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ぐるるにポンチョ!

2018-05-14 00:36:43 | 秋田のいろいろ
5月13日・日曜日から、秋田市中心市街地循環バス「ぐるる」に、新車の日野ポンチョ「13-44」導入!!
詳細は後ほど。
ここまでを「【速報・画像は後で】ぐるるにポンチョ!」のタイトルで、2018-05-13 16:11:57にアップ。以下、14日のタイトルと投稿日時変更時の追記。


少し前に情報をいただいていたように、13日の始発から秋田市中心市街地循環バスに新車が入った。
日野自動車のノンステップ小型バス「ポンチョ」。
全国的にコミュニティバスを中心に普及しており、秋田県内でもにかほ市の超神ネイガーラッピングや由利本荘市のごてんまり号など、中央交通系列では潟上市のマイタウンバスに導入済みだそうだが、秋田市内ではこれが初ポンチョ。
ぐるる用ポンチョ「13-44」
ポンチョは、長短2種と、ロングタイプでは1ドアと2ドアのラインナップがあり、これはロングボデー2ドア(型式は2DG-HX9JLCE【←公式サイトに記載されたのでこれで確定】、税込み1800万円?)。


ぐるるは、日赤病院跡地の再開発「エリアなかいち」オープンに合わせて2012年7月21日から、秋田市が主体となって、秋田中央交通に運行委託している、運賃100円均一のバス。※中央交通が自主的に運行しているのではなく、赤字分が市から補填されている。

1日当たり2台の車両が必要で、当初から小田急バス中古の1999年製いすゞエルガミオの短尺車2台(834と835)が、専属で使われている。当初は一般路線バスと同じ塗装だったのが、2013年7月から(ぐるる命名もこの時)は公募された専用塗装になった。2台はどちらも水色っぽい青ベースながら、それぞれ別デザイン。
予備車として、一般路線バス塗装の日野リエッセ「129」(2001年式自社発注。男鹿【15日訂正】五城目営業所路線車から抜擢)も用意され、平均すればけっこうな頻度(週に1~2日以上)で2台のうちどちらに代わって走っていた。
以上、3台がぐるるのレギュラーだったところに、新車が入った。
13日のもう1台は835が運用されたように、834と835は引き続き使われるようだ。129については後述。


新車が入ると知った時、まず気になったのが外観。
新たなデザイン募集なんてしていないはず。834、835どちらか片方だけを踏襲したら不公平だし。
上の写真では、835をベースにしたデザインに見える。ただし、835の側面後部に描かれている沿線施設のイラストと名称は省略されている。
でも、後ろから見ると、
後部は834と同じ大きな雲
【14日追記】バックモニターのカメラが、突き出た棒の先に設置されているのが不格好だし、雪が積もりそう。
運転席側側面は、
834と同じだ
正面とドア側側面(愛好家などは「公式側」と称する)は835、後部と運転席側側面(非公式側)は834と、両車のデザインを折衷というか分け合ったデザイン。考えたね。
834と835は、青色の色みが微妙に異なり、834のほうがより水色っぽい気がしているのだけど、1344ではどうなっているのかよく分からない。

上から見ると
834は大きな白い雲が描かれていて、屋根上と冷房機側面にもちょっとだけかかっていた(この記事末尾)。
1344では、冷房には描かれていないが、やはり屋根はちょっとだけ白くなっている。

個人的には見慣れたデザインをベースにしているためか、さほど斬新さとかインパクトは、さほどないような気がした。バスにしてはほっそりしているとは感じる。
運行事業者名である「秋田中央交通」の文字がどこにも見当たらないのだけど、いいのでしょうか…
【26日追記】コメント欄の通り、この後間もなく、両側面最後部の窓ガラス下部(実際には黒く帯状に塗りつぶされた部分で、車内からは文字は見えないはず)に社名が表示された。一般路線バスより若干大きめの白文字で、同じ丸ゴシック体。運転席側は前方から後方に向けて「通交央中田秋」となっていて、一般路線バスでもなくはないが最近では珍しい書き方で、統一感がない同社ならでは【6月7日訂正・最近の一般路線バスでも、同じ書き方でした。すみません。】。


行き先表示器は、フルカラーではなくオレンジ色LED。正面と後部は、ポンチョ専用品だろう。小さいながら「中心市街地循環バス」と表示。
側面
側面は、中央交通の中・大型一般路線バスと同じもの。オージ製で、上段に横書き1行、下に矢印付き縦書き4行表示。
ただ、ぐるるでは、上段に走行中は「中心市街地循環バス」と固定表示、入口ドアが開いている間は「このバスは中心市街地循環バスです。」とスクロール表示するだけで、縦書き部分は消灯。もったいないし分かりにくい。「通町→北都銀行前→南大通り→秋田駅西口」とか表示すればいいのに。データを入れるだけでしょ。【末尾の追記参照】


