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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

青延長にも多言語表示

2019-07-07 20:47:23 | 秋田のいろいろ
道路の交通信号機は、基本的には世界共通。運転マナーや道徳観の違いで信号無視・見切り発信等はあるにせよ、待っていれば青になるのは、現在人の常識。ところが「待っているだけでは、永久に青にならない」信号機が存在する。
押しボタン式信号である(手押し信号と称する人もいる)。

日本人なら、赤いボタンが付いた黄色い箱があれば、それを押せ(最近はタッチ式も)ば青になるのは常識だろう。村とか島とか本来は信号機が不要な土地で、教育用に1式だけ信号機があることがあるが、それはたいてい押しボタン式だし。
最近は、大きな交差点が押しボタン式歩車分離式になるなど、押しボタン式でなさそうなところが押しボタン式で、初めて通る人は知らずに突っ立って待ってしまうこともあるけれど(経験あり)。

このような押しボタン式信号って、外国には存在するのだろうか。外国人が日本へ来た時、戸惑わないものだろうか。
ネットで調べたところ、外国でもなくはないみたいだけど、どこにでもあるわけでもないようだ。信号機などなくても横断歩道に歩行者がいれば車が停止するのが常識の国もある(日本も法律上はそうなのだけど…)だろうし、設置や維持の問題で無理な国もあるのだろう。
したがって、日本へ来た外国人の中には、押しボタン式信号を知らない人もいるようだ。
(再掲)秋田県の押しボタン式信号のボタン箱周辺
それなのに、歩行者向け説明板は日本語だけ。
書体や文字色は時期や地域でばらつきがあるが、文言は全国で共通のようだ。

何年も前、秋田市内の押しボタン式信号で、外国人グループがボタンを押さずに信号を待っているのを見たことがあった。道路の反対側だったし、お話に夢中で声をかけて教えられる状況でもなかったので、黙ってボタンを押した。さらに、(全国共通の問題だから)警察庁に対し、外国人にも分かりやすいように、英語やピクトグラムを表示してはどうかと提案したことがあった。
それに応えてくれたわけでもなく、インバウンド増加やオリンピックのためなんだろうけど、2017年度途中頃から全国的に押しボタン式信号の説明板の内容が変わっている。一斉更新は無理だから、当分は旧表示も残るだろうけど。
秋田県警では、2018年度から、新規設置箇所とボタン箱などの更新箇所を中心に、新しいものが設置されている。
9月に新設された秋田市牛島の旧国道が、いちばん最初に近いと思われる。ただ、信号機稼動からしばらくは、日本語だけの旧式表示板が設置され、その後交換されるという手順だった。
秋田県警の新表示板
新しい表示板も、基本は全国共通のようだ。銀色がかった板に横書き、角ゴシック体、上からピクトグラム・日本語・英語・中国語・ハングル。
これで充分だろうけど、もうちょっと色や文字サイズを工夫すれば、もっと目立って分かりやすい気もする。

警視庁のものは下にQRコードもあり、それを読み取れば11言語で読み上げるそうだ。親切というべきか、たかが道路を渡るのにそこまで必要か(絵と英語で充分だと思う)というべきか…
大阪府警では、白い色に青印字・丸ゴシック体で、従来に近い配色。
上の写真の秋田県警の表示板の特徴は、「歩行者用タッチ式押ボタン」「touch switch」となっていること。「touch」が文頭なのに小文字始まりなのはいいのかな?
これに対応する箇所が警視庁や大阪府警では「歩行者用押ボタン」「Push button」となっている。
秋田県警では、タッチ式ボタンを本格採用(着雪時に効果があり、バリアフリーにも貢献しており、評価できる)しているので、それに合わせた言い回しにきちんと変えている。中国語の最後3文字も「タッチボタン」の意味らしい。ハングルは知らない。
もしかしたら秋田県警では、新しい表示板はタッチ式用だけを作っているのかもしれない。ボタン箱のタッチ式への交換に合わせて、表示板も換えていくのかも。
2020年始の青森県警・弘前駅前の状況


黄色い箱の押しボタン問題は、これでほぼ解決だろう。
一方、白い箱(ボタンは赤)の押しボタンは、日本人にさえ浸透していない。

足腰が悪いなど横断に時間がかかる人のためのもので、押した時(直後1回)の歩行者用の青の時間が通常よりも長くなる。土地によっては、押した時に案内の音声が出る動作をする白いボタン箱も存在するようだが、少なくとも秋田市内にはない。押せばすぐ青に変わったり、信号待ち時間が短縮されたりするようなことにはならない(もしかしたらそういうタイプもあるかもしれないけど)。
黄色い箱と白い箱がいっしょに並んで設置されていることもある。この場合は、押すボタンによって、青信号の長短が違うことになる。
(再掲)岩手県。ここも黄色と白の箱が並ぶ
白いボタン箱のことを「交通弱者用押しボタン」と称するようだが、現在は交通弱者といえば自家用車がなく公共交通機関も利用できない人を指すほうが一般的で、分かりにくい。そもそもボタンの機能もその存在自体もほとんど周知されていない。

