広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

市の花さつき

2020-06-18 00:26:12 | 秋田の季節・風景
旧暦5月・皐月は、今年は6月21日からだそうだが、秋田市内ではサツキの花が盛り~散り始めで美しい。
いつもツツジとサツキの違いが分からなくなってしまう(2009年のツツジの記事)が、広義ではサツキもツツジに含まれる。葉が小さく開花が遅いものがサツキ。【18日追記】葉には、ツツジのほうが毛が多く、サツキは光沢があるという違いもある。

千秋トンネルの手形側の車歩道の間の植え込みでは、
きれいに咲いている
ティッシュペーパーの箱のようにきれいな直方体に剪定されたサツキが満開。
写真の“箱”では、赤と紫2種類が混ざって咲いている。

秋田市の「市の花」は「さつき」。
秋田市ホームページ(ページ番号1001676)によれば、市の木けやきより6年早く、1962年に「秋田藩初代藩主佐竹義宣が国替えの際に水戸からさつきを持ってきて愛育したことから、また高尚、優雅な樹姿であることから」選定。千秋トンネルは市道だが、市の花だからこそ、しっかりと剪定していることもあろう。

秋田市内の街路樹や公園にケヤキが多いように、サツキも多いかと言えば、そうでもない。
冒頭の千秋トンネル通りの写真でも、向かい側は花が咲いていないが、それは花が既に終わったツツジのはず(でもここのツツジは珍しい花が咲く個体もあって悪くはない)。
八橋の秋田テレビ本社前に秋田市章がデザインされた柵状のものがあって、植え込みを覆っていたけれど、
ツツジのようだ(5月下旬撮影)

八橋運動公園の山王大通り沿いでは、
こんもり大きなツツジ(5月下旬撮影)
ただ、場所によっては、ツツジとサツキが混在。
右の未開花で葉が小さいのがサツキ(5月下旬撮影)

市立保戸野小学校正門周辺の沿道には、ツツジが植えられている。花を終えたツツジに混ざって、
ぽつんとサツキが夕日を浴びて輝く
【18日追記】混植されているのは、意図的なのか偶然(苗発注時や作業時の間違い)なのか不明。葉は明らかに違うから、プロが見れば分かるはずだけど。

ほかにも、ここ数十年で植えられたはずの街路樹や街区公園では、ツツジが圧倒的多数。見ごたえがある千秋公園もツツジ。市の花というわりには、サツキの存在感が薄いのでは?
ただ、これは事情があるのかもしれない。保戸野小のサツキの写真でなんとなく分かるかと思うが、周りのサツキより樹が小さい。民間管理のサツキでも、小さすぎて、草刈り機で除草する時にいっしょに刈られてしまうのではと心配になるものがある。
千秋トンネルのように大きなサツキがあるのは、品種や管理方法によるのかもしれないが、サツキは本来あまり大きくならないのかもしれない。【18日追記】積雪への順応性も違うのかも。
だから、盆栽にされるのかもしれないし、今、市内の民家のお庭を拝見すると、小さくこんもりと赤い花を付けたサツキがあちこちで目立つ。小さく楽しむのがサツキと言えそう。


さて、手形と広面の境付近にある、スーパーマーケット「いとく秋田東店」。
駐車スペースと店舗際の自転車置き場兼通路の仕切りとして、
サツキの植え込み
この店は2009年10月オープン(もうそんなに経つか)だから、その時に植えたのだと思うが、それにしてはスカスカで樹形もイマイチだし、雑草も… やっぱりこういう場合はツツジのほうがいいのかな。
その植え込みに、
「市の花さつき」の札が!
そんなに長くない植え込みの中に、3枚刺さっていた。

この札、ほかのどこかで見た記憶がある。公園とか??
いとくは大館市が本社だから、わざわざこんな札を作るとは考えにくい【18日補足・いとくでは、同時期に秋田市内に複数の店舗を新しく開店させたが、他店にはこのような植え込み自体がないと思う。】。秋田市が作って配ったのではないだろうか。
「市の花さつき」は平成丸ゴシック体(写研が作って、例外的に唯一パソコンで使えるフォント)のようだ。

このサツキのシルエットのイラストにも見覚えがある。
(再掲)
秋田駅など市街地数か所に設置された、大きな地図に、同じ色合いで大きなイラストがあった。「市の花さつき」の書体は違うようだし、絵は元は同じながら微妙に違うのだが、後述。

さらに、市中心部各所に1997~1999年に設置された、道標(2018年に追加設置分にはなし)のてっぺん。
文字なしで白地に赤
道標と地図は、イラスト部分は同一のようだ。ここで植え込みの札と比較。
植え込みの札
両者で輪郭は同一。しかし、札のほうが、花弁の一部が欠けていたり、細部がつぶれたのかおしべが2本しかなくなってしまったりして、全体にぼやけた絵になってしまっている。
ということで、やはり秋田市役所が関わったもので、先に道標や地図用の絵があって、それを転用したものの、技術的な問題か何かで“劣化コピー”されてしまったのではないだろうか。

あと、秋田市のサツキといえば、市営バスのバス停。
1994年度に更新された、2代目バス接近表示のステンレスボディのポールにピンク色のサツキが描かれていた。あれも、これと同一では?
その後登場した、バスロケもどきポールや、バス停の上屋の壁にもサツキが描かれた。
旧国道「帝石前」上りの上屋
このタイプの上屋は、各所にそこそこある。
先日少し触れた、宝くじ・公営交通事業協会からもらった3つの上屋は屋根だけだが、このタイプは壁もあって雪国向き。秋田市交通局が独自で選定したのだろう。
そのサツキ。壁が広いから大きい
これは地図や札とはぜんぜん違った!
葉があるし、花の向きも違う。【18日追記】比べると絵のタッチも似てはいない。どちらも単色のシルエットということで、似ているように錯覚してしまっていた。花だけを描き、おしべを飛び出させた道標の絵のほうが、サツキらしさがストレートに伝わると思う。

ただ、花も葉も同じ色で描いてしまっているし、文字もないから、サツキであることが伝わりづらい。僕も、2代目バスロケを最初に見た時、「ハイビスカス? どうして??」と一瞬、悩んだ。今は民間バス会社のものだから、知らない人にはなおさらかも。
確証も根拠もないが、2代目バスロケは、「(当時の)秋田高専の教員がデザインした」と聞いたような気がする。このサツキの絵もその先生が描いたのかもしれない(というまったくの憶測)。
【18日追記】サツキのイラストを最初に採用したのは、交通局だと思われる。それにヒントを得て、数年後に建設部・都市整備部が案内表示を作ることになった時、まねしたのではないだろうか。いずれも秋田市役所の組織なのだから、交通局の絵を融通してもらってもよかったような気もするが、交通局は公営企業だし、そろそろ廃止の話も出た頃だろうから、後々問題にならないよう、改めて別に絵を作ったのかもしれない。


市営バスではもう1つ。1985年導入の貸切車両には、1台ごとに公募で「○○号」の愛称が付けられた。その中に「さつき号」もあった。
※1985年導入があきたふき号、さつき号、こまち号、おばこ号、まごころ号、けやき号、かんとう号、ふれあい号。1986年の追加導入がわかば号、やどめ号。さらに二階建てみはらし号、中二階建て(スーパーハイデッカー)わかくさ号。

さらに、まったく別デザインで、現在は新規作成はないと思われる、水道局のマンホール蓋タバコの袋にも、サツキが描かれていた。
市の花さつきの続き

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋田に赤シーサーバス?! | トップ | 白青反転案内標識 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