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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

屋上カメラで放送事故?

2011-02-11 23:58:05 | 秋田のいろいろ
テレビ局に「お天気カメラ」とか「情報カメラ」と呼ばれる機器がある。屋外にリモコンカメラを設置し、風景を生中継する装置。
現在では、設置していないテレビ局はたぶんないくらい普及しているが、最初は1970年代にTBS系列局が朝の番組で使うために始めたようだ。
秋田では日本テレビ系列の秋田放送(ABS)が、当時秋田県内でいちばん高い建物であった秋田県農協ビル(1977年竣工。現・秋田県JAビル)の屋上に設置し、「ノッポ・アイ」とかいう愛称で使っていたのが最初だった気がする。当時のABSテレビは、朝はTBSの番組をネットしていたため、導入が早かったのかもしれない。

後に各局が追随し、NHKでも全国各地の放送局や観光地などに設置している。
NHK秋田放送局(秋田放送会館)は、2008年3月に秋田市役所隣の山王地区から、秋田駅東口(東通地区)へ新築・移転した。
秋田駅東口 ※この記事の写真は、すべて以前に撮影したものです
左から矢印を境に、NHK秋田放送局・秋田拠点センター“アルヴェ”・秋田駅。NHKは登記上はアルヴェの別館扱いらしい。
3つは棟続きになっていて、西口側のフォンテ秋田(旧イトーヨーカドー)ともつながっているので、フォンテ2階や駅改札口からNHK2階まで外に出ずに移動できる。

山王にあった頃は、赤白の高いアンテナの上の方にカメラが付いていて、隣の市役所前庭で竿燈まつりの練習をする風景、その隣の八橋運動公園内の各施設、前の山王大通り~山王十字路周辺の交通量の多い道路、山王や秋田駅周辺のビル群、そして千秋公園・御隅櫓とその向こうの太平山など、「秋田市らしい光景」をいろいろ映していた。

新しい秋田放送局にももちろんカメラが設置され(実は厳密にはそうではないのですが。下記参照)、その映像がニュースなどでよく放送される。
秋田駅ホームと周辺の線路や自由通路、秋田駅西口の2つの交差点、千秋公園(山王から見ていたのと反対側)、秋田南中学校付近、NHK周辺の住宅地の道路、(天気が良くて見えれば)鳥海山などが映るのを今まで見たが、イマイチぱっとしない。
山王時代と比べて、華がないというかおもしろくない映像ばかりの気がする。「これぞ秋田市」という映像が少ないと思う。

その理由は、まず、秋田駅東口側がアパートや住宅街であり、あまり絵にならないことがあるだろう。夜は暗い。そのため、どうしても西側を向く。
駅構内や秋田駅西口も映るとはいえ、屋根があったり建物がジャマで、アングルは限られる。
西口の広小路側交差点はまっすぐに見えるが、コンビニ・居酒屋・消費者金融の看板が乱立。とても公共放送NHK(特に全国放送)では使えないだろう。少し引いても、西武などのビルの看板が大きく入り込む。

そして、秋田市を象徴する「太平山」が写ったのを見たことがない。
隣のアルヴェ14階から撮影
隣のアルヴェの14階からは、駅東側の住宅地の向こうに、太平山の山並みが美しく見えるのだが…

そのアルヴェ14階からは、NHKのアンテナを間近に見ることができる。
こんな感じ
高い部分全体がアンテナというより、高い塔のてっぺんに個々のアンテナを置いている感じ。
塔の内部は階段になっているらしく、昔のむき出しの塔よりも安全そう。
ちなみにこの裏側、南側を下から見上げると、
ソーラーパネルが6枚設置されている

でも、アンテナばかりでカメラらしきものが見えない。
僕は最近まで、てっきりここに設置されているのかと思っていたが、実はNHKの建物自体には、カメラが設置されていないのだ。
隣のアルヴェの高層棟(東横インや上の写真を撮影した展望スペースがある14階建ての建物)の屋上、南西角に設置されているらしい。
秋田駅西口から撮影。この奥(裏側)にNHKがある
赤丸部分を拡大
右上の四角いのがカメラみたいだ。アンテナも2つあり、1つはNHKのロゴ入り

なるほど、考えてみれば、アルヴェの14階からNHKのアンテナ塔を「見下ろせる」ということは、NHKの塔よりもアルヴェの方が高いわけで、そちらの方が見晴らしがいい。
それに、NHKからでは、アルヴェが視界を遮るので線路や駅周辺、西口側が見通せない。
南西側・線路沿いから。カメラは黒いビルの左側手前にある
アルヴェ高層棟とNHKの塔は思ったより離れている。

