広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

リラックマバス

2010-06-28 19:27:36 | その他もろもろ
このバス
秋田県民には「羽後交通」のバスに見えてしまうけれど、違います。
テレビドラマやCMにたまに写っていたりする「小田急バス」かと思う方が多いと思うが、これは小田急グループで東京都立川市に本社のある「立川バス」の車両。
※立川バスは系列の小田急と塗装を揃えてあるわけだが、秋田の羽後交通は小田急と関係はない。

ここで立川バスと羽後交通の塗装を比べてみよう。
同じ会社内でも、車種(窓の大きさなど)や導入時期によって微妙に異なる場合もあるが、ここ数年内に製造・導入されたと思われる、同一メーカー製の車両で比較してみる。
 
立川バス(左)は大型車の「いすゞエルガ」、羽後交通(右)は中型車の「日野レインボー2」。(羽後交通は昨年9月12日付バスまつりの記事内の画像の再掲)
車種は異なるが、同デザインでいすゞと日野の合弁会社が製造しているので、大型/中型、ノンステップ/ワンステップの差があるものの、ほぼ同一と見なしていいと思う。
並べてみると、立川バスの方が白い部分が多い。
床の高さの違いかもしれないが、羽後交通のフロントガラス下にある1本の線が、立川バスにはなく(側面で途切れている)、白い部分が多い。
また、行き先表示の周囲も羽後交通は赤だが、立川バスは白。向かって右のミラーの裏面やアームも羽後交通は黒、立川バスは白と異なっている。
そのほか、写真では分かりづらく、僕の勘違いかもしれないが、赤い部分が、立川バスの方がより「赤」に近く、羽後交通はどちらかといえば「エンジ色」に近いような気もする。(天候による見え方の差、経年による塗装の変化もあると思いますが)


さて、ここから本題です。
上の立川バスの2台の路線バス。どちらもJR中央本線立川駅北口から立川市内の「若葉町団地」へ行くバス。
LED式行き先表示を見ると、最初の写真のバスでは、分かりにくいが下段にローマ字で表示がされている。さすが都会のバスだ。
だが、次の写真のバスは、ローマ字表記がなく、日本語表示は文字幅を詰めており、右端に何か丸いものが表示されている。拡大すると
クマさん
バスのLEDに絵が表示されるのは初めて見たが、楽しい!
実はこのバス、正面は普通の塗装だが、それ以外は
全面ラッピング
「リラックマ」というキャラクターが散りばめられた、その名も「リラックマバス」なのです!
立川に行くついでに、これを見るのを密かに楽しみにしていたのだった…

とはいえ、僕は「リラックマ」の名前とその姿は漠然と知っていたが、その詳細は知らなかった。
「サンエックス」という企業のグッズ用キャラクターで2003年に登場。これまでにローソンや白元アイスノンなど様々な企業・商品とタイアップしている。
デザイナーはコンドウアキ(当時は同社社員。現フリー)という人で、僕と同い年だ。

なぜ立川でリラックマなのか、その経緯は知らないが、オンライン「立川経済新聞」によれば、2007年に1台、昨年11月からさらにもう1台、計2台が「リラックマバス」として走っており、関連グッズも発売しているとのこと。
運行する路線・便が固定されており(一定期間ごとに変わるのかもしれない)、立川バスのサイトに掲載されている。
釣りをしたり

大の字のなったり
上の写真の水色ベースの車両が、昨年登場した「リラックマバス2号車」で立川を拠点に運行している。

もう1台の「リラックマバス1号車」は、立川から中央線で1駅新宿寄りの国立を走っている。時間があったのでせっかくだし、行ってみた。
高架工事などが行われやや雑然としていた国立駅の南口を発着している。
リラックマバス1号車
こちらは黄色ベース。
「ごろん」「あくせくしたってはじまりませんぜ」(口癖なんだそうだ)

LEDにはトリさん
LEDにはこのほかにも図柄がいくつかあり、行き先で異なるようだ。

この際、せっかくだからということで、用もないけど乗っちゃえ! と乗ってみた。
2号車の路線は団地止まりだから、とんぼ返りするしかないが、1号車の路線はJR南武線の「矢川駅」へ行くため、電車で立川などへ戻ることも可能なので、国立駅から矢川駅まで乗車した。
おおむね10分間隔で運行されているが、うちリラックマバスは1時間に1~2便。休憩のため、1時間以上入らない時間帯もあるので注意。
一橋大学がある並木が続く幅の広い道を進み、富士見台第一団地、国立市役所、NHK学園高校(の本校。っていうのがあるんですね)などを通り、JR矢川駅前(一部便はその先まで行く)までを約10分で結ぶ。運賃は190円(均一制でなく、後ろ乗り前降り、整理券方式後払い)。

そんなわけで、乗り方は秋田のバスと同じだし、車内放送の声が秋田のバス会社の放送と同じ人だったので、あまり「都会のバスに乗っている」という緊張感はなかった。しかもSuicaで乗車したので、運賃表示器を見て小銭を用意して…といった手間がいらなくて、快適。(割引率はバスカードの方がいいのだが)
このバス会社の運転士は全員、帽子をかぶっていなかった。通年なのか、クールビズの一環なのか?

