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緑の枠の?バス

2025-03-16 23:04:04 | 秋田のいろいろ
赤いランプの終列車の続き。
かつての鉄道や路線バスでは、最終便の行き先表示に赤、その1本前に青の照明を灯して、そのことを知らせたという。
後に鉄道では廃れたが、バスでは大都市圏を中心に実施し続ける事業者がある。
ただ、行き先表示器の方式が、フィルムに印刷した「方向幕」から、LED(当初はオレンジ色1色)に世代交代すると、色ランプを使うことはできなくなった。
そして、秋田など地方では、そんな色表示を行う事業者は、ほぼないと思われる。

とある休日。秋田駅西口発 船場町経由川尻割山線の運用前に待機する、秋田中央交通1428号車。

中型ロングボディーの日野レインボーHR。東武系列の中古車で2019年に秋田へ来た

2024年12月に市立秋田総合病院の外構工事が完成し、病院東西にバスが乗り入れるようになったため、割山線では行き先表示の経由地が「市立病院」から「市立病院東口」に表記が変わった。
再掲
それはそうとして、行き先表示の外周。緑色の点線の枠(LED2粒ごとに空白がある)で囲われている。肉眼ではもう少しはっきり見える。
上辺は車体の枠に隠れて見えない
側面は確認しそびれたが、後部表示も同じ枠。
この枠は赤色にすることもできる。
そしてこれが、LED表示器における、赤ランプ・青ランプに代わる表示方法(の1つ)。※一部鉄道会社のように「最終」の文字を直接表示するバス事業者もある。
赤枠は、終車(しゅうしゃ)表示として使う事業者ばかりのようだが、緑枠の用途は2つに分かれる(青ランプの時代もそうだったようだ)。
東京都営バスでは、昔の鉄道の青ランプと同じく、終車の1本前「終前(しゅうまえ?)」を示す。
横浜市営バスでは「深夜バス」を意味する。深夜バスとは、遅い時間帯に、市街地と住宅地などの間で、割増料金を取って運行する路線バスのこと。テレビ番組の影響で、夜行高速バスのことを深夜バスと呼ぶケースもあるが、それではない。

行き先表示器メーカーはいくつかあるが、(近年のフルカラーLEDは別として)オレンジ色または白色の単色LED表示器で色枠表示ができるのは、株式会社オージの製品だけかもしれない。
同社ホームページのQ&Aに「デジタル行先表示器の枠が赤色や緑色の時がありますが、何か意味があるのでしょうか?」「赤枠は「終バス」を表し、緑枠は「終バス前」や「深夜バス」にご使用頂いております。」とある。
なお、オージのオレンジ色側面表示器では、枠表示はできず、上段の経由地などを表示する横長の枠(スクロールも可能)の左右に、小さい赤と緑の■を表示するようだ。


ところで、20世紀末に、秋田市交通局(秋田市営バス)が試験的に使用していた液晶式行き先表示器(関連記事)では、バックライトの色が黄緑のことが多かったが、赤っぽい色になっていたこともあった。今思えば、赤ランプで照らしていた方向幕(写真でしか見てないけど)に雰囲気が似ていた。
この表示器のメーカーは不明だが、東京都交通局や横浜市交通局でも同じような液晶表示が試用されていたそうなので、赤表示の意味合いだったのかもしれない。


ここで、秋田中央交通で色枠表示ができたことと、その意味について。
中古車では、事業者ごとに表示器のメーカーや機種が異なるので、前所有者の表示器は取り外した状態で移籍するのが基本のようだから、移籍後に中央交通側で取り付ける。それも新品ではなく、廃車から取り外した表示器を転用することが多いようだ。そのため、1428もそうだが、ドッド欠けが目立つものがある。
※一例として、京成グループの中古車だという、1455号車(2019年より後に移籍)の側面には、2010年6月製の表示器が設置されている。
オージでは、「色枠表示機能がない単色LED表示器」は製造していないのだろう。中央交通のような色枠を使わない事業者でも、それを使うしかないのだと思われる。

