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壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

『去来抄』5 うらやまし

2011年10月23日 20時47分27秒 | Weblog
        うらやましおもひ切る時猫の恋     越 人

 先師が伊賀上野からこの句を書き送って言われるには、
 「心にまことの詩心をもっている者は、いつかそれが口をついて出ないということはない。越人の俳諧は、この句において初めて本来の持ち味を現したのだ」と。
 これより前から越人は、俳人として名が四方に高く聞こえ、人のほめそやす句も多くある。それでも、師は、この句にいたって初めて、越人が本来の持ち味を発揮した、とおっしゃったのだった。


      四阿につづくトンネル萩の径     季 己