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ウエルマート消滅 他

2016-06-01 23:51:44 | 秋田のいろいろ
イオン系列のマックスバリュ東北が秋田県内で2店舗運営していた食品スーパー「ウエルマート」が、5月27日から「マックスバリュ」に屋号を変えた。
これにより、マックスバリュ東北運営のウエルマート消滅のみならず、国内からウエルマートがすべてなくなったことにもなる。

ウエルマートがいつどこで発祥したのかは不明(少なくとも昭和末期にはあった)だが、かつては全国各地で異なる運営会社(地域別会社またはジャスコ=現在のイオンリテール)によって運営されていた。
1994年に新ブランド「マックスバリュー」、1998年から「マックスバリュ」が登場し、地域差はあるものの、新店舗もしくは既存ウエルマートの名称変更により、徐々にウエルマートはマックスバリュに変わっていった。
秋田市のマックスバリュ広面店も、1995年のオープン時は「ウエルマート広面店」。いつの間にか、名称が変わった。
当初は大型店舗はマックスバリュ、小型店はウエルマートと使い分ける傾向も見られたが、近年は小さくてもマックスバリュを名乗る店も増え、ついには日本中で秋田の2店舗だけになっていたのだった。

また、マックスバリュ東北(とその前身企業)が、かつては「山形ウエルマート」「北日本ウエルマート」などと変遷したように、運営企業名としてもウエルマートが名乗られていた。「東北ウエルマート」がマックスバリュ東北となったのは2000年。

最後のウエルマート2店舗は、いずれも秋田市から内陸南部へ至る国道13号線・奥羽本線沿い、大仙市の協和店と神岡店。
協和店は1986年11月開店で、改装の上、マックスバリュ化。直営売場面積は484.3平方メートル。(ちなみに、新しい店にしては小さめのマックスバリュ泉店は1860平方メートル)
神岡店のほうは屋号だけ変わった形だが、27日付秋田魁新報によれば「神岡店も年内改装を予定している。」。【2016年11月25日追記】同日付折込チラシの店舗紹介欄「マックスバリュ東北のいろはにほへと」によれば、神岡店は「9月にリフレッシュオープン」。「開店から30周年を迎える150坪と小さいお店です。」。1986年開店で、495.9平方メートルということで、協和店とほぼ同じ。

Googleストリートビューよりウエルマート神岡店
ストリートビューによれば、2店舗とも、今の時代にしてはとても小さく駐車場も狭いスーパー。

各店のお客さんは、工事や掲示で知っていただろうけど、それ以外には突然の名称変更、すなわちウエルマート消滅だった。
ホームページへのニュースリリース掲載(お客さま向けページには未掲載)は25日付、それを受けて27日付秋田魁新報経済面に掲載されて、知ることとなった。
もうちょっと早く知っていれば、話のタネに行ってみたのに…

リリースには「旧社名(東北ウエルマート株式会社)を冠したウエルマート屋号は、すべて「マックスバリュ」へ変更となりますことを合わせてご案内申しあげます。」、それを受けた魁には「同社が営業エリアとする東北4県でウエルマートは全てなくなる」と掲載。
しかし、実際にはそれよりも大きな視点で、国内からウエルマートが完全になくなってしまうのだ。この点に触れてやれば、話としてはおもしろいのに。マックスバリュ東北も、魁にも、よその話に関心はないのでしょうけど…


「マックスバリュ」でなく「マックスバリュー」は、国内で北海道に1店舗しか残ってないが、今もそのままらしい。それより先にウエルマートがなくなる。
今となっては、ウエルマートが身近にあった頃の記憶は薄れたし、そもそも当時の僕はあまり利用しなかったけれど、少々寂しい。
前も書いたけれど、テレビCMの最後に流れていたジングル「♪ハロー ウェールカム【2日訂正】ウェルカーム ウェルマート」(ウ”エル”ではなくウ”ェ”ルと歌っていた)と、「W」のロゴマークはよく覚えている。【2日追記】ジングルは、宮城県など他地域でも共通だったらしい。CM中流れるBGMから続く構成。
ストリートビューで見ると、現在もマークのデザインは同じ。ただ、地色の赤が記憶にあるより赤い。今のマックスバリュのようなピンクというか赤紫っぽかったのは、勘違いか。
ストリートビューより協和店。前の看板は赤。背景の屋根の色が今のマックスバリュの色か?
カタカナのロゴは直線的なもの。こちらは印象にない。


