス 渡辺白泉
室蘭や雪ふる窓のヒヤシンス 渡辺白泉
水にじむごとく夜が来てヒヤシンス 岡本 眸
みごもりてさびしき妻やヒヤシンス 瀧 春
 
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緞帳の闇切り裂いて狂い猫  たけし

2018-02-22 | 
緞帳の闇切り裂いて狂い猫




恋猫の声はなんとも凄まじく
闇を切り裂くかのようだ
本能とは云うもののその健気なふるまいに
眉をひそめつつも感動さへ憶える
人はこれほど健気でも律儀でもなく怠惰だ


原句発表 2017/2/5
切り裂くや闇の緞帳狂ひ猫
三段切れ の形を改めた


【猫の恋】 ねこのこい(・・コヒ)
◇「恋猫」 ◇「浮かれ猫」 ◇「戯れ猫」(たわれねこ) ◇「通う猫」 ◇「猫の思い」 ◇「猫さかる」 ◇「春の猫」 ◇「孕み猫」
猫は主として寒中から早春へかけて、盛んに妻恋いを始める。1匹の牝に数匹の牡が鳴き寄り、赤ん坊の泣くような声を出し、幾日も家を留守にして浮かれ歩く。
例句 作者
恋猫の恋する猫で押し通す 永田耕衣
恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく 加藤楸邨
身を舐めてゐて恋猫に加はらず 能村登四郎
色町や真昼ひそかに猫の恋 永井荷風
恋猫となりミー子ではなくなりし 橋本佐智
恋猫の片一方は知つてをり 仙入麻紀江
恋猫とはやなりにけり鈴に泥 阿波野青畝
猫の恋やむとき閨の朧月 芭蕉
山国の暗すさまじや猫の恋 原 石鼎
猫の恋稲荷に修羅をはばからず 古田悦子
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春愁を蹴飛ばしている逆上がり   たけし

2018-02-21 | 
春愁を蹴飛ばしている逆上がり




春愁とう季語は春のそこはかとない哀愁のことらしいが
その感性が愚鈍の私にはない
小学校の校庭で逆上がりの練習をしている児童らをにた
足を天に突き出しれいるのは
彼らなりの春愁を蹴飛ばしているのかもしれぬ



発表 2017/2/3


【春愁】 しゅんしゅう(・・シウ)
◇「春愁」 ◇「春愁う」 ◇「春恨」(しゅんこん) ◇「春の恨み」 ◇「春かなし」 ◇「春怨」(しゅんえん)
春の、なんとなく憂わしい気持。そこはかとない哀愁。春は人の心が華やかに浮き立つが、その半面ふっと悲しみに襲われることがある。

例句 作者
小坪漁港春愁なれば蛸逃げる 前田吐実男
春愁の渡れば長き葛西橋 結城昌治
春愁の鏡を拭きて消えぬもの 鷹羽狩行
春愁や葉がちとなりし花の雨 日野草城
春愁や髪切る前もその後も 西村梛子
春愁のいづこをも締めつけぬ服 福井隆子
飛行船の真下に春の愁かな 飯島晴子
まんばうの目覚めて春の愁ひかな 吉田鴻司
春愁のみなわれに向く波頭 永方裕子
春愁や冷えたる足を打ち重ね 高浜虚子
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春の霜皮膚呼吸する地球かな たけし

2018-02-20 | 

春の霜皮膚呼吸する地球かな



春の霜は早朝の一刻で消えるのだが啞
朝日にゆらぐ様は地球の皮膚呼吸のようだ
地球が新生児のように生まれ変わるとは言いすぎか
荘厳な気配さへ感じてならない


原句発表 2017/2/3
春の霜地球やすまず皮膚呼吸
同意の句意だが
「やすまず」は省略した



春の霜】 はるのしも
◇「春霜」(はるじも) ◇「春霜」(しゅんそう)
春の初め頃、ごく普通に見かける霜のこと。

例句 作者
つかの間の春の霜置き浅間燃ゆ 前田普羅
先見ゆるいのちなりけり春の霜 石塚友二
春霜に美しう老いておはすらむ 中川宋淵
あけぼのや麦の葉末の春の霜 鬼貫
春霜のきびしき城の辺に出づる 木村蕪城
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涅槃仏溢れる声のかぎりなく  たけし

2018-02-18 | 
涅槃仏溢れる声のかぎりなく



釈迦の周りには生あるもの全てが集まって
その別れを悲しんだが
仏になった釈迦は以来生あるものの傍に入て
悩み哀しみ憎しみなどを救っている<

原句発表  2015/2/15
涅槃図や溢れる声の聞きとれず

句意がつたわらなかった
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まあるい輪園児の尻に春の土 たけし

