Sketch of the Day

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ベートーヴェン4題

2007-07-13 | Media
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮+BPO+D.オイストラフ(ヴァイオリン)+M.ロストロポーヴィチ(チェロ)+S.リヒテル(ピアノ)によるベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリンとチェロのためのトリプル・コンチェルト ハ長調 作品56(EMI,1969)。ジョージ・セル指揮+クリーヴランド管弦楽団+D.オイストラフ(ヴァイオリン)+M.ロストロポーヴィチ(チェロ)によるブラームスのヴァイオリンとチェロのためのダブル・コンチェルト イ短調 作品102(EMI,1969)とのカップリング盤。何とも豪華な顔合わせだが、カラヤンの統率力と表現力が冴えわたる名演。

ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮+VPOによるベートーヴェン 交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」(EMI,1952)。歌劇「フィデリオ」作品72 序曲をカップリング。かねてより欲しかったフルヴェンのエロちゃんをついにゲット。いい。すこぶるいい。何かこう身体の奥底から力が漲ってくるような、それでいて洗練された演奏である。モノラル録音だけど、音楽は音質ではないということを雄弁に物語ってくれる。この情熱。僕にとってのベートーヴェンのベスト・シンフォニーは、このエロイカとあとは合唱である。

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)+ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)によるベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24「春」(DG,1987)、同第9番 イ長調 作品47「クロイツェル」(DG,1994)。これはものすごい演奏。まさに火花散る競演とはこの盤のためにある形容と言っても過言ではあるまい。クレーメルもすばらしいけど、アルゲリッチのピアノが断然いいんだよなぁ~。うっとりとするような「春」。ヴァイオリンとピアノのものすごいバトルから一時も眼(じゃなくて耳)が離せない「クロイツェル」。どちらもいいが、どちらかと言われれば僕はクロイツェルをとる。

ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮+バイロイト祝祭管弦楽団及び合唱団+E.シュワルツコップ(ソプラノ)+E.ヘンゲン(アルト)+H.ホップ(テノール)+O.エーデルマン(バス)によるベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」(EMI,1951のモノラル録音、いわゆる足音入り)。長らく聴いてきたレコードをCDに買い換え。ライナーノーツに「音の世界遺産」とある。確かに名演だと思うが、ちょっとテンポがトロい(ただし第4楽章はすばらしい)。個人的にはレニー+VPOのグラモフォン盤もしくはレニー+ニューヨーク・フィルのCBSソニー盤(廃盤?)の演奏が僕は好きである。第9は第1楽章から第2楽章にかけてが一番好きなところ。そこがトロいのでどうもいまひとつね。第9には疾走感が必要。カラヤンのは論外だけど。