広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

佐藤長

2018-11-14 00:12:31 | 津軽のいろいろ
弘前には「佐藤長」というスーパーがある。青森県全体で見れば大手ではないが、弘前周辺ではそこそこ店があって堅実な印象。

佐藤長といえばまず思い起こす店は、1度だけ利用した(ツナが入った惣菜パンを買って、ブルーチップだかグリーンスタンプをもらった記憶=今は配っていないようだ)ことがある「松森町店」。土手町から取上交差点方向へ進んだところにある。
今も健在
昔は外観がこんな黄緑色じゃなかった気はするが、建物は同じ。歩道ギリギリまで建物があり、ガラス越しに狭い店内が見渡せ、窓際で袋詰めするお客と目が合いそうな、昭和のスーパーの作り。

実はここが、佐藤長の創業地らしい。1897(明治30)年のこと。現在の本社は弘前市桔梗野。
他に店舗展開をしたのは1987(昭和62)年の小比内店以降のようだ。1897年と1987年、誤植かと思ってしまうが、90年開いている。
また、1978年(←これも誤植っぽいけど間違ってません。昭和53年)に「佐藤商店」だったのをスーパー佐藤長とし、松森町店ができたので、建物はその時のものではないだろうか。
現在の経営者は佐藤さんだけど名前に「長」は付かない。創業者は「長」が付く名前だったのかもしれないけれど、創業から81年経ってから「長」が出てきたのがおもしろい。

松森町店を見て気になったのが、店頭のロゴ。
縦書きの毛筆の「佐藤長」が味がある
日本語は「佐藤長」、ローマ字は「SATOUCHO」。
僕は昔からこの表記を見ていたから、漢字をそのまま読んで「さとうちょう」。ローマ字は「さとうちょ」だけど、まあやっぱり「さとうちょう」と読むんだろうなと思っていた。

ところが、他の店舗では…
Googleストリートビューより城東店「さとちょう」
漢字表記は見当たらず、ひらがなのみ。しかも「う」が1つ抜けた「さとちょう」。
それから漢字4文字は「生鮮活祭」? 「生活鮮祭」?

小比内店は松森町と同じ表記。店の新旧で使い分けているのか、古い店は今後更新していくのか。

公式ホームページでは、URLは「satoucho.co.jp」だが、本文では「みんなのスーパーさとちょうです。」など「さとちょう」表記。漢字も見当たらない。【14日補足】企業名は「株式会社佐藤長」であり、会社概要などでは漢字表記で掲載している。
この店は、今は「さとちょう」だったのか! ※ここでは「佐藤長」表記を使うことにします。
【14日補足】秋田ではわりとある「石郷岡」姓は、ふりがなとしては「いしごうおか」だが、会話では「いしごおか」と言うことが多い。さとちょうもそれと同じことだろうけど、正式な名称表記をそうしてしまうのが、大胆。

漢字表記がない新しい店舗だけを利用する人の中には、「さとちょう」の由来を知らないお客もいるかもしれない。あ、「由来」じゃなく「漢字表記」か。「長」の出どころが分からない以上、佐藤長の由来は分からない。
【14日表記】かな表記にしてしまって、本来の漢字表記が分からないという点では、「いとく(本社秋田県大館市、津軽にも店舗あり)」も同じ。ちなみに創業者名の姓名を略した「伊徳」が由来。佐藤長では、かな表記にした上、うを1つ抜いたせいで、よけい難解な店名になった気がする。
【15日追記】店舗の看板は「さとちょう」になっている店舗でも、配られるレジ袋ではローマ字で「SATOUCHO」と「う」入りで記されている。


ところで、上のストリートビューの写真の城東店。弘前駅の城東口からすぐのところなので、ここ数年は時間が余るとちょっとのぞくことがあった。
店の造りからして、古い(松森町店よりは新しく、昭和末~平成初期頃?)建物。昔、ここらにマックスバリュがあったので、その跡なのかなと思っていた。
Wikipediaを見ると、たしかにマックスバリュの跡であった。元は「亀屋みなみチェーン」の店だったそうで、2001年に同社が破産した際、マックスバリュ東北が継承した店舗の1つだった。
折しも11月13日から「さとちょう城東店「開店10周年祭」」が開催されているから2008年開店。差し引きマックスバリュとしては7年未満だったことになる。【2021年7月4日追記・コメントで情報をいただいた。マックスバリュは2002年2月~2005年末の4年弱の営業。マックスバリュ時代まで2階建てだった建物を減築して使っているらしい。】