2018-02-17 | 
まあるい輪園児の尻に春の土




近くに保育園がある
4人の孫が通っていた保育園だ
この季節になると外遊びが増える
子供らの歓声がきこえてくる
園長先生を囲んでまあるい輪をつくってお話をきく
尻には春の土の温もりが伝わっているはずだ

原句発表 015/2/15
草青む保育園児の尻列ぶ
季語を改め上五を工夫した
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言い分を堪えるかたち葱坊主 たけし

2018-02-15 | 
言い分を堪えるかたち葱坊主



葱坊主は風を受けても飄然としている
頑固で強い意志を感じさせる
まだ幼いゆえにその言い分を十分には表現できない
その日が来るのを信じて堪える容がいじらしい

子供の頃の自分のようだ


原句発表 2015/2/15
おまえにも言い分あるや葱坊主


句意は同意

例句
葱坊主雨降ればまたさむくなる/林火」
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白魚のこれも成仏踊り食い  たけし

2018-02-14 | 
白魚のこれも成仏踊り食い



子供たちが小学生の頃の旅行で
夕食に「白魚の踊り喰い」がでた
最初は怖がっていたが
網で掬ったり箸で追いかけてりで大騒ぎ

白魚の成仏には消えない思い出をいたさいた


発表 2014/2/15

シロウオの踊り食い(シロウオのおどりぐい)は、シロウオを生きたまま食べること。春の風物詩として名物料理とする地域もあるが、日本各地の小さな河川の多い地方でみられる料理法である。特に河口近くの地域に多い。

食べ方は、水を張った鉢や皿に生きたまま出されたシロウオを網杓子ですくい、酢醤油の入った小鉢に移し、それを吸い物を吸うように、シロウオごと胃の中に流し込む[1]。似た食べ方として、活きたシロウオをのせて寿司とする場合もある。

いくつかある踊り食いと称される料理のうち、主食材になんらの手も加えていないという点で、シロウオの踊り食いは代表的なもののひとつである。
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雨音に年さかのぼる春炬燵 たけし

2018-02-11 | 
雨音に年さかのぼる春炬燵





春の雨音をききながら
うつらうつらの夢見ごち
ひとつづつ来し方を遡ってゆく
あの羊水の温もりに
辿り着くのははもう少しかかりそう


原句 2014/2/15

雨だれに齢さかのぼる春炬燵
句意は全く同意だが

「雨垂れ」よりも「雨音」がひびきが良い
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頬ざしの産まれ育ちを検むる   たけし

2018-02-08 | 
頬ざしの産まれ育ちを検むる




朝食には必ず鰯と納豆、卵が我が家の定番で
もう30年も続いている
子供らが離れてからのようだが定かでは売

納豆、卵は国産だが
鰯がなかなか曲者で
その生まれ育ちは曖昧だ

ワウフは中国産を決してみとめない

発表 2017/2/16 遊牧108
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穴を出る斥候蟻のでんでんこ  たけし

2018-02-07 | 
穴を出る斥候蟻のでんでんこ




立春寒波とは聞きなれない言葉
斥候役の兵隊蟻も出鼻を挫かれてまごついているかもしれない
でんでんこはばらばらのことだが
人間世界もそれぞれにでんでんこ
「〇〇ファースト」ではまとまらない

発表 2017/2/16遊牧108
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春雲に同じ問ひかけ観覧車

2018-02-06 | 
春の雲同じ問いかけ観覧車




観覧車が春の空をゆっくりと上って行く
大きな怪獣が獲物を狙う彼の趣にもきえる

何度も何素も

観覧車は春の雲をお迎えに行ったのだと知る
そして雲だけが知る逝くへを問いかけrているのだった

原句2016/2/11遊牧102
春雲に同じ問ひかけ観覧車
「春の雲に」は説明になるので「春の雲」とした
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鼻馬鹿か火薬の臭い花菜風 たけし

2018-02-05 | 
鼻馬鹿か火薬の臭い花菜風






菜畑をわたる風には誰もが郷愁を感じる
日本人の原風景に焼き付いているのだ
昨今、その臭いが変わってきている
あの見事な黄色の小波に囚われて気づかない字とも多い
そうなのだきな臭い火薬の臭いなのだ


原句発表 2016/2/11遊牧102

慣らされて火薬のにほひ花菜風
鳴らされては
説明でしかない 
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潮の香の語りは尽きず春日傘  たけし

2018-02-04 | 
潮の香の語りは尽きず春日傘




立春だが寒明けの気分にはとおい
昨年は鎌倉の海岸にいた
海岸で子供らを遊ばせている若い母親が
日傘をくるくるまわしていた
子供の嬌声をききながら
青春の潮香を偲んでいたような


原句発表 2015/2/15遊牧096
風の潮語りつきない春日傘

「風の潮工夫したつもりだったが「春日傘」では
どうにもならない
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