昨日、衆議院本会議で安倍晋三首相の施政方針演説に続き、外交 財政、経済担当相の演説が行われた。渦中の甘利明経済再生相の経済演説の際には、同相の疑惑対応に不信感を抱く民主党、共産党、維新の党など野党6党が本会場から退席し、抗議の意味を含めアッピールした。
甘利大臣は、今朝、スイスの東部ダボスで行われている世界経済フォーラム(WEF)年次総会「ダボス会議」に安倍首相の名代として出席するため日本を後にした。同氏はここで演説することになるのだろうが、自身の疑惑説明を1週間内に行うという理由として、この会議に出席する方を優先させたのだろう。
本会議の演説をボイコットされた大臣が、ダボス会議で演説するとなると、世界の様々なジャンルのリーダーが出席し、考え方を述べるこの会議で、日本の疑惑にまみれた大臣の演説を出席者はどのように受け止めるのだろうか
甘利大臣の降ってわいたスキャンダルは、彼を頼りにしている安倍首相にとっては大きな痛手になっている筈だ。特にTPP交渉の主役だった甘利氏が、もし辞任するようなことにでもなれば、誰が彼の代役を務めるのか。特にアメリカとの閣僚折衝に当たった甘利氏でないとなかなか実情が分からず、TPPの議論に支障がないとは言えない。
安倍首相にとっては、これだけでなく、お友達の1人である主要大臣の辞任はより厳しく任命責任を問われるし、参議院選挙を控える中で、首相としての求心力を失い兼ねない。
第一次安倍内閣では、気心の知れた人物の多くを閣僚に起用、「お友達内閣」と揶揄されたが、第二次政権ではその二の舞をしないよう組閣では気を使ったはずだが、先には、お友達の1人、下村博文元文科相がやはり政治資金問題で追及され、結局は守り切れず第三次安倍政権で起用しなかった。
今度の、甘利大臣は安倍首相にとってはもっと大事なお友達であり最初は守るだろうが、週刊文春の見出しは建設会社から「賄賂をもらった」ことになっていて、場合によっては刑事事件にも発展する可能性を秘めている。
ダボス会議から帰国した後の甘利氏には針のむしろが待っているが、果たしてどこまで逃げおうせることができるか。大変な修羅場になりそうだ。「関連:1月22日」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます