2014年にATMでの通帳繰り越しを取り上げた。秋田銀行のことがメインだったが、最後に、ゆうちょ銀行のATMでは繰り越しができないのが不便なことに触れた。
昔はどこの金融機関でも、届出印の印影を通帳に貼付する「副印鑑」というのがあったが、徐々に廃止され、遅かったゆうちょでも2013年に廃止。副印鑑は、通帳繰越時に(行員が)新通帳へ貼り替える必要があったが、それがなくなれば自動化できそう。ゆうちょもいずれは繰越対応ATMを導入するのではないかと、期待していた。
そして、今年2020年3月19日。秋田中通一郵便局を秋田駅ビル1階に移転した「秋田駅トピコ郵便局」が開局した。
駅ビル2階の2台の既存ATMは廃止されたが、新郵便局には3台が設置。局内ATMだから硬貨も扱えるようになった。それだけでなく、ついに通帳繰越ができるようになった!
開局時の告知では、ゆうちょの繰り越し対応ATMは、ここが秋田県内初。
今、ネットを調べても、全国的にもゆうちょATMで繰り越しできる(した)という内容は多くないし、Wikipediaには未記載。
トピコ局のATMは3台とも同型。白っぽいボディながら、通帳や現金の出し入れ口周辺は黒いパーツなのが、ゆうちょATMとして珍しい。
目立たぬ位置のシールを拝見すると、「品名 現金自動預払機(4型)」、沖電気工業製、「型番・品番GQ1487A」。トピコ局左端の端末は、製造番号からすれば128台目?
この1世代前のATMでは、操作音が従来と違って、従来より太く、間延びしたような「ぽっぽ」とハトの鳴き声みたいなのだった【15日補足・とある郵便局のものは2018年9月の「現金自動預払機(4型)」日立オムロンターミナルソリューションズ「TS-E133(ATMR/RP)」だった】。この機種は、それよりはさらに前の機種に近い音に少し戻ったみたい。
その3台すべてに「通帳繰越」表示がある。
秋田銀行ではATMが複数台ある店舗でも、繰越対応は1台だけで、先にほかの人が使っている時などタイミングが難しい。ここならその心配はない。
ついに、ゆうちょの通帳を繰り越す時が訪れた。
残り1行となった通帳に入金。
通常通り入金処理が終わり、通帳とともに、利用明細が出てきた。
「通帳の余白がなくなりました 貯金窓口取扱時間中に窓口へ お申し出ください」
この機械で繰り越しができるはずなのに、窓口へ行けとは。
一瞬、不安になったが、繰り越しできないATMと共通の設定になっているのだろう。
引き続き繰り越し作業に移っても良さそうなものだが、必ずいったん返却されるのは、まだいいとして、この明細は要改善では?
このATMのトップ画面には、「通帳記入・通帳繰越」というボタンが表示される。
通常の通帳記入と同じく、そのボタンを押して、最後のページを開いて挿入。その通帳に余白がない時は、自動的に繰り越しモードに入るということだろう。
確認画面
「お取り引きは2分~4分程度かかります」
「新しい通帳は以下のデザインになります」
所要時間と、通帳のデザインは選べない(基本の緑の通帳)旨を確認させられる。
「しばらくお待ちください」画面
「副印鑑シールが貼付されている場合(略)窓口へおこしください」との案内も。ということは、副印鑑が貼ってある通帳でも、繰り越し自体はATMでできてしまうようだ。
秋田銀行のATM(OKI製だが、機種は違うのだろう)では、ガチャガチャ音がして、3分はかかった気がした。
トピコ局のATMは音がしなかった、が、それは駅ビル内(他の売り場と仕切りがない開放的な郵便局)で音楽など喧騒の中だったからかも。所要時間は早く感じた。2分くらいかも。【12日補足・秋銀は普通・貯蓄・定期と1冊で3種類、郵貯は普通・定額の2種類なので、繰り越すページ数が1つ少ないことも、時間に影響するだろう。】
旧通帳への繰り越し済みの表示方法。昔の窓口では穴をあけていたものだが、今はやらなくなった。
秋田銀行のATMでは、表紙に横倍角みたいな文字で、日付と繰り越し済みの旨が黒印字される。
ここ数年の郵便局窓口では、「新通帳へ繰越済」の赤いゴム印や、切手の消印を大きくしたような局名入りのスタンプを、最終ページや余白ページ、表紙に押していた(局や担当者で対応が違いそう)。
今回のゆうちょATMでは、
普通貯金最終ページの隅に「新通帳へ繰越済」のみ
こんなページの端っこにも印字できるのか。窓口の赤スタンプと同じ位置・サイズだが、黒だし、取引と同じ書体だし、目立たない。
表紙にも、余白があった担保定期定額貯金のページにも、何もなし。
名義人本人が繰り越したことを覚えていればいい話だけど、少々まぎらわしい。
以上、特に難しくも、問題もなくスムーズだった。
硬貨入出金+通帳繰越ができる、他行も含めて秋田では数少ない便利なATMだ。
