広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

木ノ内?

2009-04-04 14:20:06 | 秋田のいろいろ
秋田駅から西へ伸びる広小路に「木内」という店がある。かつては秋田市随一の百貨店であり、中心商店街の象徴的な店舗でもあった。(現在はモロゾフやメリーなど高級菓子店は駅前の秋田西武に出店しているが、かつては木内にあった。秋田西武の前身の「本金(ほんきん)」は大町にあり、木内と並ぶ地元百貨店だったが、西武と資本提携して駅前に移転した)
確か3階建てで屋上もあるが、現在は1階のみの営業で婦人服など衣料品を扱うだけで、広い店内と立派な玄関の敷石くらいしかかつての繁栄を偲ぶものはない。
Wikipediaによれば、1889年創業、1955年に百貨店化、1990年に百貨店協会を脱退し現在の姿になったようだが、「経営危機に陥ったわけではなく、経営方針と思われる。」とのこと。
「木内」の読み方は「きうち」ではなく「きのうち」。創業家の姓にちなむもの。
2008年12月31日撮影。奥が秋田駅
広小路は駅から旭川に突き当たるまでの3車線の一方通行。昔はここが秋田唯一のスクランブル交差点だった。
雪の舞う大晦日の夕方で特に寂しげだが、まあいつもこんな感じです。

店の前にはバス停と1965年に廃止されるまでは旧秋田市交通局の路面電車(市電)の電停もあり、市内交通の要衝だった。木内の店内には、交通局と民間バス会社の定期券販売所まであった。

現在も、秋田駅前(西口)発の多くの路線バス(イメージとしては7~8割?)は、駅から2つ目のこのバス停までは同じルートを通り、各方面に分散していく。
バス停はアーケードの下に6本。県南部から数路線が乗り入れてくる羽後交通用のバス停が1本と空港リムジンバス用が1本、秋田市内が地盤の県中央部のバス会社が4本のポールを立てている。その4本のうち3本は、かつては秋田市交通局(秋田市営バス)のもので、同局の廃止にともない移管・譲渡されたもの。

2008年撮影の停留所
ポールの表記は「木内前」となっていて、「ノ」が入っている。

確か2006年に交通局が廃止された直後に、路線を引き継いだ民間バス会社がポールをリニューアルしてこの表記が突如出現したと記憶している。僕はこれを見るたびにものすごく違和感を感じる。

「きうち」と誤読されないようにとの配慮かもしれないが、今となってはそれほど知名度・重要度が高くないバス停。秋田市民には「木内=きのうち」が定着しているのだし、今さら、突如として変更されるのはかえって混乱する。

たしかに、旧国鉄の駅名では鷹ノ巣・一ノ関・三ノ宮など、地名と異なり「ノ」が入ってしまったものがあるが、明治時代のお話。時代が違う。今さら「高田馬場」を「高田ノ馬場」にはしないだろう。

それに、「木内」という店の前にあるバス停だから「木内前」。店舗名であると同時に人名でもあり、木内さんに対して失礼だ。木内側がバス会社に抗議してもいいくらいだと思うが、両者で話がついているのだろうか?
渡辺さんが「ワタベ」と誤読されないように勝手に「渡ナ辺」と書かれるようなものだと思うけど…(このバス会社の社長さんの姓は…)
羽後交通は「木内前」表記
「木ノ内前」に囲まれて肩身が狭そうだけど、あくまでも羽後交通さんが正式です!

交通局時代は、アーケードの天井から、吊り下げ式の「バスロケーションシステム」(バス接近表示。無線を使用したものは1980年代に秋田市営バスが世界で初めて! 実現した。写真は1990年代に更新された2代目機器)の表示器が吊り下げられ、そこに「木内前」と表記されていた。
2002年2月撮影。右側の表示器にあった路線は当時既に移管済みのため、目隠し・消灯している。
そのため交通局用の3本の地面に置かれたポールには(写真の赤い←)、小さな字でしか「木内前」と記載されず、路線表記と時刻表掲示にスペースが割かれていた。

交通局廃止後、残念なことにバスロケシステムは民間会社に移管されず、表示器は撤去。したがってポールにバス停名を大きく記載する必要があって、リニューアルしたのだろうが、この民間バス会社は何を思って「ノ」を入れたのだろうか?


停留所以外の表記としては、案内所で配布している時刻表(2009年4月改正版)や公式サイトの空港リムジンバス停留所も「木ノ内前」となっている。
一方で、公式サイトの(リムジン以外の)一般路線バスの時刻表検索。ものすごく使いにくいのだが、五十音順で「き」を選ぶと…
「木内前」!
この検索システムは、2008年に登場したから、昔のものがそのまま残っているわけではない。つまり、ここ1年間でも、バス会社内部で「木内前」と「木ノ内前」表記が混在している。
バス停の表記なんかどっちでもいいんだけれど、何度か取り上げたこのバス会社の不親切な案内に通じるものがあるように思えてしまう。

最後にお願い。通町方面へ向かう路線バスは、右折するため、木内前発車直後、車線変更が必要になる。付近は信号や車線変更禁止区間があり、大きなバスが2車線向こう側へ移動するのは大変。
2002年3月撮影。前の市営バスが車線変更しようとしている。
路面には「停止禁止」の斜め線がペイントされているが、理解していないドライバーもいるし、状況によっては禁止区域外でも止まったり減速してバスに道を譲った方がいい場面もある。
車を運転していて車線変更しそうなバスがいたら、信号と他車の動向に注意の上、臨機応変な対応をして、路線バスのスムーズな運行と交通安全にご協力をお願いします。

その後「木内」表記に戻っていた
コメント
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