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巻きつくバス停

2011-10-04 23:38:05 | 秋田市営バス
秋田市北部に「陸上自衛隊秋田駐屯地」がある。
所在地としては「飯島」だが飯島地区の南端の辺り。将軍野(しょうぐんの)や土崎港地区と境を接しているため、「自衛隊は将軍野や土崎にある」というイメージの方が強いかもしれない。
現在は駐屯地の敷地のすぐ東側を、県道41号線(ヨコカナ線こと県道横山金足線)が通っているが、一般的な駐屯地へのアクセスといえば、新国道(という名の県道56号線)から市道の「自衛隊通り」に入って将軍野踏切を渡り、敷地の南西に位置する正門へ行くルートだろう。

その新国道から自衛隊通りに入る交差点が「自衛隊入口」交差点。交差点から駐屯地までは1.5キロほど。
新国道といえば秋田市内を南北に貫くイメージだが、この付近はほぼ東西方向に走っている。自衛隊は北方向なので、秋田市中心部から来ると右折することになる。
交差点を境に西が土崎港、東が将軍野。
自衛隊入口交差点。西から東を見る。左が自衛隊方向
自衛隊入口交差点の南側の市道は、坂を越えて旧国道へつながる。交差点のすぐそばには県立秋田中央高校のほか、秋田県点字図書館がある。南が丘へ移転する前には県立盲学校もあった。(ちなみに、中央高校には校舎改築計画があり、盲学校跡地も活用して新校舎を建てるらしい)
そのため、この交差点はかなり以前(少なくとも昭和50年代)から、視覚障害者用信号(音響式・盲人用信号)が設置されていた。現在はさらに、歩車分離式(建前上は斜め横断不可)になっている。


この交差点のそばにあるバス停の名も、「自衛隊入口」。
ここは、新国道側を新国道経由各路線、市道側を将軍野線(通町経由市民生協発着と県庁・サンパーク経由組合病院発着)が走っていて、路線が交差しているため、それぞれに「自衛隊入口」というバス停がある。
周辺略図
新国道側は、上り下りとも交差点を過ぎた位置(=上の図では下りが西側の2、上りは東側の1)にあり、市道側は上下とも交差点の北側(3と4)に設置されている。
なお、本数は少ないが新国道経由将軍野線(中央高校前を通らない)というのがあり、その上り(秋田駅行き)は市道側3→新国道側1と2つとも通ることになる。おそらく、どちらからでも乗せてくれるとは思うが、降りるのは市道側だけかもしれない。(未確認です)


今回注目するのは、自衛隊入口バス停のうち、略図でいう「1」のバス停自体について。

バス停には、普通、バス停(のポール)が立っているはず。
市道側の下り側(4)には、旧市営バスの初代バスロケ(接近表示)付きのものが設置されている。2代目には更新されず、ただの照明付きバス停になったわけだが、バスロケが必要なほど利用者のいるバス停だったのだろうか?
市道上り(3)、新国道下り(2)は、普通のいわゆる「ダルマ型」バス停が立つ。

しかし、1の新国道側の上り・秋田駅行き側は…
後方が交差点
交差点の東に、歩道が切り欠かれた(バスベイ)、バス停らしき部分がある。
点字ブロックもバス停を示す丸い点の「警戒」(なぜか2か所)
【2016年5月21日追記】警戒ブロックが2か所あるのは、新国道の近隣のバス停でも見られる。同時期に施工されたのだろうが、意味がないことであり、かえって混乱させてしまう。
でも、ポール類は見当たらない。
じゃあ、時刻表はどこにあるの?


なんと、
電柱にあります!

バス停の名称表示と時刻表が電柱に“巻きついて”いるのだ。
以前、弘前市にある弘南バス「桔梗野」停留所の絵に描いたバス停を紹介したけれど、これは「巻きついたバス停」か。


ただし、「秋田中央交通」「自衛隊入口」という表示はあるものの、「バス停留所」といった表記はなく、一見、これがバス停とは認識できないかもしれない。

普通のバス停なら時刻表をはめ込む枠があるが、板を巻きつけているだけなので、構造上無理。
そのため、
ガムテープで貼られている(9月以前の改正前の時刻表)

バス停名と運行会社名
普通、会社名が上段で、バス停名が下だと思うが、なぜか逆。
間に白いテープが貼ってあるが、ここには「秋田市営バス」と表示があったはず。(※そのため、この記事を市営バスカテゴリーに入れました)

東側から西を見る。奥が交差点
裏面も、時刻表はないが同じ内容の板が巻いてある。

上の写真で分かる通り、電柱が立つ位置は、切り欠きの中央部(警戒ブロックのある位置)から離れた位置(バス走行方向から見ると先方)にある。
当然、バスは中央部にドアを横付けして停まるので、電柱の前で待っている人は、そこまであわてて移動しないといけない。

ここ以外のポールが立っているバス停でも、新国道の近隣バス停や竿燈大通りの一部(上りの大町二丁目や交通公社前)で、切り欠きの先端にポールが設置されている場合がある。
乗客の動線としては好ましくなさそうに思えるが、歩道の狭さを考慮して、通行の妨げにならない位置に置いたのだろう。


それにしても、この“電柱のバス停”の表示、白が基調なので目立たないし、位置はずれているし、そもそもまさかこんなスタイルのバス停があるとは思いもしないだろうから、初めての人は見つけられないかもしれない。
せめて、他のバス停と同じような、目立つ色遣いにして目立たせた方がいいと思う。