ゆうちょの繰り越し対応ATMは全国的にも、まだ多くはなく、今後増えていくはずだが、現状を公式サイトで検索できる。
日本郵政グループホームページの「郵便局・ATMをさがす(https://map.japanpost.jp/p/search/)」のページ上部(地図やキーワード)は何もいじらず、下のほうの「利用条件からさがす」の「ATMから選ぶ」タグをクリック。そこの「通帳の繰越」にチェックを付けて、「検索」。
県→市町村と絞りこみできる。※県別でカッコ内に数字が表示されるが、その数は何を意味するのか不明。実際の数より多く表示されてしまう。次の市町村レベルでは、設置箇所数と一致するのだが。
その結果、全国でもまだ数百台レベルと思われ、東京都内でも12区に24局しかない。※この検索では「台数」ではなく「局数」しか分からないはず。
宮城県は3局で、石巻市2つと大崎市。仙台市にはまだない。大崎市というのは、鳴子温泉の鬼首郵便局で、日曜は稼働しない(石巻の2局も)。
青森県内は、青森市の小さい2局だけ。
つまり、ホリデーサービス実施局とか中央郵便局・支店内を優先して設置とかではなく、ATMの更新時期が来た局なら、特定郵便局であってもどんどん設置していくという、方針なのではないだろうか。
秋田県内では、トピコ局を含めて3局。
秋田市外は1つだけ、大館市の「羽後二井田郵便局」。大館市街地から比内寄りの二井田地区だが、郵便局名に駅名みたいに「羽後」が付くとは初めて知った。
秋田市内のもう1つは、「秋田寺内郵便局」。寺内小学校と草生津川の間、やはり小さい(普通の)特定局。
ちなみに、寺内局前に設置されたポストは、秋田では少数派のいちばん大型の「郵便差出箱12号(参考記事)」がなぜか設置されている。
ネット銀行、通帳レス口座も増えていく今、通帳は消えていくものかもしれないが、ATMで通帳繰り越しできるのは、まだまだありがたい。
硬貨対応と同様にメンテナンスやトラブル対処上、郵便局外への設置は難しそうだけど、増備に期待。
【追記】2020年10月7日に、秋田中通六郵便局のATMが繰り越し対応機に交換されていたのを確認。同日時点では、ホームページの情報は未更新。
2020年10月29日、秋田中央郵便局のうち1台が交換されていた。同日時点では、中通六とともにホームページ未更新。
昔はどこの金融機関でも、届出印の印影を通帳に貼付する「副印鑑」というのがあったが、徐々に廃止され、遅かったゆうちょでも2013年に廃止。副印鑑は、通帳繰越時に(行員が)新通帳へ貼り替える必要があったが、それがなくなれば自動化できそう。ゆうちょもいずれは繰越対応ATMを導入するのではないかと、期待していた。
そして、今年2020年3月19日。秋田中通一郵便局を秋田駅ビル1階に移転した「秋田駅トピコ郵便局」が開局した。
駅ビル2階の2台の既存ATMは廃止されたが、新郵便局には3台が設置。局内ATMだから硬貨も扱えるようになった。それだけでなく、ついに通帳繰越ができるようになった!
開局時の告知では、ゆうちょの繰り越し対応ATMは、ここが秋田県内初。
今、ネットを調べても、全国的にもゆうちょATMで繰り越しできる(した)という内容は多くないし、Wikipediaには未記載。
トピコ局のATMは3台とも同型。白っぽいボディながら、通帳や現金の出し入れ口周辺は黒いパーツなのが、ゆうちょATMとして珍しい。
目立たぬ位置のシールを拝見すると、「品名 現金自動預払機(4型)」、沖電気工業製、「型番・品番GQ1487A」。トピコ局左端の端末は、製造番号からすれば128台目?
この1世代前のATMでは、操作音が従来と違って、従来より太く、間延びしたような「ぽっぽ」とハトの鳴き声みたいなのだった【15日補足・とある郵便局のものは2018年9月の「現金自動預払機(4型)」日立オムロンターミナルソリューションズ「TS-E133(ATMR/RP)」だった】。この機種は、それよりはさらに前の機種に近い音に少し戻ったみたい。
その3台すべてに「通帳繰越」表示がある。
秋田銀行ではATMが複数台ある店舗でも、繰越対応は1台だけで、先にほかの人が使っている時などタイミングが難しい。ここならその心配はない。
ついに、ゆうちょの通帳を繰り越す時が訪れた。
残り1行となった通帳に入金。
通常通り入金処理が終わり、通帳とともに、利用明細が出てきた。
「通帳の余白がなくなりました 貯金窓口取扱時間中に窓口へ お申し出ください」
この機械で繰り越しができるはずなのに、窓口へ行けとは。
一瞬、不安になったが、繰り越しできないATMと共通の設定になっているのだろう。
引き続き繰り越し作業に移っても良さそうなものだが、必ずいったん返却されるのは、まだいいとして、この明細は要改善では?
