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猿田川カメラ

2020-07-27 23:12:15 | 秋田の地理
先日、旭川を例に秋田県が管理する河川に今年度から設置された「簡易型河川監視カメラ」を紹介した。
今回は、車両基地・秋田車両センターへ新車両を見に行った時、ついでに見た、猿田川の状況。

猿田川も秋田市内を流れる雄物川水系。市南部地域で完結する(とはいえ南部地域の平地をほぼ横断する)、だいぶ小さな川だが、一級河川の支流だから、一級河川。
秋田南インターチェンジ付近が源流で、上北手の田んぼの中から日赤病院裏、横金線と奥羽本線(車両センター付近)をくぐり、仁井田と牛島の境、国道13号をくぐって大住、羽越本線をくぐって卸町、再び国道13号をくぐった所で太平川に合流して終わる。最終的には太平川→旭川→秋田運河(旧雄物川)→秋田港。

途中、羽越本線付近では、「古川」というさらに小さい川が合流する。よく分からないのが、この古川は秋田市管理で一級河川ではない「普通河川」扱いであること。河川法適用外の「法定外河川」なんだそうで、用水路に毛が生えたようなものなんだろうか…
この古川が大雨でよくあふれる。(猿田川もあふれたことはあり、混同する市民もいるようだ。)
河川改修など対策が取られているが、上記の経緯から国、県、市が関わってくるのがややこしい。水位等の情報も提供されているが、一元化されていない。

この機会に他の河川も含めて、水位情報等が分かるサイトへのリンクを掲載しておきます。
・全国の国直轄・知事委託河川(=河川法適用河川のみ?)※秋田県管理河川のカメラ画像掲載なし
国土交通省 川の防災情報

・秋田県管理河川(カメラ画像あり)
秋田県河川砂防情報システム

・古川の水位情報
秋田市役所サイト「ページ番号1022964


さて、猿田川の水位観測所は、車両センター近くの市道「福島橋」左岸・仁井田福島二丁目にある、「仁井田」水位観測所のみ。【28日補足・「危機管理型水位計」というものは、上流に1か所設置されているらしいが、県の説明不足でよく分からない。】
そこに簡易型河川監視カメラがあるのかと思いこんでいたら、違った。
秋田県河川砂防情報システムより
「御茶屋橋」左岸に下流方向を向いて設置されていた。御茶屋橋の水位データなどは出ていないから、カメラだけあるのか?
御茶屋橋は旧羽州街道が通り、福島橋から900メートルほど下流。そのすぐ下流に最初の国道13号の橋もある。

となると…
県のサイトでは、各河川カメラをまとめたページもあるが、各観測所ごとの水位履歴のページでも、カメラが設置されていれば直近の画像は閲覧可能(しかもクリックすると大きな画像になる。平常水位の画像も掲載【8月9日追記・その後、8月上旬に見ると、県の河川サイトのデザインが若干変更されのか、カメラ付き観測所の水位履歴でも、カメラ画像が表示されないページも存在していた(表示されるページも存続)。使い勝手の良いサイトとは言えないので、平常時から見ておいて、サイト構造を把握しておくことをおすすめします。】)。
ところが、猿田川の場合、仁井田観測所のページに画像はないし、御茶屋橋はデータがないという、物足りない状態。

現地へ。
御茶屋橋から猿田川上流方向
御茶屋橋の上流で、川がカーブしている。カーブから直線に変わる辺りの岸辺に、茶色い棒が立っている。
これがカメラだ
【28日補足】カメラの設置位置は、仁井田二ツ屋一丁目となる。
上流方向から


旭川の中島観測所より低く、コンパクトな設備だが、やはり太陽光パネルと廉価そうな筒型カメラから構成。無線送信だそうだから、これだけですべてなのか。カメラのロゴが見えない側だったが、中島観測所と同じ「ビボテック」製だろう。
設置された位置は立ち入りができない。民家っぽいものもあるが、入居しているか分からない長屋風家屋や、町内会館のようなものも建つ。

対岸からだけど、カメラ画像に近いアングル
両岸には民家が密集し、国道の向こうの大住入口のローソンの青い装飾も写るはずだが、まとめて塗りつぶされて公開される。

上のほうの写真に歩行者自転車専用の標識(「自転車歩道通行可」の補助標識だが、不適切では?)が写っている通り、右岸側は御茶屋橋から入って川伝いに歩くことができる。左岸側も、少し上流側から同じようになっている。本来は河川管理用通路だと思われるが、道路標識が立っているのは秋田では珍しいのでは。旭川で人が落ちても「生活道路としての利用は想定しておらず」とコメントしたのも、秋田県なのに。
いい感じの散歩道なのだけど、
「あ、あぶない!」
近くの市立牛島小学校PTA名義の、古びた看板。
「川岸で遊ばない」はいいとして、「土手は通学路ではありません」とのこと。「土手」とは、この川沿いの通路のことでしょう。
どういう運転をするか分からない車が通る、住宅地内の狭い道よりも、猿田川沿いの道のほうが、むしろ(交通)事故が少なく安全ではないでしょうかね。やはり「生活道路としての利用は想定しておらず」で、万一、(川の)事故があった場合をおそれているのか。
【2023年7月16日コメントいただき追記・川岸の道は、かつては未舗装・柵なしで、転落事故も起きていたとのこと。そんな状況では通学路にはならなくて無理もない。PTAの看板は40年以上前からあったとのこと。】

さかのぼると、しばらくほぼ一直線で、南部市民サービスセンター「なんぴあ」別館(旧・南部公民館の位置)や牛島小の、いずれも裏手など過ぎる。
対岸のアンテナは河川管理とは無関係?

