うらやましおもひ切る時猫の恋 越 人
先師が伊賀上野からこの句を書き送って言われるには、
「心にまことの詩心をもっている者は、いつかそれが口をついて出ないということはない。越人の俳諧は、この句において初めて本来の持ち味を現したのだ」と。
これより前から越人は、俳人として名が四方に高く聞こえ、人のほめそやす句も多くある。それでも、師は、この句にいたって初めて、越人が本来の持ち味を発揮した、とおっしゃったのだった。
四阿につづくトンネル萩の径 季 己
先師が伊賀上野からこの句を書き送って言われるには、
「心にまことの詩心をもっている者は、いつかそれが口をついて出ないということはない。越人の俳諧は、この句において初めて本来の持ち味を現したのだ」と。
これより前から越人は、俳人として名が四方に高く聞こえ、人のほめそやす句も多くある。それでも、師は、この句にいたって初めて、越人が本来の持ち味を発揮した、とおっしゃったのだった。
四阿につづくトンネル萩の径 季 己