広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

修学旅行の峰道レストラン

2019-07-05 00:16:46 | 昔のこと
昔の思い出。
先日、ふと「みねみちレストラン」という言葉が頭に浮かんだ。
すぐに高校の修学旅行で立ち寄った、比叡山近くのレストランであることを連想できた。「みねみち」という地名の響きと比叡山との関連が分からないのが不思議で、記憶に刻まれていた。そしてそのメニューも…

修学旅行に行ったのは1993年秋。目的地は、当時の秋田の高校としては標準的な京都・奈良。
当時、秋田県立学校では、修学旅行に航空機を使うことが認められていなかった。東北~東海道新幹線を乗り継ぐ行程も、費用の都合か一般的ではなかったはず。
そこで、日本海側を列車でたどるしかなくなる。寝台列車を使う場合もあったが、我々は往復とも昼間の特急「白鳥」で1日がかり。僕は別に良かったけど、時間を持て余す生徒も多かった。

初日夜に奈良に着いて1泊。2日目は団体で奈良を見て、京都に入り清水寺。京都に3泊し、5日目朝に秋田へ向かう。4泊5日。
うち3・4日目は京都拠点。4日目がグループ別行動。大阪などへ行く班もあったようだ。
そして3日目は、企画したJTBの目玉だったらしい「クラス別行動」。

その名の通り、クラス単位でバスに乗ってほぼ1日観光する。昼食込み。
目的地やコースは、JTBがいくつか提示した中から、クラスで話し合って選んだはず。複数のクラスが同じコースを選ぶこともあった。クラス数からすれば、全コースに添乗員が付くことはできなそう。
実際のところ、昔からあって昨今また流行りのバスツアーとさほど違わないし、1学年1学級の小規模校の修学旅行とも違わない。
だけど、学年全体(実際には日程をずらして2回に分けたので半分)での団体行動でも、グループ別でもないという、絶妙なスケール感はちょっと斬新に感じられた。
全体で行くよりはゆったりと見学でき、グループでは交通機関の制約などで行くのが難しい場所に行くことができるというメリットはある。

提示されたコースは、京都周辺を回るものが多かったが、一部は府外に出るものもあった。
我々のクラスが選んだのがそれ。僕自身もそれがいいと思っていて、決まって良かったと思った。
他のクラスは選ばなかったので、帝産観光バスの三菱エアロバス(エアロクイーン?=モデルチェンジして1年後だったので新しい車だった)1台だけで回った。

コースは、大原三千院と比叡山延暦寺根本中堂。京都市街からは遠く、滋賀県に入るルート。他のコースと比べて移動距離が長くスケジュールがタイトだったようだ。
三千院の庭が少し紅葉していたのと、お寺の中のちょっとした雰囲気ぐらいしか記憶にない。
比叡山周辺では、道路から琵琶湖が見渡せたらしいが、当日は霧雨と濃霧。まったく見えなかった。
クラス別行動がなければいまだに行くことはない場所であっただろうから、まあ、選んで・行って良かったかな。

そのコースの昼食場所が、みねみちレストランだった。少人数のテーブル席がたくさん並ぶ、ドライブインのような店だったような。
出てきたのは当たり障りのない内容で「ここまで来てこんなメニューなの?!」と拍子抜けして、さらに見た目よりボリュームがあったのと、時間が押していたのか少し急いで食べ(させられ)た記憶があった。まずくはなかったはずだけど。

その名前を急に思い出し、今はどうなっているか知りたくなった。Googleで検索。

有料道路「奥比叡ドライブウェイ」の途中にある「比叡山峰道レストラン」で、現在も営業していた! 建物が新しくなったりリニューアルされた可能性はあるけれど。【7月7日補足】今年2019年3月に内外装がリニューアルされていた。以前の内部や外観・看板の写真を見ると、昔訪れた時と同じような気がしなくもない。
ドライブウェイもレストランも、京阪系列の企業の運営。

