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10%増税後の運賃は?

2019-09-08 22:24:49 | 秋田のいろいろ
10月からついに、消費税率が8%から10%に上がる。
1989(平成元)年4月の3%での導入、1997年4月の5%、2014年4月の8%と変遷した消費税。10%にすることが決まるまで、あるいは2019年10月に上げると決まるまで、いろいろあって、決まったと思ったら(多くの国民はここで腹を決めたはず)、今年夏の参議院選挙の頃にはまた延期するとかいう話も出てきたものの、結局実施。なんだかな…

さらに酒や外食以外の食料品を8%にすえおく軽減税率導入、キャッシュレス決済推進を名目とした2%または5%のポイント還元制度(と言いつつ現金値引き【10日訂正・その場で付与ポイント相当額を支払額から値引き】も認めるとか?)など、ややこしい。ポイント還元は該当店舗でのレジの準備や登録手続きが遅れているというし、メチャクチャ。
あと、増税前に買いだめしようとして、うっかり食料品も買ってしまいそうになる。
前も書いたけれど、食料品以外で生活に必要なもの(ライフライン料金、短距離の交通費など)は軽減税率でなくていいのかとか、同じような効能でもサプリメントなら8%で薬なら10%なのが腑に落ちなかったり、例えば「一律9%」にしたほうが(国も国民も)総合的に楽ではないかとか、考えてしまう。


さて、公共交通機関の運賃の増税対応について。※利用の際は公式な情報で、各自確認してください。
9月5日、国土交通省(各地方の運輸局含む)が、全国の鉄道とバスの増税にともなう値上げを認可したと発表、報道された。
JR北海道では、消費税分以外にも(つまり“本体価格”というか税抜分の)値上げ分があるとされた。青森県の八戸周辺のバスも値上げ。それ以外の各事業者は、元の運賃の2%相当分が上がるだけということになろう。
ちなみに、川崎市交通局(川崎市営バス)が、運賃本体の値上げを同時に申請したら、認めてもらえなかったそうだ。

これを受けて、多くの事業者は公式ホームページで運賃改定を告知した。JR東日本のように、申請の段階で計画を発表してくれたところもある。
青森・秋田では、青森市企業局交通部(青森市営バス)が9月5日、弘南バス、秋北バス、羽後交通が6日に、それぞれホームページにアップ済み。
鉄道事業者でも、津軽鉄道、弘南鉄道、由利高原鉄道が6日付アップ。秋田内陸縦貫鉄道は未掲載。

我らが秋田中央交通は…
6日に新宿-秋田の夜行高速バス「フローラ号」の値上げの告知をアップしただけ。一般路線バスについては情報なし。【12日付で、やっとホームページに掲載された】

共同運行や申請先の都合で、フローラ号だけ発表が別になるのは分かる。でも、6日付で高速の値上げをアップできていて、マスコミからも発表され、他社はアップしているのに、中央交通の一般路線バス分をアップしないのは理由が見当たらない。申請は以前にしていて、それが認可されるのも確定同然なのだから、時間的余裕はあるはず。
まさか中央交通だけ値上げをしないでくれるとか、値上げを申請したけど却下されたとか???

そうじゃなかった。国土交通省東北運輸局のホームページには、6日付で値上げを認可した事業者の一覧が掲載されており、それにはちゃんと秋田中央交通も出ている。
それから、秋田市が複数の民間バス・タクシー会社に委託している、郊外部のマイタウンバスも、増税分値上げすることが関係者の会議で承認されたはずだけど、秋田市ホームページには未掲載。運輸局の告知の対象外でもあるようだ。

まあ、2%上がるは覚悟の上で、まだ3週間もあるけれど、こういう小さなことが不安・不信につながらないとも言えないのですよ。お客あっての商売。周辺他事業者はみんなやっているのだし。
※ちなみに前回8%の時は、羽後交通が早く、中央交通と弘南バスはその1週間近く後の告知だった。


中央交通以外のバス会社と東北運輸局の情報をまとめ、中央交通の値上げを推測してみる。
値上げのやり方は、前回8%化の時と基本は同じ。
各事業者内で平均して110/108の増収、1.852%の値上げ(改定率)に調整して、それを越えないことが求められるらしい。←これら数値は平均、しかも定期券外と定期券の改定率の平均ということらしく、自分がいつも乗るxxx円区間がいくらになるのかの参考には、ほぼならないはず。
実際には、(特にIC乗車券のない地方では)10円刻みの値上げになるから、乗客個々には必ずしも公平にはならない。

前回5%→8%の時は、
中央交通 160円:+10円 170円:据え置き  ~520円:+10円 ~870円:+20円
羽後交通 150~520円:+10円 ~870円:+20円
弘南バス 160~520円:+10円 ~870円:+20円
といった具合。
低額区間の利用が多い者としては、10円の値上げでひと安心した。
ちょっと不思議だったのが、中央交通の170円区間だけが値上げされなかった(=8%時代に180円区間が存在しない)こと。初乗り160円区間は10円上がって170円になったので、実質的に、8%化と同時に初乗り区間が延長された形(例:秋田駅西口から通町までだったのが、先の大町五丁目/通町二区/すわ町までになった)。
個人的にはありがたい(それまでケチって160円区間ギリギリで降りていたを、少し先まで乗れる場合がけっこうあるから)ことだったけれど、10%になる時、この扱いがどうなるか気がかりだった。