乗客は10人弱で大部分が始発の国立駅から乗車。途中の団地などで半分くらいが降り、残りが終点まで。意外に国立から矢川まで通して乗る人が多かった。
国立から矢川まで、電車なら150円で移動できるが、立川での乗り換えの時間と手間を考えると、40円高くてもバスの方が楽というのも分かる。公共交通機関の選択肢が多く、本数も多いのがうらやましい。
小さな子どもがお母さんと一緒に乗っていたが、それほど喜んでいないようだった。見慣れているからかな。(僕の方が喜んでいたりして…)

さて、リラックマバスの車内。
シート
オレンジのチェックと黄色の水玉模様の座席が交互になっていおり、それぞれ違ったイラストが背もたれに描かれている。
この車両、元は普通の路線バスだったから、座席自体を交換したのだろうか。
車内
背もたれの背面。つまり着席して目に入る部分には、キャラクターの解説がある。

ここは一般のバスでは金属製だが、この車両ではフェルトのような布地に印刷したものだった。

リラックマをよく知らない者にとっては、とても勉強になることが書かれていた。
リラックマは「OLのカオルさん(25)の家にいきなり住みついた着ぐるみのクマです。」クマじゃなくて、着ぐるみなのか!! 居候するとはオバQみたいだな…
小さいクマは「コリラックマ」といい、どこからともなくあらわれたそうだ。この人は着ぐるみではないの?
LEDにも出ているトリは、そのまま「キイロイトリ」といい、もともとカオルさんのペットだったとのこと。ふ~ん。

ほかにも、吊り手(つり革)にもキャラクターが描かれた部品があるなど、車内がリラックマであふれていた。
1号車後部「まあ ごゆるりと」
後続車がこれを見たら、追い越ししたくなくなるかも?
ところで、ラッピングバスは、ペンキで塗装したのではなく、印刷した特殊なシートを貼り付けている。
この車両では、エンジンルームの網(上の写真側面の矢印部分)や後部左下の「乗降中」表示装置、バンパー上部には、元々の塗装が見えてしまっている。
うーん。せっかくなんだから、もうちょっと気を遣ってほしいな。
 ※秋田では、某S商事がラッピング作業を行っているが、カッターとヘラのような道具を使用して、網の部分にも丁寧にラッピングが施されています。


当ブログでは、乗り物&キャラクターのコラボとして、アンパンマン列車、島耕作バス、三平バスをご紹介してきた。
それらと比較しても、リラックマバスはデザインがかわいくて楽しく、ローマ字表示を犠牲にしてLEDにまでキャラクターを表示する心意気がうれしい。それと、車内に解説があるのがいい。僕のようなあまり知らない人にも分かりやすく、親切だ。
ラッピングバスはシールの耐久性もあり、一般的には3年程度で交換されるようだが、今後どうなるのだろう。


それに引き替え、我が秋田の「三平バス」。使用されるダイヤがランダムではあるものの、台数が多くて見かけやすいのはいいだろう。デザインもダイナミックなのはいい。
でも、前から繰り返している通り、解説の類が一切ないのはやっぱり不親切だしもったいない。「秋田出身の矢口高雄氏による秋田を舞台にした漫画『釣りキチ三平』であること」「バス会社の創業80周年を記念して導入したこと」くらいは明記するべきだと思う。作品やバス会社や秋田のいいPRになると思うのだが…


※※※リラックマバスを撮影される方へお願い※※※
人気のキャラクターだけに、このバスの写真を撮影される方がよくいらっしゃるようです。ネット上で見ると、その中には、危険な方法で撮影をしていると思われる場合も見受けられます。
リラックマバスに限ったことではありませんが、撮影に当たっては、次の点に配慮・注意いただくよう、お願いします。

 ・車両の動きに充分注意し、安全な場所から撮影する
  大きなバスの前後を不用意に横断したり、立ち入れない場所に入ることは、事故のもと。周辺の他の車両にも注意。
 ・フラッシュは絶対に使わない
  バスや道路に向かってフラッシュ撮影すると、バス運転士や他の車両のドライバーの目がくらみ、事故につながる可能性がある。

特にバス運転士は、多くの乗客の命を預かって、職業として運転をしています。またバスは公共交通機関としての使命が第一であり、リラックマバスはあくまでもオマケのサービスととらえるべきです。バスの安全運行を最優先し、迷惑にならないようにしましょう。
このほか、歩行者の通行、乗客の乗り降りを妨げないことやプライバシーにも配慮したいものです。
可能であれば、始発終点バス停での待機時など余裕のある場面で、運転士に一声掛けてから撮影させてもらうといいかもしれません。
余裕を持って、落ち着いて撮影をしたいものです。

※LEDを写すコツ
行き先表示のLEDは、高速で点滅を繰り返しており、カメラのシャッタースピードやタイミングによって、筋状に欠けたり真っ黒に写ってしまう場合があります。
こう写ってしまうことも多い
これを防ぐには、シャッタースピードを変えられるカメラで、シャッタースピードを50分の1秒以下程度にすると、欠けずにきれいに撮影できるようです。さらに、露出をマイナス補正した方がいいかもしれません。(本記事の画像もそうして撮影しています)
シャッタースピードが長くなるため、停車中に写した方がいいでしょう。(走行中のLEDをきれいに撮影するのはとても難しい)
カメラや他の設定によって差もありますので、いろいろ試してみてください。

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