レストランは320席の「展望レストラン」、横に大きな駐車場があり、店からも駐車場からも、琵琶湖が見える。そう言えば、駐車場から“真っ白な景色”を眺めたような。

公式ホームページに写真付きのメニューが出ていて、眺めていると、はっとした。
これ食べた!
まさにこれ、茶色いソースがかかったハンバーグとエビフライとコロッケのようなものと千切りキャベツ・ポテトサラダが、白い丸皿に盛り付けられている。写真に偽りもなさそうで、見た目はこうだけど、食べるとそれ以上にボリュームがあるのだ。
25年前に食べたものと、おそらく変わっていない。今もあったとは!【7月7日補足】建物はリニューアルされても、メニューは変わっていないことになる。

ホームページをよく見ると、個人客と団体客によって、同じメニューながら名称と価格が違うようだ。
個人向けはご飯、みそ汁、柴漬け付きの「近江定食」で税込み1500円。
団体向けは「峰道ランチ」のごはん、みそ汁、ランチプレート部分が、近江定食と同一で1300円。それにプラスして陶板焼きや果物が付いて高いタイプもある。

そして、近江定食の説明書きには、「近江牛を使った手作りハンバーグがメインのスペシャルランチです。」などとある。
ネット上の情報によれば、コロッケには近江牛のすじ肉が入っているようだ。だから「近江定食」なのか(じゃあエビフライは?)。
当時は近江牛じゃなかった可能性もあるが、そんないわれなど聞いた覚えがない。知っていれば、心して味わえたのに。

当時は価格が少し安かったはずだけど、今、これで1500円でも1300円でも若干高い感じがしなくもない。
現在の個人向けメニューには、近江定食より少し安い値段で、湯葉やごま豆腐を使った精進料理風のセットや近江牛カレーがある。そういうのでも良かったな…(今さらですが)

ちなみに、我らが秋田中央交通の関連会社が運営する、寒風山回転展望台のレストラン。
団体向けには1080円から、秋田産フグの唐揚げ御膳や男鹿のB級グルメ定食がある。


で、結局「峰道」というのは何なんだろう。仏教用語とかではなさそうだし、検索しても峰道レストランのことばかり。地名なのかな。【コメント欄参照。比叡山での修業の道と関係するようだ】
この修学旅行では、奈良での昼食(全員いっしょ)で食べた柿の葉寿司も記憶にある。奈良公園の中の店だったと思う。これも急いで食べさせられたような。
奈良、京都、琵琶湖、滋賀、比叡山。京都は10年ほど前に新しい駅を見ただけで、ほかはいずれも25年ご無沙汰。いつかは再訪してみたい。

