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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

青森市のバスにICカード

2020-09-05 23:55:30 | 津軽のいろいろ
断片的な報道の受け売りで、よそ者が恐縮ですが、新型コロナウイルス感染症と公共交通の話。

8月17日、青森市が、コロナ拡大に伴う追加の経済支援策を発表。
秋に実施し、プレミアム商品券や新生児への給付金など総額50億円規模。

その中に、「市営バスへのキャッシュレス決済導入」もあった。
東奥日報によれば、青森市長は「運賃支払いの際の接触機会を低減するため」で、「素早い運行と(感染防止という)安全安心を両立させるには、(Suicaのような交通系IC)カード式が望ましい」と説明。※カギカッコ内のカッコは報道文ママ。

秋田中央交通では、秋田市に援助してもらって、来春からやっと交通系電子マネー(ICカード乗車券)を導入予定。【6日補足・秋田空港リムジンバスのほか、秋田市が運行主体である市街地循環バスと郊外部の廃止代替路線(中央交通系列以外に委託する路線もあり)にも導入】【12月1日追記・秋田市での導入は1年遅れて2022年春開始予定にんった。】
青森市企業局交通部(青森市営バス)では、磁気式バスカードを1992年から導入していて、IC化の話は出ていなかった。

民間に比べて経済的余裕があるであろう公営事業者のこと、青森市でもいずれはIC化されるとは思っていたが、まさかコロナが理由になるとは!
というか、こじつけのような。
だって、現行の磁気カードだって「キャッシュレス」ではあるし、接触機会は少ないはず。
そもそも、現金払いだって、両替はせず、整理券を取る時(整理券自体にウイルスが付着しているとは考えられない)と支払い時に注意すれば、無接触も可能。
磁気カードが廃止されるとすれば、多くの市民のカード切り替えが必要になり、その手続きの場が「密」になったりするかもしれない。

そんなことよりも、手すりや降車ボタンの消毒や混雑緩和をしたほうが、コロナ対策としては有効ではないだろうか。
路線バスの感染対策に税金を使うと言うならば、消毒する資材や人員の確保、混雑する冬に向けて増便できる態勢を作るとかのほうが、理にかなうような。
時代の流れ、県外客の利便を考えれば、IC化を否定はしないが、こじつけがましいように感じてしまった。

さらに東奥日報では、「民間事業者に運行を委託している市バスや、観光施設を巡回する「ねぶたん号」にも、市営バスと同様のキャッシュレス決済を導入する。」とあった。これはまた違ってくる。
「民間~委託している市バス」というのは、郊外方面のコミュニティーバスのことで、まぎらわしいことに「市バス」と「市営バス」は別物。
前(2012年から)は「青森市市民バス」という総称だったのが、今春から「青森市市バス」と改称したらしい。
青森市は市営直営以外では、何度も制度が変わっている気がする。秋田市のほうがまだ安定しているような。

この青森市市バスは、磁気式バスカードが使えず紙の回数券だそうで、IC化されれば、市営直営路線と共通化されて便利になる。コロナとは関係ないが。
ところで、青森市市バスの浪岡方面は、弘南バスが受託する。車両は弘南バス一般路線車と同じ塗装だが、市バス専属車両のはず。例外的ではあるが、弘南バスでもICカードが使えるようになるのか。
これをはずみに弘前でも…とはならないかな。青森市が関与するから。


そう言えば、青森市内では、ジェイアールバス東北や弘南バス(受託でない直営一般路線)もそこそこ走っていて、青森市民や来訪者で一定の利用者もいるはず。JRバスによる青森空港のリムジンバス、下北交通や十和田観光電鉄の中距離バスもある。
その人たちの接触機会低減は放ったらかし? 報道されていないだけで、今回の対象なのかもしれないが、詳しい情報がない。
独立採算である公営企業の市営バスに、市本体から税金を投入するのは、厳しい目を向けられることもある。民間業者も共存している青森市では、民業圧迫と取られる可能性もある。

さらにさらに言えば、鉄道(青森市ではJR東日本と青い森鉄道)だって…
そればかりか、市中の店舗や病院の支払いだって…
という話にもなる。何をどこまでやればいいのか、難しいのは分かるけれど。


コロナ対策は別として、官民の違いはあれどバス事業者自身の負担でなく、市から費用が出てICカードが導入されるという経緯では、秋田市と似たような形になるとも言えるかな。
導入まであと半年近くになるはずの秋田市では、まだ詳細は何も出てきていないが、青森市はどういう仕組みになるだろうか。


【21日追記】9月17日の東奥日報サイト(gooニュース経由で内容を見られた)に、また別の補助金の話。
青森県の補助予算案に、コロナの「新しい生活様式」のためとして、青森県内4事業者者のICカードシステム導入に補助金5億1787万円を計上した。
「10種類の交通系ICカード(通称・10(テン)カード)が使えることを補助の条件としている。」。

「県が県内事業者の意向を確認し、手を挙げた岩手県北自動車、JRバス東北、青森市交通部、八戸市交通部が対象。」
「県内シェア(輸送人員ベース)は高い順に、青森市交通部29.2%、八戸市交通部27.0%、岩手県北自動車14.1%、JRバス東北2.7%。全路線に導入されれば、県内乗り合いバス輸送の73%がIC化される。」
→弘南バス、十和田観光電鉄、下北交通は希望しなかったということか。岩手県自動車とは南部バスのことだろう。となると、今は八戸の3事業者で共通乗車制度があったかと思うが、IC化後は十鉄だけ違うことになりそう。
あと、青森市営バスは、青森市の補助と両方受けるのか?

秋田県もやればいいのに…

【12月1日追記】秋田市での導入が1年遅れて2022年春になった。岩手県(岩手県交通、岩手県北バス)でも、広域で導入予定。
2022年には、岩手県、青森市、八戸市、秋田市のバスで、ICカードが使えるようになりそう。

【2022年2月8日追記】2022年2月8日、東奥日報が「弘南バス、23年春にICカード導入 」と報道。2023年春に弘南バスの一般路線バスでICカードが使えるようになる見通しとのこと。「県、弘前市、沿線市町村が協調し、同社に導入費用に関する補助金を出す方向で調整」。
コメント (2)
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