中央交通で色枠表示を見たのは、今回が初めてではない。数年に1度程度の割合で、緑枠も赤枠も見かけている。
2009年。後部の緑枠
拡大
昨年か一昨年には、秋田市中心市街地循環バス・ぐるる用の日野ポンチョの小型表示器が赤枠になっていた。
いずれも、終車や終前ではない便だったはず。もちろん、深夜バスなどない。
今回の割山線は、船場町経由としてはその日最終便だが、その後に商業高校グラウンド前経由がまだ5本ある時間。この時の車両は、その直前は新屋線か割山線の上りとして運行しており、そこでは枠はなかった。その直後、「回送」表示で緑枠が出たのを発見し、引き続き割山線でも枠が残った。

ほかに、オージ製表示器に何年か前に乗り換えた羽後交通(本荘営業所)でも、赤枠、緑枠を見たことがある。
こちらは、秋田発本荘方面行きの、ほんとうの最終便と終前便だった。だからといって、最終便と終前便は必ず枠が出るわけではなく、出ない日のほうが多そう。
終車なのだけど枠なし
↑日野レインボー、秋田200か1653。1年前に新車導入され、連番のいすゞエルガミオもあるとのこと。

赤枠緑枠を表示させる方法について。
昔のランプ時代なら、それ用のON/OFFスイッチがあったに違いなく、運転士が必要に応じて点灯するしかなかっただろう。
LEDではどうなのか。よく分からない。設定器(オージではコントロールパネルと呼称)にそれらしきボタンはなさそう。今も自動で切り替わるのではなく、手動で枠を出すのか。

以上を踏まえて、秋田で赤枠緑枠のバスがある理由というか原因。
1.大都市圏のバスにならって、終前と終車を担当する時に、個人的に独断で表示させている運転士がいる。
2.運転士の誤操作で、うっかり枠を表示させてしまう。
3.運転士の趣味や気分で、なんとなく表示させている。
のどれかだろう。羽後交通本荘営業所には1の人がいるのか。中央交通は2か3か。

いずれにしても趣味的にはたいへんおもしろいが、興味がない乗客にしてみれば、まったく気付かないかもしれないが、気付いたら気になってしょうがないだろう。「まれに色枠のバスが走っていて、その意味が分からない」状態なのだから。異常事態か何かを知らせる表示ではないかと、心配されるかも。
配線を切断するなどして、枠表示できないようにしたほうがいいと思う(でなければ、思い切って枠表示を正式に実施するか)。

それ以前に、オージが枠表示機能がない行き先表示器を発売すればいいのでは。枠のLEDの粒は、文字部分とは別に配置されているようで、それ用の回路も独立していそうだから、それらを省けば安くなるのでは?
ただ、地方のバス会社が新品の表示機を購入する台数(≒新車購入台数)は、たかが知れている。中央交通なら年に0~3台程度。大都市圏の事業者なら、何十台も買う(都営は2023年度に80台など)から、そちらに合わせた製品のみを作ったほうが、効率が良いのだろうか。
地上波放送だけを見たい人も、BS/CSチューナー内蔵テレビを買うしかないようなもので(アナログ放送・ブラウン管テレビ時代は地上波専用テレビも多かった)。



最後に、色枠による表示を実施している、都会の各バス事業者について。
それらのバスの利用者のみなさんは、意味を分かっておられるのだろうか。
昼間や夜早い時間しかバスに乗らない人は見る機会がない。それに、いくかのバス会社のホームページを見てみたが、表示の意味を説明している事業者は、ほぼなかった。

京都市交通局(京都市営バス)では、フルカラー表示器でほぼ統一された2024年6月1日から、赤枠表示を開始(側面も枠表示)。その開始時の告知があった(ページ番号326772)。
東京都交通局では、2017年7月30日に、同局Facebookでクイズの形で紹介。
【都バスの行先表示器。緑枠の意味は??】
今日は、みんくるからクイズだよ! バスの前面に表示されている行先表示器。行き先が赤枠で囲われていたら「最終バス」だよね! では緑枠だったら、どんな意味か知ってるかな~~?
正解は、最終バスの1つ手前の便!
つまり最後の便までもう1本あるっていうことなんだ。赤枠は知ってても、緑枠の意味は知らない人が意外に多いかも・・? 夜にバスを利用する際は覚えておくと、安心だね!
だそうで、都交通局としては、緑枠はともかく赤枠は知ってて当たり前という認識に受け取れる。
それに対するコメントでは、知ってる人も知らない人もいたものの、「深夜バスを意味するバス会社もあるからややこしい」とか「『最終』『終前』と文字ではっきり示したほうがいい」という声もあった。「規則で決まって全国共通です。」といういい加減な声も。

