広く浅く

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雄物新橋にトケボー

2019-01-14 23:21:50 | 秋田の季節・風景
雪がすっかり消えた秋田市。13・14日は秋田の冬にしてはまれな晴天続きとなった。
雄物新橋から雄物川・秋田市街地越しに太平山
秋田市南西部・新屋(あらや)地区で日本海に注ぐ大河・雄物川(おものがわ)。河口から2番目が秋田県道65号の「雄物新橋」。
以前、この橋付近から左岸(狭義の新屋地区側)伝いに河口を目指して断念したり、左岸沿いの坂の上の市道にあるバス停「浜街道」を取り上げたりした。

逆光の雄物新橋左岸(秋田では使わない言葉だけど「南詰」)
この橋両岸の道路は、橋の先で突き当たりになって、左右とも上り坂。
上の写真の左岸側も、左が県道で先でさらに秋田大橋方向へ分岐、右が浜街道・河口方向。見通しが悪く、信号機もなく道幅も広くはなく歩道もなく、通行に少々気を使う地点。

上の写真左側の路肩に、なんかタンクっぽいのが置いてある。
そういえば、昨年12月末頃に通った時にも気がついたが、工事関係の機材だろうと気にも留めないでいた。
しかし今は、あることが頭をよぎった。アレでは?

秋田市中央部の市道・千秋トンネル内に設置され稼働を待っている、定置式凍結防止剤散布装置「まきえもん」である。
ここも路面が凍結しやすいし、対岸と違ってロードヒーティングも入っていないはずだから、設置されてもおかしくない。
まきえもんのボディカラーは黄緑だけど、橋のトラスに合わせて色を替えたのか? だけどボディの形状はまきえもんと違う(実物はカバーがかかっててまだ見てないけど)ような?

反対側。右の箱は、以前からある小分けされた砂が入っている砂箱。スリップしたら取り出して使ってよい
まきえもんは交換式のバッテリー駆動だそうだが、これにはソーラーパネルが付いている。
台座は千秋トンネルのような立派なものでなく、パイプを組んだ簡素なもの。

太陽光が強く、道が狭く、車も多く、じっくり見たり撮影したりできなかったけど、なんとか正体が判明。というかボディに名前が表示されていた。
「トケボ~ TOKEBO」だって
山形市にある日本地下水開発株式会社の「凍結抑制溶液自動散布装置『トケボー』」であった!
ボディには「テラル株式会社」のラベル(検査済証など)も貼ってあった。広島のポンプなどを製造販売する企業。

まきえもんのライバル製品なのだろうが、完全に競合するわけでもない。
まきえもんは「凍結抑制剤」つまり粒状の固体を散布するのに対し、トケボーは「凍結抑制溶液」だから液体を散布。
まきえもんはバッテリー交換が必要。トケボーには太陽光パネルがバッテリーにつながっているそうで、電源に関してはメンテナンスフリーのようだ。晴天が少ない時はどうなるか分からないし、溶液の補充は必要だけど。トケボーでトンネル内に散布したい時は、本体を外に置いて、ノズルを中に伸ばす方法。
そして、まきえもんは「定置式」なのに対し、トケボーは頭に「可搬式」を冠する場合もあり、必要に応じて移動や撤去できることを売りにしている。重量は250キロ。
まきえもん、トケボーとも、温度センサーやタイマーに応じて散布可能。人や車を感知できるのはまきえもんだけ(オプション)。


融雪剤を自動散布できるまきえもんの存在を知った時も驚いたけれど、液体の融雪剤があることも知らなくて、トケボーにもまた驚いた。
でも、一見、どこから液体が出てくるのか分からないが、脚のパイプと一体化したように、
ヒモで結ばれている塩化ビニールっぽい管にノズル
ノズルが4つあり、通る車のタイヤで延ばされることによって100メートル以上の範囲に効果があるとしている。

メーカーのサイトによれば、トケボーは「国土交通省山形河川国道事務所の委託を受け、共同開発したもの」とある。山形県内に多く、東北地方他県にも設置例がある。
ネット上の一般の人たちは、まきえもんの存在を取り上げるものは多いが、トケボーは1件だけ。全国的にはそれほどでもないのかな。

向こうに秋田大橋が見えている
雄物新橋のトケボーの前には、「歩行者の皆様へ」とした同じ内容の看板が2枚設置。
道路管理者である秋田県庁の出先機関「秋田地域振興局」名。本来ならば「秋田県 秋田地域振興局」と表記しなければならない。

内容はこの時間に散布するから、十分注意しろというもの。
「融雪散布機の融雪剤散布時間」というのが分かりづらい。僕がそうであったように、融雪剤と言われれば普通は粒状のもの。まさか液体が出てくるとは思わないだろうから、その点も知らせてほしい。
散布時間は5~6時、15~16時、21~22時だそう。15~16時は通る人がいてもおかしくない時間帯。
そもそも、「十分注意」と言われても、どう注意すればいいのか。「びっくりするな」「我慢して通れ」ということでしょうかね。まあ、この点はしょうがない。

雄物新橋左岸のトケボーの効果はいかほどか。
対岸のようにロードヒーティングの設置工事をするのがいちばんなんだろうけど、道幅が狭いとか容易にはできないのだろうか。
でも、こちら岸のほうが北側が開けているし、南側は丘の陰で日当たりもあまりよくないから、寒風をまともに受けて凍結しやすいかもしれない。
日当たりといえば、その関係でソーラーパネルが南東向きになっている。充分な電力が得られているかな。
東側から。西日が当たっている。左・南は丘の陰
まきえもんのほうは、散布車と同じような感じで粒がまき散らかされるのは想像がつく。トケボーは、どういうふうに出てくるんだろう。チョロチョロなのか、ピューなのか、ドバドバなのか、人や車に直接かからないような出方だろうけど。1時間ずっと出続けるのか、1時間のうち限られた時間なのか。


まきえもんとトケボー。ネーミングとしては、まきえもんのほうがその機能が分かりやすい。由来は、ドラえもん? ホリエモン? 柿右衛門?
トケボーは、“融け坊”ってことなんだろうか。とすれば由来は赤塚不二夫の「ハタ坊」?

【15日補足】トケボーは可搬式であり、現地の環境からして、オフシーズンは撤去するものと考えられる。また、昨シーズン以前からここに設置されていた可能性もある。
【3月8日追記】いただいたコメントによれば、この後、2019年3月上旬の時点で撤去された。また昨シーズン以前にも設置されていたとのこと。
シーズンオフのトケボーの姿

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2 コメント

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トケボーについて (新屋在住者)
2019-03-07 11:45:59
今冬の稼働は終了したようです。3月6日通った際には撤去されていました。また、2~3年前から冬期のみ設置されていたと思うのですが、正確にはわかりません。(昨冬は確かにありました)
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情報ありがとうございます (taic02)
2019-03-08 00:03:15
今季は積雪はもうないにしても、路面凍結はまだあってもおかしくはないと思いますが、もう片付けちゃったんですか…
新橋はあまり通る機会がないものですから、そんなに以前からあったとは知らなかったです。
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