今回8%→10%は、現時点では中央交通の新運賃が分かっていないから、まだ分からない。運輸局の発表では同社の改定率は1.801%。
【公式情報が更新されたら追記します】9月10日高速バス秋田・湯沢線(羽後交通と共同運行)の新運賃の告知がアップ。高速能代線と一般路線はまだ。
12日にやっと掲載。
初乗り170円~260円区間(180円区間は存在せず):据え置き
8%時270円~800円区間
(540円区間は存在せず):+10円
8%時810円~980円区間
(900円区間は存在せず):+20円

空港リムジンバスの秋田空港と秋田市街地間(北都銀行前~秋田駅西口~県庁市役所前、秋田駅東口)の運賃は、8%時930円→950円に。
で、高速能代線はまだ?(以上追記)

他社を見てみる。パーセンテージは改定率。
羽後交通 1.770% 160~260円:据え置き 270~800円:+10円 以降省略・最大+40円
秋北バス 1.850% 160~260円:据え置き 270~800円:+10円 以降省略・最大+40円
弘南バス 1.812% 170~230円:据え置き 240~800円:+10円 以降省略・最大+30円
青森市営 1.468% 130~170円:+10円 190~310円:据え置き 320~520円:+10円 以降省略・最大+20円

弘南鉄道 1.812% 210~300円:据え置き 320円~460円:+10円

改定率が低めの青森市営バスは、200円台近辺だけすえおきで、その前後は10~20円の値上げが小刻みに繰り返されるのがおもしろい。それと中央交通と同じく、現行8%では180円区分が存在しないようだ。
示した他社は、前回と同じく、高額区間ほど値上がり額が大きくなるものの、初乗りからしばらくの区間が「すえおき」。初乗り運賃と同額の券片が多い弘南バスのセット回数券も、今回は変更なしかな。
2%値上げだとそうなるのか。逆に言えば現在は本来より高く取られているとも言えるが。
中央交通もこんな感じになるか??【上記追記の通り、そんな感じになった】


特殊な運賃ではすえおきされるものも多そう。
弘南バスでは、土手町循環など弘前市内の100円バス、五所川原の120円等。
秋田市の中心市街地循環バスや高齢者100円均一のコインバスは不明だけど、おそらくそのままだろう。【すえおきされる】
これら多くは、8%どころか5%時代から100円のままのものも多い。両替とか支払いの手間を考えてくれていることもあるだろうけど、バス会社が身銭を切ってくれているものもあれば、秋田市の両事業のように税金から補填されているものもある。そして、(特に並行する一般路線に乗るなどで)値上げされる正規料金を支払っている乗客からすれば、格差(差額)が拡大することにもなる。このことも、ちょっと気になる。

キャッシュレス決済によるポイント還元について。一般路線バス乗車ではまず関係ないはずだけど、多少関係する。
今のところは「キャッシュレス・消費者還元事業 事務局審査を通過した加盟店一覧」として、6360ページにおよぶPDFファイルで、全国の実施店舗のリストが見られる(せめて東北とかエリアごとに分割して!)。9月中旬か下旬には地図やアプリで検索できるようになるとか。
秋田県には現時点で3738店あり、その中に「秋田中央交通高速バス予約センター(※)」と「秋田駅東口乗車券発売所」が5%還元とある。※前者は長崎屋バスターミナルの窓口のこと。
定期券と県外高速バス乗車券購入時にクレジットカードと電子マネーが使える、中央交通の2つの窓口が還元の対象となるらしい。
【9日補足】弘南バス関係の乗車券発売所は、キャッシュレス非対応であるのか今のところ還元対象店リストには載っていない。


JR東日本の幹線の普通運賃(紙のきっぷ)は、初乗り(3キロまで。秋田-羽後牛島、土崎-上飯島 等)は140円から150円に。消費税導入前・国鉄末期の1985(昭和60)年に140円になったらしいので、分割民営化・2つの改元・度重なる消費税率アップを経て、34年ぶりの値上げ?
秋田駅から市内の他の駅までの運賃である、190、200、240円区間はすえおき。




1990年代中盤から10年間ほど、NHK教育テレビ(現・Eテレ)で放送されていた、子ども番組(いちおう幼稚園・保育所向け学校放送か)に「むしむしQ」「あにまるQ」「むしまるQ」シリーズがあった。番組内容はほぼ同じで、テーマや放送時間により番組名が複数あった。
【9日補足・虫や動物をテーマにしたクイズがメインの番組ながら、生き物が登場するコミカルなようで考えさせられることもある】オリジナルの歌のコーナーもあり、「カブトムシは840えん(里乃塚玲央 作詞、堀井勝美 作曲、三石琴乃 歌)」という曲があった。

昆虫がカネになることを知った「ゴンベ」が、村の虫を全部捕まえて売ってしまったが、失ったものに気付き、【9日補足・5%の消費税を支払って】買い戻すというストーリー。
タイトルや歌詞では「カブトムシは840円、クワガタムシは1000と50円」と消費税率5%を意識したもので、最後には魂ならぬ「一寸の虫にも五分の“消費税”!」というさけび声があった。
5%に増税された1997年の作だと思う。
この番組は、当時弘前大学農学部(~農学生命科学部)の教官だった城田先生という方が、構成または監修を担当していた。1997年にご本人のお話を聞く機会があって、「今放送している歌は…」とこの曲のことを少しだけ話されていたのを覚えている。
【10月17日追記】話が少々それますが「一寸の虫にも五分の魂」の「五分」について。
この場合は、長さの単位「寸」の10分の1を示す「分」なのだそうだ。だから長さ1寸の虫の魂が「割合としての5分=1寸の5%」ではなく「長さが5分=1寸の50%」あるということなのだった。

五分、八分、そして一割へ。「一割」と表記すると、10%より重みが増す気がする。

キャッシュレス決済のポイント還元について

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