やがて、新しい家が多くなって、やや開けた雰囲気になると福島橋。
福島橋上流側。対岸に観測所
そのたもとに、仁井田水位観測所がある。
仁井田水位観測所
中島観測所とよく似た造りで、白い箱型建物とアンテナが付いた柱からなる。その柱を見ると、
カメラだ
上流方向を向いた、廉価そうなカメラ。
筒が短く中島や御茶屋橋のものとは別製品のようだし、ソーラーパネルも見当たらない。
「AXIS」ロゴが逆さ
キヤノンと資本関係がある、スウェーデン「アクシス・コミュニケーションズ」のカメラ。
ロゴが逆さということは、それが表示された本来ひさしであるべき部品を、底にしてしまっている。逆光とか雪が積もった時、大丈夫?
2019年9月のGoogleストリートビューでは、このカメラ設置済み。2015年8月はまだなく、中島観測所にも以前あった、2つのタケコプター風装置が取り付けられていたものの、クズか何かのつるがからまっていて、データの信頼性は低そうな状態。

福島橋から上流方向。舗装された管理用通路は途切れる
御茶屋橋と比べると、川幅は若干広くてキャパシティはありそう。ここの画像を公開するよりも、御茶屋橋のほうが危機感は出るかもしれない。
でも、どうしてここの画像を公開しないのだろう。仮にこのカメラでは技術的に無理で、ソーラーパネル設置、カメラ交換が必要だとしても、御茶屋橋に柱から新設するよりは安く上がるはず。何より、水位といっしょに情報提供できるのに。

上の写真で、手前の護岸の斜面に、黄色・赤・白の線が見える。
橋脚でよく見られる、氾濫や避難の目安になる水位の線が、ここではこういう形で記されていた。
橋を渡った下流側に、説明看板があった。橋の架替えなどの影響で、位置関係がおかしくなったのかもしれない。
県名義の「洪水情報の見方」
ほかでは見たことがないかも。なかなか親切?
ただ、低いほうから、黄色、赤、白と、いちばん危険なはん濫危険水位が白なのは、どうなんだろう。太平川の愛宕下橋の橋脚も同じ色分けだった。
(再掲)愛宕下橋の橋脚
全国的には黄色、オレンジ、赤とか青、黄、赤など、いちばん上を赤にしているところが多いようだけど、秋田県独特なのか。

そして「注意:この水位は目安であり、実際には市の広報等により行動してください。」とは、秋田市に責任転嫁しているような…
上記の通り県のホームページで水位情報を誰でもリアルタイムで知ることができ、「自助共助」が求められる時代。そんなに古そうでもないけれど、時代遅れの看板になったようだ。
【28日追記】でも、このような看板で、川の近くの人たちに、川に関する情報を日頃から提供することは必要だ。観測所が何をしているのか知らない人が多いはずだから。河川情報のURLやQRコードを掲載するなど時代に合った看板を、他の河川にも設置してほしい。

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6 コメント

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Unknown (FMEN)
2020-07-27 23:17:23
雨がひどくなってきました。
明日から明後日は特別警報クラスの雨もあるとか。
猿田川古川新城川の三大暴れ川の水位が心配です。
返信する
27日夜は (taic02)
2020-07-27 23:47:03
夕方以降激しく降った後、一段落でしょうか。現時点では、秋田市内の各河川は持ちこたえました。
明日は県南~山形がひどそうですが、秋田市も気は抜けないでしょう。
梅雨の最後の最後なんでしょうが、お手柔らかに願いたいです。
返信する
取り敢えず第1波はやり過ごし (あんなか)
2020-07-28 02:06:00
雷も鳴って豪雨でしたね。
取り敢えず雨雲は抜けましたが梅雨開けはしていないので油断しないようにしないと。
カメラは安価にして壊れたら即交換という感じでしょうね。
ただこのメーカーのカメラはデフォルトのままだと世界中に配信状態になって問題になった事があったような・・。

最近ではプロ用の機材も敢えて安価な製品にして壊れたら直ぐ交換になってますね。
各民放FM放送局の中継局も安価な海外製のメーカーに更新しています。
県内全てのコミュニティ放送の送信機もイタリアのRVR社製を中心に海外製ですね。
FMゆーとぴあなどかつては国産のJRC(日本無線)製を使っていたところもありました。
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雨が上がって (taic02)
2020-07-28 23:34:05
秋田でも道路や浸水など一部では被害が出てしまいました。人的被害がなかったのは何よりでしたが。
7月は台風発生が異例の少なさだそうですが、いつどこで起こるか分かりづらい、こういう豪雨が多くなったのは困ったものです。

ここ10年でしょうか、監視カメラもみるみる安くなってみるみる増えました。
海外メーカー普及は、国内メーカーの力が弱まってしまったのも一因でしょうか。
安すぎると、大切な時(河川カメラだと増水中など)に故障したり修理できなかったりという事態が起きてしまいそうな気もして、少々不安です。でも、トータルの安さには変えられないのでしょう。
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Unknown (ののみ)
2023-07-16 03:49:42
看板のある辺りで、40年前に自転車で帰る途中の小学生が亡くなったんです。
自転車の下敷きになって、沈んでしまったようです。
看板はそれ以前からあるのですが、当時は舗装されておらず、柵もなかったため危険でした。
私の母も自転車で通った際に転倒し、近隣の人に助けてもらいました
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未舗装・柵なし (taic02)
2023-07-16 17:30:18
1980年代半ば頃でしょうか、そんなことがあったのですね。柵がなかったとなると、通学路にはならないでしょうね…
看板がそれ以上古いとは驚きました。当時すでに住宅地になっていたと思いますが、それでもその程度の対策しかしない/できない時代だったのでしょう。
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