乗ってみた。
ポンチョは9年前に鳥取市で乗って以来。ポンチョは、いちばん後ろの席だけ2段高くなっていて、他の客席はフルフラットのノンステップ。鳥取では、最後部の高い席に座った。今回は初めての低い席。

1344は、ノンステップエリアは、運転席側に前向き1人掛け5席(うち前2席が車いす・ベビーカー設置用折りたたみ式、その後ろ2席が優先席?【23日訂正】運転席側前向き席は、前から3列目の固定式1席だけが優先席の色)、ドア側に優先席扱いのロングシート3席。最後部が4人分と数えるようなので、着席定員は12名。鳥取で乗ったのと、同じ配置だと思う。
現在、メーカーのホームページにはこの仕様は掲載されておらず、長尺2ドアでは、ドア側も前向き2人掛け【14日訂正】1人掛け×2席の計11名とされている。
【6月18日追記】中央交通ホームページによれば、座席12名、立ち席21名。

座席の布地は、日野でよくある、ごわついた水色ではなく、中央交通のいすゞエルガミオでおなじみの直線のランダムな柄入りの青系の「キサラブルー」と優先席はその色違いの水色系。
この車だけでなく、ポンチョ全部がそうなんだろうけど、座席はいまいち。間隔は狭いし、背もたれは柔らかいけれど垂直に近くて、きゅうくつ【15日補足・折りたたみでない座席での感想】。体格のいい人や、膝を曲げづらい高齢者なんかは座りにくいかも。
しかも背もたれが低い(昔市営バスにあった、小型レインボーみたい)ので、前の席の人の首筋に鼻息をかけてしまいそう。
【29日追記】全タイプの座席に座ることができた。最後段の高い席も、横向き優先席も、やはりイマイチ。前方右の折りたたみ席は、中大型バスのものとほぼ同じ座席のようで、背もたれが適度な角度で柔らかめ(というか普通)でまだマシに感じられた。
【6月6日追記】最後段の高い席は、足元はきゅうくつだけど、背もたれは一般的なもの(エルガミオなどと同じ?)で、マシ。また、この席の運転席側窓際には、白くて天面が傾斜した箱がある。メーカーによる「座るな、物を置くな」とのシールが貼ってあるし、肘掛けにも中途半端。でも、この席は窓が大きくて、なかなか楽しい席とも言える。(以上追記)
つり革が少々、縦方向のオレンジ色の棒はたくさん設置。

リエッセと同じ、長さ7メートル、幅2メートルだけど、天井が高くて視覚的なきゅうくつさはない。視点はかなり低く感じ、感覚としては普通自動車並み。
一方、ドアと前タイヤの位置関係から運転席隣にデッドスペースがある分、前後方向は短く感じる。

昨年のモデルチェンジでMT仕様は廃止されたそうなので、オートマ。これまでの日野のAT車は変速のタイミングやショックが不自然なことがあったけれど、これは感じなかった。
路面が近いせいか、ごろごろという音や振動は若干感じたものの、走行音も静か。
【23日追記】このポンチョは、シフトレバーをニュートラルとドライブの間で切り替える時に、グッと若干動くような衝撃がある。普通乗用車でいえばブレーキをしっかり踏まないで、NからDに入れた時みたいな感覚だけど、このポンチョは複数の運転士が操作していつもそうなるから、そういうものなのだろう。
今のバスは安全装置として、ギアをニュートラル位置にしないとドアが開かない「アクセルインターロック」が搭載されているので、バス停に停まるたびに、その衝撃を感じることになる。座っていたら完全に停まるまで立たず、立っている時はしっかりつかまるよう、注意しましょう。
【6月21日追記】シフトレバーは、秋田市交通局が1994年に導入したレインボーはじめ、日野製オートマ車で代々変わらない形状のようだ。

ぐるるのような、市街地の短距離乗車では、これで充分でしょう。
宮崎などでは、50キロほどの長距離路線にポンチョを使っているそうで、それは乗り心地の面ではどうかと思えるけれど…


車載機器は、整理券や運賃箱は中央交通標準の小田原機器製。整理券は、834・835とは逆で、入って右側に設置。
運賃表示器は、メーカーは確認できなかったが、黒い枠の液晶2画面タイプ。グレーの枠だったレシップ製の新しい機種かもしれない。弘南バスで導入している。
この運賃表示器は、消灯したままで、やはりもったいない。弘南バスの土手町循環100円バスでは、5か国語で次のバス停名などを案内しているのに。これだってデータを入れるだけで(外国語はちょっと大変かもしれないけど)できるでしょ。【末尾の追記参照】