※この修学旅行の帰りの車内で食べた駅弁の思い出
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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「千日回峰」を連想しました。 (SK)
2019-07-05 07:23:57
お久しぶりです。レストラン名のことですが、「千日回峰」を連想するネーミングだと思いました。
あとで、「千日回峰」という語からでも少し調べてみたいなと思いました。「峰道」、割りとよく目にする言葉のような気もしたので。
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千日回峰行の修行で歩くコース(道)の一部 (SK)
2019-07-05 09:30:10
「千日回峰」から調べたところ、行きついた「比叡山の修行」と書いたページの中で、「無動寺回峰道のコース」というのがあり、そこをクリックすると、当該コースの説明地図がでてきました。「峰道」は、千日回峰行に使用される「一周コース(道)」の一部を形成している「道」の呼び名であり、つながっている全部で3つの道で一周コースを形成しているようです。
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Unknown (秋田市4227ファン)
2019-07-05 22:34:00
こんばんは
自分が高校の修学旅行の時には東京か京都・奈良で多数決を取って京都・奈良に決定したのを思い出しました。
行き帰り共にJRを使いましたが、こちらも多数決で飛行機は使わない事に決まりました。
往路の白鳥では福井県で先行の列車に踏切事故が発生して京都に到着した時は夕食の時間だったのを覚えています。
それはそれで良い思い出です。
帰りは寝台特急・日本海で秋田に到着しましたが、こちらは時間通りだったので到着後、秋田駅で解散となって直行でバイトに行った仲間が居ました。
自分はカゼを引いて帰って来ましたが懐かしい思い出です。
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少し追加します。 (SK)
2019-07-06 08:26:35
「比叡山の修行」、「峰道」の組合せで検索すると、ほとんどすばりいろいろとわかりました。
峰道は、「西塔」から「横川」までの部分で、ドライブウェイの当該部分と起点と終点は近い山上部分のルート(あとは、登と下りの各ルート)。いろいろと写真もありました。「一日回峰」という体験もできるようです。私、最初のコメントで「よく目にする言葉」と書きましたが、比叡山坂本ケーブル駅の構内等で「千日回峰」を近年達成した方を紹介する写真や説明、観光ポスター等の文字で見ていたからだと思います。私、滋賀県在住なんですよ。
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コメントありがとうございます (taic02)
2019-07-07 23:03:52
>SKさん
お久しぶりです。滋賀県にお住まいでしたか! 自分でも滋賀のことをブログで取り上げるとは数日前まで思っていませんでした。調べてくださりありがとうございます。
「千日回峰」テレビか何かで聞いた覚えはありますが、言葉だけで比叡山とは結びつかなかったです。それは厳しいものなのですね。
横川が根本中堂のあるところですね。厳しい修業の道と、ドライブウェイやレストランというのは、相容れない感じもなくはないですが、信仰の場と観光地を両立させていることの現れでもあるのでしょう。
湖西線の車窓や大津駅で途中下車して琵琶湖を見たことはありますが、霧のない比叡山からも眺めてみたいものです。

>秋田市4227ファンさん
全体の行き先を生徒が決めるという学校もあったようですね。交通機関まで決めたというのは、初めて聞きました。飛行機を選ばなかったというのは興味深いです。往復白鳥(旅行会社により1年前から決まっていたはず)の我々は、時間の無駄だという文句がけっこう出ていたものです。

毎年必ず同じ目的地の学校(私立に多い?)もあれば、10年少し前ですがソウル便の利用促進のために韓国へ行きましょうという時期もあり、さまざまなものです。
寝台列車は、日本海を使う場合と、583系電車の集約臨時列車(団体貸し切り)の場合がありました。どちらにしても今はもうあり得ないことですが。青森県津軽の学校も同じルートのため、秋のシーズンは席の確保が大変だったみたいです。
今は京都はインバウンドが大挙して押し寄せ大変らしいですし、世の中も自分も変わってしまい、どれももう経験できない思い出ですね。
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横川は横川中堂があるところ。 (SK)
2019-07-08 01:11:13
taic02 さん、少し修正させて下さい。
根本中堂は、よく大晦日などにテレビに映ったりするところで、周囲に大講堂などもあり、延暦寺の中心地といってよいところと思います。一方、横川中堂は横川という奥比叡エリアにあり、私は行ったことがない位なんです。というのは、京都・八瀬から上がるケーブルカー・ロープウェイ、大津坂本から上がるケーブルカー、京都駅から上がる路線バスのいずれも、根本中堂側に上がります。横川に行くには山上を巡るシャトルバスでいくことになります(マイカーは別ですが)。千日回峰行は、比叡山は雪が積もる山ですし、想像を絶する難行なのでしょうね。
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根本中堂と横川中道 (taic02)
2019-07-08 23:54:10
ありがとうございます。横川中道と根本中堂を混同してしまっていたようですね。
修学旅行では根本中堂を拝観し、法話を聞きました。

出羽三山や熊野では山伏の修業の厳しさで知られますが、比叡山もそれらに匹敵するような場なのでしょう。
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