そして、青森県へのマックスバリュ東北進出は2001年。
まずはイオン(現・イオンリテール)が経営していた8店舗を引き継ぎ、さらに倒産した地元の「亀屋みなみチェーン」なども引き受けて転換、やがて新規出店や既存店の大型化を進めて現在に至る。
イオン運営だった8店舗は、Wikipediaでは「ウエルマート」と「マックスバリュ」だったことになっている。

弘前にいた頃の記憶では、1997年の時点で弘前公園の西側、弘前工業高校辺りに小さめのスーパーがあって、それがその1つだったはず。
現在、新町のゲオの向かいに「スーパーマーケットみのせ新町店」というのがあるけれど、そこだろうか。店の古さやサイズ感は似ている。
当時は、「ウエルマート」ではなく、「ウエル」という店舗名称(看板)だったはず。「広面のウエルマートとマークは同じだけどマートが付かないんだな」と思った記憶がある。
※ウエルは弘前市郊外にも複数店舗があったそうで、津軽には結構浸透したスーパーだったようだ。マックスバリュ東北へ移管したウエルもあるが、地元スーパー「佐藤長」が引き受けた店舗もある。
【2021年8月31日・9月6日追記】コメントをいただいたように、1985年に「ウエル青森」という企業ができ、後に「青森ウエルマート」になったとのこと。弘前の店は店の屋号が「ウエルマート」になった後も、看板は「ウエル」のままだったということらしい。



マックスバリュ東北のほかの話題。
5月20日付で、社長に佐々木智佳子氏(56)が就任。25日付秋田魁新報経済面にインタビューが掲載された。
山形県新庄市出身で、1978年に同社の前身である西奥羽ジャスコ入社。
「イオングループの現行のスーパーマーケット業態で、女性が社長に就くのは初めて。」とあるが、「現行のスーパーマーケット事業」ってどういう意味だろう? 昔は女性社長がいたってこと? そういえば、マックスバリュ東北の前身の1つである、本荘の「つるまい」は女性社長だったかな。そういう意味?

「由利本荘市で試験的に運営している小型店舗「マックスバリュエクスプレス」も売り上げが好調。(略)山形県でも出店を計画している。今後徐々に店舗数を増やしていきたい。」とのこと。
旧つるまい時代からのマックスバリュを改装した「御門町店」のこと。東北以外では、エクスプレスはただの小型店舗(旧ウエルマートみたいな)のこともあるが、ここではコンビニ形式のレジで袋詰めしてくれるそうだ。5%引きになるのが、第2日曜でなく毎月10日なのも違う。
秋田市中心部・中央部にもほしい。


マックスバリュ東北は好調なようだけど、公式ホームページによれば、山形県のマックスバリュ村山店は5月31日で閉店。
「やまがたコミュニティ新聞(http://www.yamacomi.com/5720.html)」によれば、6月末には同じ村山地域の河北店と東根温泉店も閉店。3店は1991~2000年に開店した比較的大型の店舗で、「店舗の老朽化や今後の売上高の伸びが見込めないことを閉鎖の理由に挙げている」とのこと。
やはり、スクラップ&ビルドも進めなくてはいけないのだろうけど、今後は秋田でも…ということにならないか心配。

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12 コメント

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改名 (FMEN)
2016-06-02 00:31:31
秋田市から南のバリュはウエルマートに変わる前はアイマートという名前でしたよね。
今の和田店、八橋のローソン(環状線沿線側)、将軍野ツルハ、追分レゼールにあり、和田店以外は閉店。
将軍野追分は居抜きな模様?
協和はアイマート→ウエルマート→バリュ→ウエルマート→バリュでした。
これ見てると、またなんかの理由で復活するかもしれません。
BIG、かもしれませんが。

