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広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

雪の壁/弘前と比べて

2013-01-17 21:41:04 | 秋田の季節・風景
先週末、一時68センチに達した秋田市の積雪は、その後50センチほどに減っていた。ところが、昨日深夜から増え始め、今日は65センチ前後で推移した。
秋田市では、地域の雪捨て場として、市内の街区公園等681か所を1月15日から3月いっぱいまで開放することにした。2006年の豪雪以来の対応で、この間、公園としては使えなくなる。(2006年は、車両で運搬することも可能だったようだが、今回は認められていない)

秋田市内の光景。
大町公園橋。
10日ほど前

現在。分かりにくけど少し増えた

二丁目橋付近の竿燈大通り。
昨年12月28日

除雪作業できた雪山はぐんと高くなった。歩道の融雪装置はやっと作動し始めたらしい

広小路。突き当りが秋田駅

土手長町・有楽町南側の楢山地区の県道28号線(いちおう「南有楽町通り」という愛称がある。過去の記事)。
 
ここは雪の壁がとても高い。春に除雪して開通した山岳道路のようにさえ見えてしまう(雪が黒ずんで汚いけど)。

このように、大通りは路面がほぼ見えていて、車は通りやすそう。歩道も融雪装置がおおむね作動していて歩きやすい。(雪山による見通しの悪さには注意)
でも、狭い道に入ると、除排雪が進んではいるが、まだ人も車も通行しやすいとは言えない。


そんな順調だったとは言えない、秋田市の除雪。
その原因について、秋田県の佐竹知事が、自身の秋田市長当時の経験を踏まえて、記者会見でこんなことを言っていたという。
・秋田市は道路の長さに対して、業者が保有する(除雪に使える)重機の台数が少ない。
・東日本大震災復興関連の工事に重機と人員が出払っていて、除雪に回せる余裕が少ない。
・公共事業削減により、各業者が重機をリースに頼っていて、このような緊急時に不足する。
といったことがあるそうで、単にオペレーターの腕が悪い・技術が未熟という問題ではないわけだ。


2月7日・8日には、「ゆきみらい2013 in 秋田」という催しが、秋田市文化会館や八橋運動公園などで行われる。
国土交通省などが主催し、毎年、豪雪地帯の持ち回りで開催していて、今年で25回目。除雪など雪対策の専門家や各地の行政関係者も集まるようだが、その方々には、秋田市の雪への対応はどんな風に映るだろうか。


ところで、14日の秋田魁新報の投書欄「声の十字路」に、「行政による除雪 歩行者に優しく」という投稿があった。
転勤で弘前市から秋田市へ来て、秋田での初めての冬を迎えた、45歳の男性によるもので、秋田市は歩道の除雪がされておらずとても歩きにくく、歩行者への優しさが感じられないというもの。

たしかに、投稿が主張する大筋には同意できる。
秋田市内の県道や市道では、歩行者が多くないとはいえ、信号付き横断歩道やバス停などがあってそれなりに人が歩く道路なのに、歩道の除雪がまったく行われない場所もある。
昨年
沿道に人家がほとんどない場所でもあることから、道路管理者が除雪できないなら、例えば近隣の企業やバス会社との“協働”でやってもらうとか、何らかの対処はしてほしいと思っていた。
こうしたことは、「歩行者への優しさ」というより、「道路管理者としての義務」のような気もするが。


その一方、投稿者と同じく弘前市と秋田市両方に住んだ経験を持つ者としては、投稿中の一文に違和感を持った。
「弘前市は歩道も除雪が行き届いていた。」
という部分。
前後の文脈と併せて判断すれば、「秋田市と違って弘前市の歩道の除雪は、どこもパーフェクト。歩きやすいことこの上ない」と受け取れるようにも思えた。

しかし、僕の経験では、弘前の歩道も、どこでも除雪が行き届いていたわけではなく、すべてが歩きやすいとは言えないと思う。

前提として、弘前市は秋田市より積雪量が格段に多い。また、市の面積や財政も異なり、単純に弘前市と秋田市を比較すること自体、ナンセンスかもしれない。
そして、投稿者も僕も、弘前市と秋田市に住んだことはあるとはいえ、両市内の至るところの除雪実態や道路状況を把握しているわけではない。それぞれの行動範囲内での、必ずしも客観的とはいえない主張である点も踏まえるべきだが、以下、あえて僕の感想。

20年近く前の2月下旬。初めて冬の弘前を訪れた。
その時思ったのは「雪が多くて道が狭くて、とても歩きにくい町」ということだった。品川町や御幸町の第二大成小学校(現・大成小)周辺など、路肩は高い雪山に占領されて、そのスレスレを車がかすめ、それこそ歩行スペースが確保されておらず、閉口した。雪山の上を歩かざるを得ず、異様にアップダウンのある歩道と化した箇所もあった。
また、当時の秋田市では歩道の融雪装置はそれなりの距離に設置されていたが、弘前市にはおそらく皆無で、こんなに雪が多い町にこそ設置するべきだと思った。(現在は土手町などに設置されている。また、秋田市の融雪装置は老朽化で作動しなくなった箇所があって問題になっている)
弘前で暮らしていた間は、雪が積もると歩く道を選ぶのに苦労し、それが嫌で早々に秋田へ帰省していたものだった。
2005年2月の弘前市富田大通り。弘前大学正門付近は除雪されるのだが、ここはされておらず、赤い矢印間のわずかな幅が通路
繰り返しになるが、秋田市より財政規模が小さく、秋田市より積雪量が多い弘前市において、むしろ上記程度の不便で済んでいたことを称えるべきかもしれないけれど。

最近は冬の弘前に行っていないので、変わった点もあるとは思うが、今日の弘前市は、積雪が1メートルを超えたそうで、大成小付近、バカヤローカーブ、茂森町付近などの道路は、どんな状況なのか、果たしてそんなに歩行者に優しい道なのか、気になってしまう。


と思っていたら、今日17日の魁の1面コラム「北斗星」が、この投稿を受けたものだった。
執筆者は「用があって弘前に出掛けたついでに、観察してみた。」そうで、「中心部はなるほどきれいなものだったが、住宅地では路肩に雪の山ができており、歩道も歩きにくい場所があった。」との感想。
ほら、やっぱりそうじゃないか。

投稿がウソだとか、秋田市の現状でいいと言うつもりはない。じゃあ、何を言いたいのかと言われれば、分からなくなってきた。
同じものを体験しても感じ方は人それぞれだし、万人が納得するのは難しい。
融けて消えてしまう雪にこんなに悩まされるとは因果なもの。いずれ春は来るでしょう。
とか、そんな結論?

※実際の弘前の状況はこちら
コメント (7)
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