市営バス当時から存在していたので、歴史はそれなりにあるわけだが、なぜ、電柱をバス停にしようと思いついたのだろう。
バス停の前後の電柱を見てみると、
「ここに電柱広告を出してみませんか?」
自衛隊入口交差点周辺の多くの電柱が、広告募集中だった。(バス停に比べて、広告が高い位置に巻かれている)
秋田市中心部では、医療機関の広告などが電柱にあるのをよく見る。新国道周辺では、広告主が見つからないらしい。

巻きついたバス停も、この手の広告と同じ形式だ。
しかし、バス会社がバス停のために、長年に渡って広告費を出し続けているとは考えにくい。ポールを立てるのならタダだろうし。
もしかして、電柱管理会社側(NTT系?)が、どうせ空いている広告スペースだからと、無償でスペースを提供しているのだろうか。巻きつけ位置を広告より下げたのは、時刻表が見やすいようにとの配慮だろう。
電柱広告であれば、屋外広告物としての手続きが必要になる。しかし、バス停ならいらないだろう。この辺の扱いはどうなっているのだろう。

【5日追記】最近は、各種地図サイト(MapionやGoogleマップ)でも、バス停の位置が表示される。
細かい位置については、いい加減な場合(道のど真ん中にあるとか)もあるが、自衛隊入口交差点周辺では、ほぼ忠実。しかし、この新国道上りの自衛隊入口だけは、Mapion、Google、それにgooの地図でも、バス停が存在しないことになっている。現地での調査に基づく元データが共通なのかもしれないが、調査員も、電柱がバス停になっているのに気づかず、見落としてしまったのだろうか。


ほかにも意外なスタイルのバス停としては、南秋田郡五城目町に、バス停の絵を民家だか店舗の壁に貼ったバス停があるのだとか。→この記事にて

※自衛隊入口の冬の様子はこちら
その後の変化

【2017年12月28日追記】広島市の広島電鉄の路面電車の停留所「小網町」は、狭い道にあり、車道部分と段差がなく線で区切っただけの乗り場「平面電停」。電停名称表示や時刻表を掲出するスペースが確保できないため、路肩の電柱に設置されているのを知った。自衛隊入口のように巻きつけているのではなく、平らな板を何枚か電柱に固定した、立て看板のような外観。現在は安全面から平面電停は少なくなっているが、他の都市でも存在する(した)。もしかしたらこれにヒントを得たのかもしれない。

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6 コメント

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Unknown (名無しの秋田市民)
2011-10-05 20:31:14
いや~自分も最初はバス停の存在を気づかず、なんで人が立ってるんだろうと思っていましたXD
実際そこに行ってみるとびっくりでした。

そういえば10月の大幅な時刻の変更によってバスロケ型(というのでしょうか?夜でもバス停名が光る立派な四角いポール)のバス停に貼りつけてあった時刻表が普通のダルマ型のに入れられていた気がします。
自分の確認した所では県庁第二庁舎、交通公社前などがそうだったと思います。
ただ貼りつけるだけでなくちゃんと枠に入れることにしたんですかね~。
毎日のように利用するわけではないのでまたもや明確には言えるわけではないのですが・・・。
バス停 (taic02)
2011-10-05 23:09:02
路面の「バス停」表示もほとんど消えているし、存在が分かりづらいですよね。

ステンレスのバス停のことですね。あれはバスロケが搭載されていたものと、いないもの(ただの照明付き)と2タイプありました。今はバスロケが廃止されたので、どちらも同じですが。
僕もこれらのバス停で時刻表を意識していなかったので、よく分かりませんが、従来はステンレスの部分などにテープで貼っていたのでしたっけ? で、隣にあるダルマ型は時刻表が入ってなくて、存在意義がないという。
冬の風雪にテープだけで耐えるのは厳しそうですから、正規の掲示方法にしたのは正解だと思います。

牛島方面の秋田駅行きバス停の新しい時刻表では、平日と土日で時刻表が明確に区分され、おそらく、車庫行きと駅止まりが1つの表にまとまって見やすくなったようです。
多少は、改善されたのかもしれません。
Unknown (名無しの秋田市民)
2011-10-06 21:35:46
一応画像がありました
http://upup.bz/j/my49392YtXf0WNAQKnNw.jpg
時刻表を撮ったものなのでわかりにくいものなんですが・・・。
やっぱりステンレスのに貼っていたはずです。
雪が吹きつけるのでたしかに大変ですね~。
おかげで時刻表がいつもの場所になく焦ったわけですがXD
たしかに (taic02)
2011-10-06 22:28:07
貴重な画像ですね…
たしかにテープで貼ってます。かえってその方が作業に手間がかかりそうな気もしますけど。
夜は見づらいでしょうし、はがす時も面倒でしょうし。なんでこんなやり方をしたのやら。
しょぼいバス停?! (ポンカン君@土崎)
2016-10-14 08:48:14
ここ昔からこうだったわけじゃないですよね?!と30年ぐらい昔の記憶をたどってみると、昔はバスベイがなかったような気がします。このスペースを作ったらバス停を立てる場所がなくなったとかでしょうか…。
こっち側のバス停には用事がなくなって久しいので知りませんでしたなあ。車では通ってたはずだけど…
ここだけ (taic02)
2016-10-16 00:47:11
点字ブロックや舗装の具合からして、比較的最近、道路自体に手が入っているような気がします。といっても、市営バス時代からあったので、15年か20年ほどは経っているかもしれません。
前後のバス停も似たような立地なのに、どうしてここだけこうなったのか、不思議です。

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