寝たきり志願。
たまにいらっしゃいます。
「もういい。俺はこのまま寝たきりになる!。全部ベットの上でやる。」
リハビリもいや、ケアも嫌い、歯磨きも大嫌い、動くのなんてもってのほか・・。
まだまだ体の機能は残っているし、ちょっと頑張れば車椅子での散歩も、うまくいけば歩くことだって可能かもしれないのに・・。
筋力が落ちて、身体を動かさなければ、関節はどんどん拘縮してきます。
拘縮が始まると、関節が結構痛むので、よけいに動かすのが嫌になります。
でも、ここで動かさないと関節が曲がったまま固まってしまい、そのために立つことが難しくなってしまいます。
たまに、初めて訪問すると、手と足を胎児のように曲げたまま固まってしまっているお年寄りに出会う事があります。
こうなると、身体は横しか向けませんし、なにより着替えやオムツ交換がとても大変になります。無理やり手を伸ばしたり、足を広げないと更衣が出来ないので、痛みも伴ううえ、介護者は汗だくとなります。
だから早くから関節を動かして、固まらないようにしなくてはいけないのですが、これがみなさん大嫌いなんです。
リハビリと言っても、週一回デイケアに行ったり、訪問リハを頼んだとしても、毎日の生活で動かして行かなければ、人の身体はどんどん退化してしまうのです。
しかし・・。
そんなことをいくら説明しても、Mさんには届きません。
「いやなものは嫌だ!みんな出て行け、帰れ。俺はこのままがいいんだ!」
家長であり、長年一族の長として君臨してきたMさんには、だれも逆らえないのです。
ですから、いくら看護師がケアをして処置をして、オムツを変えても、間は誰にも触らせないので、3歩進んで2.5歩は下がってしまいます。
一時は、車椅子に乗れるまでADLが拡大したMさんですが、今年に入り寝たきり宣言をしてからは、拘縮が進み、あげく仙骨部と下腿に一か所褥瘡が出来てしまいました。
これにかんしては、「ベットのマットが悪いんだ。ちっともよくならない!」とご立腹。
今日、皮膚科のドクターと確認すると、エアマットに変えたことで、創周囲の収縮は良好で、そんなに深くはありません。
一か所、白色になった肉芽は、デブリをするほどではなく洗浄とユーパスタで継続となりました。
では、なぜ褥瘡はできのか。
もちろん動かない事。
いつもベット上で、斜めになっていたり、下の方にずり下がっている為です。
よく見ると、白色肉芽は周囲から皺が寄っています。
臀列部から上、両側からたるんだ皮膚が寄って、皺が出来てしまい、その上に自分の体重がかかるから、これは当然の結果です。
しかも、車椅子に乗って、90度座位を保たなくなったため、食事時のベットアップで体がずり下がってしまうのです。ズレと体圧と、少ないオムツ交換による蒸れ。
見事に条件がそろっていますね。
ちなみに、彼はすごい偏食で、代わりに終日キャラメルをなめています。
一応低栄養はないものの、もっとタンパク質とか、微量元素の入った食事がほしいもの・・。
また、下肢の拘縮が痛いため、家族に命令して膝の下に大きな枕を入れさせています。
つまり、屈曲拘縮を作成中なわけで、担当看護師たちの切なる願いは未だ届かず、かれは我が道をベットで貫いているわけです。
私たちは、そりゃあ患者さんの想いに添いたいとは思います。
患者さんの望みをかなえるために、今までだって頑張ってきました。
でも、本当はまだまだ回復の余地があるし、廃用症候群が主病名で他に致命的な病気もない場合に、「寝たきりになりたい」希望を、『はい、そうですか!』とは、かなえられないと思うのですが・・。
一切服従のご家族と、寝たきり希望の患者さんに、あの手この手でアプローチをしながら、最近はスタッフもあきらめムードになっています。
まあ、いままで君臨してきたのだし、今さらリハビリで痛い思いをするくらいなら、余生を温かいベットの中で、ぬくぬくと過ごされるのもいいのかな?
ちなみに、ご家族は服従しながらも、頻繁な命令に困りはてています。
数年前に亡くなられた、寝たきり宣言おじいさんは、もっと動けたけれど宣言どうり、ある日を境にオールベット上でした。
彼もまた、会社経営者として君臨されていた方で、いまさら指示されて頑張るなんて、やってられないのかもしれませんね。
この方は、本当に四の五の言わずに、寝たきりになり、奥様も最後までそれに添いましたから、あとから考えるとあっぱれな人生だったと思います。
って、本当にいいのかなぁ??
