壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

花木槿(むくげ)

2011年10月10日 20時40分50秒 | Weblog
        花木槿裸童のかざしかな     桃 青

 『新古今集』の、
        ももしきの 大宮人は いとまあれや
          桜かざして けふもくらしつ   山部赤人
などを念頭において、「昔の大宮人は桜をかざしとしたものだったが」の意を裏にこめた発想であろう。画賛の句なので、即興的に作ったものと思う。

 「かざし」は昔、髪や冠にさし、飾りとした花の枝。

 季語は「花木槿(はなむくげ)」で秋。

    「この裸童子が花木槿を持った図は、そのひなびた取合わせが
     しっくりしていて、古人が桜をかざしたのに対して、花木槿は、
     里童の挿頭(かざし)にまことにふさわしい感じだ」


      校庭の子らに日のある白木槿     季 己