それとは別に以前ちょっと触れたように、2000年前後頃まで、弘前には「ウエル」というイオン系のスーパーがあった。
「ウエルマート」ではなく、ジャスコ本体(後のイオンリテール)が運営していた。
後に、亀屋みなみチェーンをマックスバリュ東北が引き継いだ時に、ウエルも一部店舗が移管(マックスバリュ化?)されたらしい。

そしてマックスバリュ東北に継承されなかったウエルの中には、佐藤長が引き受けた店があるそうだ。
高杉、相馬など郊外にもあり、かつてウエルは津軽にけっこう浸透していたことにもなる。

ほかにも佐藤長では、平賀や尾上のマルエス主婦の店、下北のむつ市のマックスバリュ東北から継承した店もある。
さらに今年8月、弘前駅前のかつてダイエーが入っていた「ヒロロ(旧・ジョッパル)」地階に「ヒロロ店」がオープン。
2013年7月のヒロロ再出発時に、青森市から進出した「ルミエール」が入っていたが、大家と店子の関係でモメて2018年7月に閉店してしまった跡。
城東店と合わせて、弘前駅の東西どちらからも、いちばん近いスーパーが佐藤長になった(ヨーカドーもありますが)。

ヒロロの佐藤長は、改装期間が短かったこともあり、ルミエールのほぼ居抜き。さすがに自動演奏のアップライトピアノはなくなっていた。
レジは、支払いだけが無人のセミセルフレジ(=お支払いセルフレジ。佐藤長での呼称は不明)。レジ袋は無料らしい。
駅前の店だけに、お土産になりそうな地元食品も扱っていて、ルミエール時代と比べても充実していた。
むつ市内に店舗がある関係なのだろう、初めて見る下北方面の地元菓子店のお菓子もいくつかあった。
弘前市内からも「相馬製菓」というところの、
 
「これが津軽の味噌ぱん」と「これが津軽のいも太郎」。別段、津軽ならではということでもないが、素朴な味わいでよかった。
別の店の餅菓子などもあった。

弘前市内産の農産物産直コーナーもあり、9月初めでモモやリンゴが安くいろいろあったから、今頃はリンゴがいっそう充実しているはず。弘前駅周辺では、安く手軽にリンゴを買える店でしょう。

佐藤長のラッピング広告バスについて

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30 コメント

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Unknown (yanosan_bus)
2019-06-07 23:03:38
こんばんは。初めましてやのさんです。
 さて、本題です。佐藤長の表記は本店の松森町店と小比内店は[SATOUCHO]表記ですが、大原店と相馬店ももしかしたら[SATOUCHO]表記だったかもしれません。相馬店のストビューを確認してみたところ、[鮮魚の魚三]の看板の塗装が剥げていて、そこを良く見てみると、小比内店と同じような感じがしていました。ひらがな表記を始めたのは常盤店からだと思います。
また、[佐藤長]の名前の出所は創業者である[佐藤長次郎]だったと僕の祖父がおっしゃっていました。
返信する
はじめまして (taic02)
2019-06-09 21:22:57
佐藤長次郎さんが由来ですか。いい話をうかがいました。

常磐店もそこそこ古いようで、けっこう前からひらがなも使われていたのでしょうかね。
古い店は変更せずに統一しようとしないのが、おもしろいです。
返信する
「さとちょう城東店」と「ウエルマート」 (H_Yanokura)
2021-07-03 22:43:37
こんばんは、H_Yanokuraです。
また、5月末ごろのコメントにご返信ありがとうございます。

「さとちょう城東店」につきましてですが、有力な情報を見つけましたので、お知らせします。
こちらのブログ記事(http://sekita.blog26.fc2.com/blog-entry-195.html)によると、「マックスバリュ弘前城東店」は「2002年2月」に開店後、「2005年12月」に閉店しました。

こちらの店舗はさとちょうになる前は二階建てだったそうで、「国土地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/#17/40.599323/140.489075/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1)」を見てみるとそのことがわかります。

そして、MVからさとちょうになる前までは、スポーツ用品店の「スーパースポーツゼビオ」の仮店舗として営業していました。

その後、「佐藤長城東店」として「2008年11月」に開店しました。

また、さとちょうに引き継がれた「ウエルマート」店舗は1998年代に順次開店しました。
そのうちの一つの店舗である「堅田店」は2019年9月に発生した火災の影響で、閉店を余儀なくされました。
私のお気に入りの店舗の一つで、大変ショックを受けました。

詳細は私のブログ「さとちょうめぐりのブログ(https://satoucho-meguri.seesaa.net/article/blog3.html)」をご覧ください。