そういえば、ライトって店もありましたよね。
某子役みたいな名前のスズフクはまだ角館にありましたが、これもいつまで生きるか。
そして、といちや。
廃墟すら無い店もありますが、閉店特集、どうですか?
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変遷 (taic02)
2016-06-03 00:33:12
その辺のところはまったく分かりません。
子どもの頃はダイエー、なかよし、いとく、ト一屋くらいしか知らなかったもので…
つるまい→ウエルマート→マックスバリュだと思っていました。
ディスカウント重視の「ザ・ビッグ」は、マックスバリュ西日本の次に展開したのが東北だそうで、一時期は増殖傾向でしたが、最近はそうでもない感じ。

今となっては、こんなところにあったのかと信じられない場所にスーパーがあったものですが、それが今の時代にこそあったら便利な場所かもしれません。
返信する
弘前のウエルマート (H_Yanokura)
2021-08-14 19:38:05
こんにちは、H_Yanokuraです。
「1997年の時点で弘前公園の西側、弘前工業高校辺りに小さめのスーパーがあって」とのことですが、
Googleストリートビューをいつも通りに見ていたら、
現在の「駒越典礼会館(弘前)」の場所にあったことがわかりました。

よく見てみると「イオン(株)管理地」という看板が立ててあったので、ここかなと思いました。
私もここの店舗は曖昧でしたので、判明してよかったなと思っています。

よろしくお願いします。

《かつてウエルマートだった場所の情報》
https://www.google.com/maps/place/%E9%A7%92%E8%B6%8A%E5%85%B8%E7%A4%BC%E4%BC%9A%E9%A4%A8/@40.6088458,140.4511119,3a,75y,34.19h,94.19t/data=!3m6!1e1!3m4!1s2fzTj8Syz6ty1ltYACX4sQ!2e0!7i13312!8i6656!4m5!3m4!1s0x5f9b01cdb917d373:0xb9bc64713e2f0a99!8m2!3d40.609104!4d140.4512019
(Googleストリートビュー/撮影:2013年5月)
https://maps.gsi.go.jp/#18/40.609118/140.451317/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m
(国土地理院地図)
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駒越 (taic02)
2021-08-14 23:55:45
こんにちは。情報をありがとうございます。
岩木橋の駒越側たもとすぐですか。面積としても、昔のスーパーがちょうど収まりそうですね。

ただ、記憶にある弘前工業近くの店は、もっと狭い道に面していて、これほど川の近くではなかったはずです。
土地勘がなく、車に乗せられて1度行ったきりなので、とてもおぼろげな記憶で申し訳ないのですが…
近いエリアながら複数店あったのかもしれません。
返信する
Re:駒越 (H_Yanokura)
2021-08-30 11:49:25
こちらこそありがとうございます。

新たな情報が発見されましたので、お知らせします。

現「駒越典礼会館(弘前)」の場所に存在した、ウエルマートにつきましてですが、2000年度の電話帳を確認したところ、「ジャスコ(株)マックスバリュー事業本部ウエルマート弘前支部」ということが判明しました。

また、こちらの店舗に関する証言が下記の掲示板に書き込まれていました。

青森県全域の「ウエルマート」店舗は「ウエル」という名称ではなく、通常通りの「ウエルマート」という名称で展開していました。
看板の面積の都合で「マート」は省かれたのだと思われます。

よろしくお願いします。

《かつてウエルマートだった場所の情報》
https://minorusan.net/2000-42-51-303.html
(青森県弘前市平岡町 - 電話帳 - /2000年)
https://bakusai.com/thr_res_show/acode=2/ctgid=104/bid=1136/tid=3697672/rrid=327/
(ウエルマートの証言)
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看板はマートなし (taic02)
2021-08-30 23:59:49
典礼会館の所在地は「駒越町」のようですが、その裏側がすぐ平岡町で、土地としてはつながっていたようですね。
ここが弘前にジャスコ運営ウエルマートがあった時代の本山だったのですか。マックスバリュでなく「マックスバリュー」と伸ばしていた時代でしたね。