ドアが開閉する時は、「ピンポン」「ドアが閉まります/開きます」さらに「ビー」とブザー音まで鳴るらしく【16日追記・入口/出口それぞれのドアで鳴るようで、2つを同時に開閉した時は微妙にずれて同じ音が出るようだ】、なんかうるさい。
【29日追記】他の車種も含めて、ワンステップやノンステップバスの運賃箱は、客席(通路)部分よりも1~2段高い運転席と同じ高さに設置されるのが普通。ポンチョでもそう【6月10日補足・運転席よりは1段低い段、客席からは1段高い(高さとしては1.5段分くらい)位置に設置】だが、前輪とドアの位置関係上、通路からやや奥まった位置に投入口がきてしまう。それに、中大型車と比べて、運転席が床からより高い位置にあるのかもしれない。そのため、背の低い人や腰の曲がった人は、運賃箱に投入しづらい場合がある。弘南バスのマイクロバスでも似たようなものだけど、運賃箱の位置とか運賃箱自体の構造に一考の余地があるかも。


バスの車種の淘汰が進み、バリアフリーも求められ、選択肢が減って、消去法ではポンチョがぐるるに最適なのだと思う。
でも、834・835は19名が着席できた(リエッセも同じくらい)のが、7名も減った。
ぐるるは、平常時はそれでも収まることが多そうだけど、最近は全席(19席)が埋まるくらい観光客などが乗りこむこともあった。
今年2月の第25回秋田市地域公共交通協議会の議事要旨によれば、ぐるるは「損益分岐点となる乗車人数が1便あたり14人に対し、実績は7.4人」「利用者数の推移として増加している」。
現状では全員座れるけれど、ポンチョで立ち客が出ないと採算が取れないということになる。
高齢者も乗るので席は多いほうがいいから、ある意味バリアフリーと相反するし、歩ける人は、混雑するのなら、市街地の短距離だから歩こうとなってしまうかもしれない。

ぐるるの車両は、これまでは中央交通が保有していたものを使っていたわけだから、秋田市からの直接的な金銭補助はなかったのだろう。
今回も、中央交通が自前で買った(バリアフリー関連の補助金は出るかもしれないけれど)ということなんだろうか。現状赤字なのに。


一般塗装の予備車129は、秋田営業所配置のまま一般路線専用へ移るようで、先週末の時点で既に小型車路線での運用に入っていた。【この後、5月20日には再びぐるる運用に就いた。】
その前、この1か月ほどは、ぐるる運用に入らない日のほうが少ないほど、よく走っていた。ぐるるとしての最後の活躍だったのだろう。ATの変速ショックはあったけれど、2人掛けが多く柔らかめの座席は嫌いじゃなかった。
でも、ぐるるに不慣れな人には、129はまぎらわしいことこの上なかった。パンフレットでは青いバスの写真が出ているのに、
こんなバスが来たら…
「循環バス」だけの行き先表示(しかも正面はガラスが着色)、色あせた前掛け(バスマスク)と小さな紙の掲示程度で、戸惑う客を何度も見かけた。それどころか気付かないで乗り損ねた人もいたかもしれない。【14日追記】反対に、一般路線バスを待つ高齢者などが、間違って乗りこんでくるのにも数回遭遇した。最近は慣れたのかなかったけれど。
最近の運転士さんは、車外スピーカーで肉声で「ぐるる循環バスです」と言ってくれていたけれど、抜本的には、予備車といえども視覚的に分かりやすくぐるるであることを示さないと不親切だと、秋田市へ意見を伝たことはあった。
ポンチョ導入で、とりあえずは解決か。【21日追記】20日・日曜日は再び129がぐるる運用に入っていた。この日のもう1台は未確認だが、ポンチョの整備日だったのかもしれないし、834を1週間ほど見ていないので時間がかかる整備中なのかもしれない。このように専用車の整備が重なった場合はそうせざるを得ないか。
差し当たっての課題は、側面の経由地表示と車内での文字の案内だな。【末尾の追記参照】


1日当たり2台が稼働するぐるるは、どちらの車両がどちらの運用に入るかは固定されておらず、法則もない。
でも、昼間は2~3周ごとに交代(時刻表で★印は買物広場で乗り換えになると表示があるダイヤが節目)し、原則として買物広場で待機する(まれに秋田駅西口待機、ごくまれに車庫へいったん戻ることもあるようだ)ので、乗ろう・見ようと思えば、さほど難しくはない。【21日追記】もちろん、運悪く、その日に点検整備等のため運用を離れていたらムリですが。
1便当たり14人に向けて、ご利用を。