下北地区・むつ市にある「さとちょうむつ中央店」も元々ウエルマートだったそうです。
その後、「亀屋・Kバリュー→マックスバリュ・ザ・ビッグ」と経て、2011年12月に「佐藤長中央店」として再出発しました。

長々となりましたが、今回はこの辺で失礼します。
また、よろしくお願いします。
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城東の変遷 (taic02)
2021-07-04 20:30:18
こんばんは。今回も情報ありがとうございます。
マックスバリュ城東店は4年弱に終わり、建て替えて、今の佐藤長なわけですか。
秋田市内でも、閉店した他社(ダイエーなど)の跡にマックスバリュが入ったものの、短期間で撤退というケースがありました。
以前は、むつにも複数のマックスバリュ東北運営の店がありましたから、ルーツはジャスコ時代にさかのぼるのでしょうね。
佐藤長は2020年に大鰐町に小さい店を新規出店したそうですが、閉店には慎重な印象ですが、堅田は撤退ですか。火災が原因というのが惜しいですね。

青森県のスーパー事情を振り返ると、2000年前後以降、イオングループと亀屋みなみチェーンの変化が大きい感じがします。
そして、それらの後始末というか最終的に引き継ぎ~安定に貢献したのが佐藤長といったところでしょうか。
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Re:城東の返還 (H_Yanokura)
2021-07-04 21:16:20
こちらこそありがとうございます。

城東店は建て替えではなく、減築だと思われます。
ストリートビューで確認してみたところ、今のさとちょうの部分は亀屋時代からの建物ですが、店舗裏側の駐車場と、老人ホーム側の方の外壁が不自然に新しめの物なので、たぶんその2つの場所が2階建ての部分だったのかもしれませんね。
佐藤長になる際に不要&駐車場台数不足なので撤去した感じがします。

また、近年ではさとちょうはSM業態は新規出店を一旦終えて、既存店舗の改装に注力しています。
代表的な例でいいますと、以前みのせストアーだった「下町店」や、今月中旬にリニューアルオープンを控えている「木造店(ルミエール・パワフルかわぜん)」などがあります。
ちなみに下町店も元々亀屋みなみチェーンの店舗で、亀屋が破産した時にマックスバリュが引き継いだ店舗でもあります。

よろしくお願いします。
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減築 (taic02)
2021-07-04 23:40:00
自分でも本文中に書いてましたが、2008年新築にしては古い造りでしたね。
減築してまで効率的に使おうという意欲があったのでしょう。
2020年代に入り、古い店をそのまま続けるわけにはいかないのでしょうね。時代のニーズに合った店にすることで、より長続きすることでしょう。

引き続き、よろしくおねがいします。
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佐藤長、社長交代。 (H_Yanokura)
2021-12-10 00:30:55
こんにちは。
佐藤長に関する最新の情報をお知らせします。

この度、代表取締役社長が交代となったことが分かりました。
それに伴い、私の運営する「スーパー佐藤長めぐりのブログ」にてそのことに関する記事を掲載しました。

下記のリンクからよろしくお願いします。

《「佐藤長、社長交代。」の情報》
佐藤長、社長交代。|スーパー佐藤長めぐりのブログ|https://satoucho-meguri.seesaa.net/article/blog24.html
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こんばんは (taic02)
2021-12-11 20:26:02
情報をありがとうございます。
佐藤前社長は会長になられたのですか。
新社長は齋藤さんなので創業家出身ではないのでしょうね。経営は順調なようですし、より広い視野で展開をしていくということでしょうか。
返信する
事業多角化 (H_Yanokura)
2021-12-13 23:41:36
こちらこそありがとうございます。
今年2021年から佐藤長は「骨太改革」の時代に突入しており、更に事業を多角化していく方向に進んでおります。
また、来年の2022年1月中旬には「クスリのアオキ」水産テナント「魚三錦ケ丘店(宮城県)」を、2月下旬には「魚三河北店(山形県)」を順次開店します。
よろしくお願いします。

また、貴ブログを私のブログ「スーパー佐藤長めぐりのブログ( https://satoucho-meguri.seesaa.net/ )」にて、2021年12月20日からリンクをさせていただきます。
リンク箇所は左サイドバーの「リンクサイト」の欄にて紹介させていただきます。
※現在は準備中ですが、20日以降掲載となります。

併せてよろしくお願いします。
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ありがとうございます (taic02)
2021-12-14 23:52:52
ドラックストアと水産という業種なのも何か個性的な組み合わせですが、北東北を越えて南東北に進出というのがすごいと思います。勝算あってのことでしょう。

リンクいただきありがとうございます。
先週末弘前へ行ったのですが、惜しくも佐藤長へ立ち寄ることができませんでした。
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