ウエルかウエルマートか、少々戸惑うところでしたが、納得しました。エリア内で看板を統一していたのでしょうかね。
今さらですが、レシートなどのロゴはどうなっていたかも気になるところです。
返信する
「ウエル青森」の真相 (H_Yanokura)
2021-09-05 18:02:13
タイトル:「ウエル青森」の真相

ありがとうございます。

また、新たな情報が発見されましたので、お知らせします。

青森県の「ウエルマート」につきましてですが、「ジャスコ(株)『ジャスコ三十年史』(2000.12) - 渋沢社史データベース」によると、当初は「ウエル」という商号だったことが判明しました。

1985年(昭和60年)8月5日、地域会社「(株)ウエル青森」を設立し、その後、「青森ウエルマート(株)」に商号変更をしたみたいです。

このような経緯から、当初は「ウエル○○店」として開業した店舗は、商号変更時に「ウエルマート○○店」となったのだと思われます。

よろしくお願いします。

《青森県内「ウエル」の情報》
https://shashi.shibusawa.or.jp/details_nenpyo.php?sid=8110&query=&class=&d=all&page=70#:~:text=SM%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%83%AB%E9%9D%92%E6%A3%AE(%E5%BE%8C%E3%81%AB%E9%9D%92%E6%A3%AE%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AB%E5%95%86%E5%8F%B7%E5%A4%89%E6%9B%B4)%E8%A8%AD%E7%AB%8B
(ジャスコ(株)『ジャスコ三十年史』(2000.12) - 渋沢社史データベース)
返信する
最初はウエル (taic02)
2021-09-06 20:10:49
複雑というか奥が深いというか、いろいろ分かってきますね。
ウエル→ウエルマートと変遷したものの、看板は変えなかったわけですか。

ご教示のデータベースを見ると、同時期に全国各地でちらほら「○○ウエル」ができています。
おおむね1980年代はウエルで、1990年代になってウエルマート、そしてマックスバリュに変わっていったのでしょう。
秋田・山形はウエル時代がなかったように、地域差もあることになります。
返信する
追加情報 (H_Yanokura)
2021-11-09 22:41:28
「スーパーマーケットみのせ新町店(現、さとちょう下町店)」に関する最新の情報があります。

元々こちらの店舗は「亀屋みなみチェーン」の「下町店」として1979年8月22日に開業し、94年4月19日にディスカウントの「K・バリュー下町店」に業態転換。

ですが、2002年1月に同社の破産に伴い「マックスバリュ東北(現、イオン東北)」が2001年12月に取得後、02年2月以降に「マックスバリュ弘前下町店」として再開業。

その後、09年に「スーパーマーケットみのせ下町店」を経て、18年11月に「さとちょう」を展開する「佐藤長」に事業を引き継ぎ、現在の「さとちょう下町店」に至ります。

よろしくお願いします。

《「下町店」の情報》
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/shoko/shoko/files/20210331aomori-daiten-itiran.pdf
(青森県の大規模小売店舗立地法状況[14ページ中5ページ目])
https://news.nissyoku.co.jp/news/nss-7726-0067
(下町店の業態転換に関するリリース)
http://www.jpubb.com/press/10442/
(マックスバリュ東北への譲渡に関するリリース)
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下町店 (taic02)
2021-11-10 20:24:30
40年強で4社(3社はこの20年ですが)変遷しつつ、続いているわけですか。そろそろ建物の寿命も気になる頃でしょうか。
4社とも店舗名は「下町店」だったようですが、所在地は「新町」。
そして弘前市には「下町」という地名はないようです。ほかにも新町周辺の店や信用金庫の名前には使われています。江戸時代、弘前城周辺を上町・仲町・下町と3つに分けていたそうで、城の西のこの辺りが下町だったようです。
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