【6月18日追記】最近の中央交通では、新車を導入すると、わりとすぐにその旨を公式ホームページで紹介していた。
今回のポンチョはその気配がなく、代わりに秋田市交通政策課のホームページで紹介された。費用の出どころなどの理由でそんなもんかと思っていたら、ひと月経った6月14日に中央交通のホームページにも掲載された。また、15日付の秋田市の広報誌「広報あきた」でも、写真入りで軽く紹介。
市のサイトも中央交通のサイトも、5月14日から運行開始としているが、当ブログの通り実際には13日から走っている。
掲載された写真は、長崎屋バスターミナルの車路中央部にぽつんと駐めて「中心市街地循環バス」を表示した状態で撮影。

2020年になってやっと、行き先表示や車内の液晶ディスプレイが活用されるようになった。
※2021年9月にさらに新車が入ったが、ポンチョではなくエルガミオになった

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23 コメント

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遂に秋田にも! (あきらっち)
2018-05-13 18:13:17
ポンチョが秋田市内、それも「ぐるる」に新車で導入されたとは画期的だと思います。
従来の車両のうち、エルガミオ7mの834と835は年式的にも引退しても不思議ではないでしょう。
できればポンチョをあと2台導入し、ぐるるは予備車を含めて車種統一されれば最高だと思います。
返信する
Unknown (ガンメタ)
2018-05-13 18:43:14
834・835もしばらくは継続して使用します。129は路線車に変更、現在あるミニバスの中から転属車が出ます(以前転属した53号車が廃車される事に伴う転属)今年9月をもって梨平線が駅東団地線と統合、中型車に変更される為いずれは路線用ミニバス車両は秋田営業所からは無くなると予想されます。1245(エルガミオ)は臨海営業所に配属、新たに1246(エルガ)も近日臨海営業所に配属される予定です。
返信する
訂正 (ガンメタ)
2018-05-13 18:45:24
エルガミオは1345・エルガは1346でした、訂正してお詫びします。
返信する
こんばんは (秋田市4227ファン)
2018-05-13 22:59:14
自分も今日の午前中、広小路を走っているポンチョを見ました。近いうち広く浅くのブログに話題が・・・と思っていた所でした。
834・835の車両で見慣れているのでポンチョは少々、違和感も感じましたが・・・。
返信する
コメントありがとうございます (taic02)
2018-05-14 00:50:12
>あきらっちさん
全国的には秋田市にも「やっと」という感じもします。
834・835は車齢19年ほど。中央交通さんならもう少し使いそうな気もしますが、三平バスより古いですからね。専用塗装もサビが出たりしていたので、何らかの手が入るかもしれません。
ぐるるも定着したので、いずれは追加導入されるのでしょう。

>ガンメタさん
おかげさまで、落ち着いて新車を見ることができました。
129は先週頭頃まではやたらとぐるるに入っていましたが、先週末には駅東団地線で見かけ、活動の場を移したようですね。いずれはポンチョが多少増えるのでしょうか。
エルガミオ1345は、1290とそっくりなので、同じ出どころみたいです。

>秋田市4227ファンさん
従来と比べると細身の車なので気づく人は気づくようですが、塗装はほぼ同じなので見過ごす人もいそうです。
乗ってみると、また別の違和感もありましたね。
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いつの間に・・・ (TMK2)
2018-05-15 10:53:20
ぐるるに新しい車両が登場していたんですね。
まだ見た事ないので見てみたいです。

これで秋田の小型が129、246、1269の3台となったわけですが、どの車両が転属になるのでしょう・・・?
129だとすると秋田の前が五城目だったので出戻りになりそうですが、気になるところです。
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いまのところ毎日 (taic02)
2018-05-16 00:36:27
日月火と連日運用されていますので、この調子では見られる機会は多そうです。

秋田のリエッセ3台、それぞれ違う仕様や出自になりますね。
リフトなしは129だけだし、やはりそうなるでしょうか。
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Unknown (Unknown)
2018-05-16 23:10:10
今日ぐるるの「ポンチョ」見たら、ガラスに社名が入ってました。
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遅れて表示 (taic02)
2018-05-17 00:56:07
一般路線車の「ノンステップバス」表記などもそうですが、走らせてから後で表示するのがお好きみたいですね…

一般路線・高速や貸切なら、最近はホームページに新車が入った告知が掲載されますが、今のところポンチョについてはありません。
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Unknown (Unknown)
2018-05-22 01:38:46
> 一般路線・高速や貸切なら、最近はホームページに新車が入った告知が掲載されますが、今のところポンチョについてはありません。

市のサイトには告知があります。
http://www.city.akita.lg.jp/city/ur/im/05kotu/junkan_bus/junkan-bus.htm
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