このATMのトップ画面には、「通帳記入・通帳繰越」というボタンが表示される。
通常の通帳記入と同じく、そのボタンを押して、最後のページを開いて挿入。その通帳に余白がない時は、自動的に繰り越しモードに入るということだろう。
確認画面
「お取り引きは2分~4分程度かかります」
「新しい通帳は以下のデザインになります」
所要時間と、通帳のデザインは選べない(基本の緑の通帳)旨を確認させられる。
「しばらくお待ちください」画面
「副印鑑シールが貼付されている場合(略)窓口へおこしください」との案内も。ということは、副印鑑が貼ってある通帳でも、繰り越し自体はATMでできてしまうようだ。
秋田銀行のATM(OKI製だが、機種は違うのだろう)では、ガチャガチャ音がして、3分はかかった気がした。
トピコ局のATMは音がしなかった、が、それは駅ビル内(他の売り場と仕切りがない開放的な郵便局)で音楽など喧騒の中だったからかも。所要時間は早く感じた。2分くらいかも。【12日補足・秋銀は普通・貯蓄・定期と1冊で3種類、郵貯は普通・定額の2種類なので、繰り越すページ数が1つ少ないことも、時間に影響するだろう。】
旧通帳への繰り越し済みの表示方法。昔の窓口では穴をあけていたものだが、今はやらなくなった。
秋田銀行のATMでは、表紙に横倍角みたいな文字で、日付と繰り越し済みの旨が黒印字される。
ここ数年の郵便局窓口では、「新通帳へ繰越済」の赤いゴム印や、切手の消印を大きくしたような局名入りのスタンプを、最終ページや余白ページ、表紙に押していた(局や担当者で対応が違いそう)。
今回のゆうちょATMでは、
普通貯金最終ページの隅に「新通帳へ繰越済」のみ
こんなページの端っこにも印字できるのか。窓口の赤スタンプと同じ位置・サイズだが、黒だし、取引と同じ書体だし、目立たない。
表紙にも、余白があった担保定期定額貯金のページにも、何もなし。
名義人本人が繰り越したことを覚えていればいい話だけど、少々まぎらわしい。
以上、特に難しくも、問題もなくスムーズだった。
硬貨入出金+通帳繰越ができる、他行も含めて秋田では数少ない便利なATMだ。
ゆうちょの繰り越し対応ATMは全国的にも、まだ多くはなく、今後増えていくはずだが、現状を公式サイトで検索できる。
日本郵政グループホームページの「郵便局・ATMをさがす(https://map.japanpost.jp/p/search/)」のページ上部(地図やキーワード)は何もいじらず、下のほうの「利用条件からさがす」の「ATMから選ぶ」タグをクリック。そこの「通帳の繰越」にチェックを付けて、「検索」。
県→市町村と絞りこみできる。※県別でカッコ内に数字が表示されるが、その数は何を意味するのか不明。実際の数より多く表示されてしまう。次の市町村レベルでは、設置箇所数と一致するのだが。
その結果、全国でもまだ数百台レベルと思われ、東京都内でも12区に24局しかない。※この検索では「台数」ではなく「局数」しか分からないはず。
宮城県は3局で、石巻市2つと大崎市。仙台市にはまだない。大崎市というのは、鳴子温泉の鬼首郵便局で、日曜は稼働しない(石巻の2局も)。
青森県内は、青森市の小さい2局だけ。
つまり、ホリデーサービス実施局とか中央郵便局・支店内を優先して設置とかではなく、ATMの更新時期が来た局なら、特定郵便局であってもどんどん設置していくという、方針なのではないだろうか。
秋田県内では、トピコ局を含めて3局。
秋田市外は1つだけ、大館市の「羽後二井田郵便局」。大館市街地から比内寄りの二井田地区だが、郵便局名に駅名みたいに「羽後」が付くとは初めて知った。
秋田市内のもう1つは、「秋田寺内郵便局」。寺内小学校と草生津川の間、やはり小さい(普通の)特定局。
ちなみに、寺内局前に設置されたポストは、秋田では少数派のいちばん大型の「郵便差出箱12号(参考記事)」がなぜか設置されている。
ネット銀行、通帳レス口座も増えていく今、通帳は消えていくものかもしれないが、ATMで通帳繰り越しできるのは、まだまだありがたい。
硬貨対応と同様にメンテナンスやトラブル対処上、郵便局外への設置は難しそうだけど、増備に期待。
【追記】2020年10月7日に、秋田中通六郵便局のATMが繰り越し対応機に交換されていたのを確認。同日時点では、ホームページの情報は未更新。
2020年10月29日、秋田中央郵便局のうち1台が交換されていた。同日時点では、中通六とともにホームページ未更新。