そのため、黄色い押しボタンと勘違いしてしまうのか、せっかちで押せば早く青に変わると思っているのか、条件反射なのか、元気に普通に歩いている人なのに(周りに交通弱者がいるわけでもなく)、白い箱のボタンを押してしまう人もいる。その影響で車両側の赤信号が長くなって、無駄な渋滞を生じさせないとも言えない。
秋田市竿燈大通り。10年以上前からあり箱は錆び、落書きもある
秋田市中央部では、20人に1人くらいは押しているのではないだろうか。秋田市の場合、押しても実際には青時間は違っていない気がしなくもないけれど… ※過去の記事

現地の説明表示は、黄色い押しボタンほど全国的に統一されていない。
上の秋田県のは「高齢者 障害者 等用押ボタン」。ボタンと表示板に距離があることもあり、気づかない人・理解できない人も多そう。
その上の写真の岩手県警では「ひとにやさしい信号」と称し、青が延長されることを明示していて分かりやすいと感じた。

昨年、歩道橋が撤去された秋田市の北都銀行本店前にも、白いボタン箱(タッチ式)が設置された。これまではボタンだけで説明板はなかったと思っていたが、7月に気づいた。
ボタンの上に!

説明板じゃなく説明シール
押しボタンのと同じような形式で、4言語。
各外国語の「タッチボタン」の言い回しが、黄色いほうと少し違う気がしなくもない。英語は大文字始まり。

外国語はともかく、日本語の言い回しが「青延長用タッチ式押ボタン」と、とても分かりやすくなった。
ネットで調べた限り、交通弱者用ボタンを「青延長用ボタン」のように表記する例は、警視庁など少なくはないようだ。
でも、多言語表示のものは見当たらなかった。全国的に見て、北都銀行前の表示は先進事例なのではないだろうか。秋田県警独自の判断なのか、警察庁からの指示で今後全国で登場するのか。
【12月25日追記】その後、12月には竿燈大通りの「高齢者 障害者 等用押ボタン」が撤去され、同じ青延長に交換されていた。秋田県警では青延長を標準にしていくようだ。


ただ、これだと青が長くなることは分かっても、どういう時・どういう人が使うのかは言及がなく、悩んだりむやみにタッチしたりする人がいるかもしれない。
兵庫県警では、「青信号延長用押ボタン/横断歩道をゆっくり渡りたい方は下のボタンを押して次の青信号で渡りましょう」と車椅子マークも付いた表示板を設置してた(多言語はなし)。これはこれで分かりやすい。
いろいろ工夫しているけれど、いくらどんなに親切丁寧に書いても、読まない人は読まないものでもあるけれどね…


ここから以前の続き。北都銀行前交差点と言えば、フラット型信号機の表面に鳥のフンが垂れていた
その前に少し話がそれます。歩道橋があった当時は二丁目橋方向から中央通りへの左折3車線は、青信号か左折矢印のどちらかが常に点灯していて、停まることがなかった。
歩道橋撤去後は、横断歩道が設置されたため、矢印信号を廃止し、左折車線にも停止線が引かれた。
右が中央通り。直進と合わせて4車線が信号待ち
以前を知っていれば驚く光景で、勘違いして停まらない車がいるのではないかと不安になる。
でも、とりあえずは危険な状態も、極端な渋滞もなさそう。

ところで、上の写真で、左側の直進車線のトラックだけ、停止線を越えているように見える。実際には、
拡大
そもそも停止線が薄れている。そのうっすら残る停止線は、左折3車線より若干前寄りのようだ。トラックは間違ってはいない。
今後、引き直す時も、ずれたままなんでしょうか。

その4車線の車が正面に見るのが、フンが付いた信号機。車道ギリギリかと思いきや、歩道側に若干のスペースがあり、柵もあるので、安全に真下から見上げることができた。
光線の関係もあるが、くっきりと
コイト製に比べて表面がツルツルしている信号電材製だけに、フンもほぼ一気に流れ落ちた感じがする。
以前の記事の写真の後、けっこう雨が降ったものの、変わっていない。よく見れば、雨や雪が当たって流れたような薄い筋がいくつも見える。

電球式信号機では、定期的に電球の交換が行われ、その時にレンズ(点灯する面)を拭くことも行われるようだ。
LEDでは電球交換が不要だから、少なくとも信号機の近くに人が近づいてメンテナンスする機会は激減しているはず。それがLEDのメリットの1つ。
しかし、フードがないと汚れやすくなり、放置すれば視認性への影響もなくはないかもしれない。たまに拭くくらいはやったほうがいいのではないでしょうか。
ここの場合、高所作業車などなくても、長い柄の窓拭きスポンジで水拭きすればきれいになりそう。道具を手配してもらえれば、やってあげてもいいくらいです。

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