患者さんお想いに添うっていうのと、ちょっと違うような気がします・・。^_^;
たまにいらっしゃいます。
「もういい。俺はこのまま寝たきりになる!。全部ベットの上でやる。」
リハビリもいや、ケアも嫌い、歯磨きも大嫌い、動くのなんてもってのほか・・。
まだまだ体の機能は残っているし、ちょっと頑張れば車椅子での散歩も、うまくいけば歩くことだって可能かもしれないのに・・。
筋力が落ちて、身体を動かさなければ、関節はどんどん拘縮してきます。
拘縮が始まると、関節が結構痛むので、よけいに動かすのが嫌になります。
でも、ここで動かさないと関節が曲がったまま固まってしまい、そのために立つことが難しくなってしまいます。
たまに、初めて訪問すると、手と足を胎児のように曲げたまま固まってしまっているお年寄りに出会う事があります。
こうなると、身体は横しか向けませんし、なにより着替えやオムツ交換がとても大変になります。無理やり手を伸ばしたり、足を広げないと更衣が出来ないので、痛みも伴ううえ、介護者は汗だくとなります。
だから早くから関節を動かして、固まらないようにしなくてはいけないのですが、これがみなさん大嫌いなんです。
リハビリと言っても、週一回デイケアに行ったり、訪問リハを頼んだとしても、毎日の生活で動かして行かなければ、人の身体はどんどん退化してしまうのです。
しかし・・。
そんなことをいくら説明しても、Mさんには届きません。
「いやなものは嫌だ!みんな出て行け、帰れ。俺はこのままがいいんだ!」
家長であり、長年一族の長として君臨してきたMさんには、だれも逆らえないのです。
ですから、いくら看護師がケアをして処置をして、オムツを変えても、間は誰にも触らせないので、3歩進んで2.5歩は下がってしまいます。
一時は、車椅子に乗れるまでADLが拡大したMさんですが、今年に入り寝たきり宣言をしてからは、拘縮が進み、あげく仙骨部と下腿に一か所褥瘡が出来てしまいました。
これにかんしては、「ベットのマットが悪いんだ。ちっともよくならない!」とご立腹。
今日、皮膚科のドクターと確認すると、エアマットに変えたことで、創周囲の収縮は良好で、そんなに深くはありません。
一か所、白色になった肉芽は、デブリをするほどではなく洗浄とユーパスタで継続となりました。
では、なぜ褥瘡はできのか。
もちろん動かない事。
いつもベット上で、斜めになっていたり、下の方にずり下がっている為です。
よく見ると、白色肉芽は周囲から皺が寄っています。
臀列部から上、両側からたるんだ皮膚が寄って、皺が出来てしまい、その上に自分の体重がかかるから、これは当然の結果です。
しかも、車椅子に乗って、90度座位を保たなくなったため、食事時のベットアップで体がずり下がってしまうのです。ズレと体圧と、少ないオムツ交換による蒸れ。
見事に条件がそろっていますね。
ちなみに、彼はすごい偏食で、代わりに終日キャラメルをなめています。
一応低栄養はないものの、もっとタンパク質とか、微量元素の入った食事がほしいもの・・。
また、下肢の拘縮が痛いため、家族に命令して膝の下に大きな枕を入れさせています。
つまり、屈曲拘縮を作成中なわけで、担当看護師たちの切なる願いは未だ届かず、かれは我が道をベットで貫いているわけです。
私たちは、そりゃあ患者さんの想いに添いたいとは思います。
患者さんの望みをかなえるために、今までだって頑張ってきました。
でも、本当はまだまだ回復の余地があるし、廃用症候群が主病名で他に致命的な病気もない場合に、「寝たきりになりたい」希望を、『はい、そうですか!』とは、かなえられないと思うのですが・・。
一切服従のご家族と、寝たきり希望の患者さんに、あの手この手でアプローチをしながら、最近はスタッフもあきらめムードになっています。
まあ、いままで君臨してきたのだし、今さらリハビリで痛い思いをするくらいなら、余生を温かいベットの中で、ぬくぬくと過ごされるのもいいのかな?
ちなみに、ご家族は服従しながらも、頻繁な命令に困りはてています。
数年前に亡くなられた、寝たきり宣言おじいさんは、もっと動けたけれど宣言どうり、ある日を境にオールベット上でした。
彼もまた、会社経営者として君臨されていた方で、いまさら指示されて頑張るなんて、やってられないのかもしれませんね。
この方は、本当に四の五の言わずに、寝たきりになり、奥様も最後までそれに添いましたから、あとから考えるとあっぱれな人生だったと思います。
って、本当にいいのかなぁ??
患者さんお想いに添うっていうのと、ちょっと違うような気がします・・。^_^;