大都市でも、“免許維持路線“など運行本数がきわめて少ない路線がある。1日数本で、明るい時間に最終が出るような。そんな路線でも、終前・終車表示は見られるのだろうか。

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コースから離脱していた (あんなか)
2025-03-19 21:43:19
熊が出たという出没情報も無く今日から長距離散歩を始めて
手始めに叔父が勤めて居た割山へ。
帰りはさすがにきつかったのでバスで帰ったのですが
割山線の商業学校経由なのに途中から新屋西線コースに。
車内放送でひっきりなしに「迂回しており県庁市役所には行きません」と。
秋田銀行割山支店前バス停から豊町バス停まで待っている人に「このバスは県庁市役所には行きませんが乗りますか?」と聞いてました。
私は古い人間ですが今まで川尻・割山線でこのコースを辿ったのは見たことも聞いたことも無く
何だか得をした気分でした。
返信する
親切な離脱? (taic02)
2025-03-19 22:01:26
道が狭い区間で電柱建て替え工事だそうで、4月中頃まで平日昼間は、商業経由は朝日町側へ迂回とのこと。
過去の事例やバス来るTIMEの表示によれば、迂回区間での乗降はできないかと思っていました(中央交通に限らない対応で、安全やトラブルを避ける意図かと推測します)が、それはずいぶんと親切な対応ですね。
一方で、商業高校前後の人たちにしてみれば、まったくバスを使えなくなるのは変わらないのですが。

たしかにクマはめっきり出没しなくなりました。
でもそろそろ…お互いに気をつけないといけません。
返信する
羽後交通 本荘線 (網地 耕部、)
2025-03-19 23:26:31
現在は、本荘発は18:30で、秋田駅前発は17:30が最終便である、急行本荘・秋田線(羽後交通)ですが、来月からのバスダイヤ改編の影響で、現行から若干の減便・経路変更(経由地追加も含めて)とかのテコ入れの影響で、最終便が早まりそうな可能性があると思われます。

減便は、現在は秋田へ停泊ダイヤである夕方2便と折返しの朝2便が減らされ、全ダイヤとも本荘~秋田~本荘通しダイヤ(一部駅前発)に統一した方がいいと思います。

経由地追加では、秋北バスの高速能代線と同様に、羽後交通も駅前からは手形通り・広面蓮沼(秋田大学病院 最寄り)を経由し、中央トンネルを潜って県庁・県立体育館前に行く系統なんかがあると、由利本荘市方面及び新屋方面から秋田大学病院への通院利用者にとってはいっそ便利になりそうですが。
返信する
緑ランプの終バス (FMEN)
2025-03-21 00:32:47
昔の市営バスのバスロケの最終色

◯県庁経由秋田駅前行き●

の●は何色かな?とおもっていたら緑でした。
赤だと思いこんでいたら赤は故障で。
返信する
コメントありがとうございます (taic02)
2025-03-22 00:02:13
>網地 耕部、さん
羽後交通サイトに4月からの時刻表が掲載されましたが、本荘発10時、折り返し県立体育館前11時59分の1往復が減便です。
赤田線は廃止だそうで、本荘営業所の乗務員不足は続いているようです。
こんな具合に効率化のための変更ばかりで、新たな経路などは当面はなさそうです。


>FMENさん
2代目バスロケの最終便通過ランプは緑でしたね。一番下が赤ランプの「調整中」でした。

初代バスロケは、最終通過が赤でした。
まもなく到着は、白っぽい黄色だったはずです。
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