また、東西方向に薄っぺらに見えるアルヴェのビルも、それなりに幅があるわけで、東にある太平山を映そうとすると、ビルの屋上が映りこんでしまうわけで、無理なのだろう。(それ以前にカメラの“首が回らない”のかもしれない)
南東側から。赤丸がカメラ、太平山は右側
反対側にももう1台カメラを設置するとか、思い切ってまったく別の場所にカメラを設置するとか、もう一工夫してもいいかもしれない。


ところで、NHK秋田の平日18時台のローカルニュース番組「ニュースこまち」。
この番組内でも、アルヴェ屋上のカメラが多用される。

番組の最後では、キャスター3人が並んで次回の予告をした後「失礼します」と挨拶し、屋上カメラの映像に変わる。
音楽と「ニュースこまち・終」のテロップとともに15秒くらいだろうか、屋上カメラの映像が流れて終了。1分間の番組宣伝~「ニュース7」へと移っていく。

エンディングでは、夏場のまだ明るい時期なら夕焼け空を映すこともあるが、今の時期は暗いので絵になるアングルは限定されるのだろう。もっぱら秋田駅西口周辺や秋田駅構内の映像が流れる。
特に、秋田駅の新幹線ホームを映すことが非常に多い。
この時間は、カメラにいちばん近い12番線に19時7分発「こまち42号」が入線していて、その先頭車両の先頭部にズームインするパターンが、(統計をとったわけではないが)1週間に2~3回以上は使われる気がして、お決まりの映像になっている。(番組名も列車名も「こまち」だから掛けているのか?)
アルヴェの駐車場から撮影。ここのずーっと上にNHKのカメラがある
上の写真を、さらに高い位置から見下ろしたアングルで、ぐーっと列車の先頭部に寄っていくことが多い。

10日・木曜日の「ニュースこまち」のエンディングもこのパターンだったが、何気なく見ていてびっくりした。
こまちの先頭車両にズームして、動きが止まってアングルが固定されたかと思うやいなや、ホーム上に列車の影から1人の女性が出てきた。(20代~30代くらいかな?)
歩いて通りかかったというより、「飛び出てきた」というような感じで、何やら楽しそう。通りすぎずに、立ち止まって線路側に体の正面を向けている。手には何か小さな物を持っていて、彼女はそれに目を落とした。
つまり、彼女の顔がテレビに映って放送されていることになる。かなりのズーム倍率だし、彼女を知っている人が、鮮明なデジタルテレビで見ていたなら、「◯◯ちゃんだ」と認識できるだろう。

僕は、たまたま「こまち」の乗客が、先頭部を撮影しに来たのであり、手にしているのはそのためのカメラかと思ったが、そうではなかった。

次の瞬間、彼女はNHKの屋上カメラに向かって手を振ったのだ!
こんな感じ↓
下手なイメージ図。赤いのがその人
彼女は時々、手に持っているものに視線を落とすと、一層嬉しそうに手を振り続けた。
おそらく、携帯電話でワンセグ放送を見ていて、それで自分が映っているのを確認しているのだろう。
誰かに自分の姿を見せたいのか、自己満足なのか知らないが、大胆なことをするもんだ。

おそらく10秒間あるかないかくらいだと思うが、見ている側にはとても長く感じられ、妙に明るい、やや時代遅れのテーマ音楽が虚しく鳴り響いていた。
カメラは微動だにせず、停車中の新幹線と「ニュースこまち・終」の文字が静止する中、嬉々として手を振り続けるどこかの女性の姿だけが、公共の電波(しかも受信料で放送される公共放送NHKの、しかも報道番組)を通じて、秋田県じゅうに流れた。
秋田駅12番線がステージのように感じられ、まさに彼女の「一人舞台」。一種の「番組ジャック」「電波の私物化」と言えるかもしれない。

これにはびっくり。
いわゆる「放送事故」扱いじゃないだろうか。
こういう場合、多少不自然な動きになっても、カメラを振ってよそを映したり、ズームアウトして小さくしたりして、できるだけ映さないようにするべきではないだろうか。
手を振るくらいならまだしも、例えば「来週からはABS秋田放送を見てね!」なんて紙を出してカメラに向けられたりされたら、大問題になる。


毎日代わり映えのない映像を流すから、パターンを読まれてこういうことになるんだよ。NHK秋田放送局はもう少し変化をつけてほしい。
それ以前に報道の自由だかなんだかしらないが、こんなにやたらと不特定多数の人々を撮影できる屋外に、個人の顔を判別できるほどまでズームできるレンズを付けたハイビジョンカメラを設置し、その映像を精細なデジタル放送で流す意味・必要があるだろうか。
今は防犯カメラですら「カメラ作動中(記録中)」などと表示があるのも珍しくない時代。今回のケースとは逆に、映してもらいたくない人の姿が、本人が知らぬ間にデジタル放送の精細な映像で放送されてしまっては、プライバシーを侵害することにもなりかねない。(滑って転んだところを全国放送されるとか)

NHKの18時台は祝日は別番組なので、今日は放送はなかったが、来週はどうするんだろう?
ちょっと楽しみ。(見忘れなければ結果を追記します)

【14日追記】週明け月曜日、14日のエンディングは、西口側の自由通路ぽぽろーどの側面をややズームしたアングル(人がいても顔は認識できない程度)からズームアウトし、秋田駅構内の線路・在来線ホームの屋根が映るまで引いたところで止まって終了。新幹線ホームは映らなかった。
従来もたまにあったパターンだと思うが、新幹線ホームを映さなかったのは、先週の反省を踏まえてか?
さらに、20時45分からの「ニュースあきた845」のオープニングと気象情報前の画像も、たぶんまったく同じアングルだった。
【15日追記】今日は新幹線先頭車のアップからズームアウトし、西口方面一帯(フォンテ秋田~秋田駅~広小路側交差点)の広角アングルで終わり。問題のパータンとは逆で、最初アップにしておいて引くパターン。これなら、延々と手を振り続けられる心配はない。
なお、先頭車付近の喫煙所周辺に立っている人の後ろ姿や喫煙所内の人の腰の辺りが少し見えていた。それから新幹線は量産先行車「R1編成」だった。
【17日追記】
16日は西口の広小路側・フォーラス前の交差点から始まり、在来線ホーム近辺(14日とほぼ同アングル)までズームアウトして終わり。
17日は西口側南方向、明田地下道近くの高層マンション(デイリーヤマザキの近所)全体を映し、線路が映るまでズームアウトして終わり。駅側は映らなかった。
【18日追記】18日は、東(南南東くらい?)の空に上った満月のアップから引いて、秋田駅東口側・南東方向の住宅街を広角で映して終わり。
最後は、画面左端にアルヴェ屋上の一部(赤く光る「航空標識灯」など)が映りこんでしまい、ほんの少し右に振っていたが、それでもまだ映っていた。
したがって、やはりこのカメラでは、太平山など秋田駅の真東~北方向は映せないことになる。

今週1週間を振り返ると、毎日違うアングルであり、過去に見たことがないパターンもあった。以前はよく登場していた新幹線の「こまち」が写ったのは1度だけ。
ズームインしていくパターンがなく、いずれもアップからズームアウトして広角側で終了している。
やはり、先週の“問題”を踏まえての対処だと思われる。

【3月4日追記】
前回の追記後も、ズームインして終わるというパターンは皆無だったと思う。ズームアウトするか左右に動く(パン)パターンのみで、屋上カメラの映像が流れる時間が短くなったような気がする。
今日、3月4日は久々に12番線のこまちが映った。ただし、アップからズームアウトするもの。
しかし、映像が切り替わってこまちが映るやいなや、ホームに列車の影から3人(お父さん、お母さん、小さな子)が出てきた。
もしやまた手を振るのか? と思ったが、こまちの先頭部で記念撮影をしていた。上記の通り、カメラはズームアウトしていたので、顔が判別できるほどではなかった。
それにしても、カメラが切り替わってすぐ、3人が絶妙のタイミングでホーム上に姿を現したは、単なる偶然だろうか。
完全な憶測・妄想だが、前回同様にワンセグや電話で自分たちがカメラに映ることを意識しての行動だったのかもしれない。
【3月9日追記】
この一件から1か月たった、3月9日のエンディングは、問題の2月10日のパターンと久々にほぼ同一だった。(ズームの度合いがやや広角寄りで、映る時間は短かったかもしれない)

※新幹線ホームからカメラを見上げた写真がこの記事にあります
※関連記事はこちら(秋田市新屋の花見期間限定で設置されたカメラ)
コメント (11)
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