こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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市定例会&学術講演会「創傷の治療戦略」

2012-03-13 22:10:57 | 訪問看護、緩和ケア
今日は一日ステーションから離れてのお仕事でした。

昼前から、市の定例会の準備で伊勢崎長者町の医療会館に入り、終ると同時に瀬谷区に戻り、軽く食事をとってから、学術セミナーで8時半まで講演を聞きました。

定例会では、横浜市内のステーションのアンケート結果の報告があり、横浜市の訪問看護ステーションの実情が見えてきました。

市の連絡協議会の会員140か所中、回収された82か所分の集計結果が出たわけですが、一つの市に140か所以上も訪問看護ステーションがあるところは、日本全国から見ればまだまだ少ないようです。
地方によっては、県に何カ所かあるだけで、市町村単位でいえば、訪問看護ステーションがないところだって、たくさんあると聞きますので、横浜はまだまだ恵まれているのだと思います。

なので、この集計結果はあくまでの横浜の動向と言う事になりますが、驚くのは常勤換算で2.5人を割るステーションがあるらしいと言う事です。

実際、2.5人を割ると営業出来ないことになっているので、一時休止しているのか、すぐに補充できるのか、微妙な感じです。

ただ、小さな事業所では、一人でも辞められたら閉鎖に追い込まれる事業所もあると言う事です。

実際、ここ7年間の新規ステーション解説数は7.4か所で、閉鎖が4.7か所だったそうです。
また、1年間に増えた看護職員数の平均はたった0.3人ということなので、これもいかに人材が不足しているかと言う事がわかりますね。

また、離職率でもOT,PTに比べて、看護師のほうが勝っているというのも、皮肉な結果となっています。

多角的に分析が出来る結果となっていますので、会員の方に関しては、近く市の協議会のHPにアップされますので、ダウンロードしてみてくださいね。

また、情報として「痰の吸引に関して」法の改定に対して、研修や届け出が全く間に合っていない現状が報告されました。
おかしいのが、一部の任意団体にしか痰の吸引の研修の案内がされていないと言う事です。
ヘルパー事業所への指導が訪問看護ステーションであると位置づけているにもかかわらず、看護協会は通さず、訪問看護の任意団体一カ所にしか通達されないのは、行政として問題だよね!という話で盛り上がりました。

そして市からの連絡としては、高額医療費が訪問看護にも現物支給化される事になったので、自分のご利用者さんがちゃんと限度額認定されているのか。またどの区分なのかを確認してちゃんと対応してくださいというものでした。

所得に応じて、限度額認定されていても、今までは高額医療費として、あとから面倒な高額医療費の払い戻し手続きをしなくてはいけなかったのですが、それが最初からその分だけしか払わなくてもいいようになったわけです。
うちでいえば、ターミナルケアでの訪問看護で、医療優先になった方には、とても朗報だと思います。
償還払いは、一時立て替えるお金も大変だし、手続きだって面倒ですよね。


まあ、その他もろもろの情報を頂くことが出来ました。

そして、「創傷の治療戦略」面白かったですよ。

場所は、新しい瀬谷区の公会堂。
開始前の前景です。
広いしきれいなので、快適!

内容ですが・・

在宅では、かなり凝り固まったラップ療法信者に、適応外のラップ療法をして感染を悪化させる事がありますので、その警鐘にもなりました。

うちも、ラップ療法は取り入れていますが、「絶対ラップだけ療法」はしていません。
感染や深度分類を十分観察したうえで、適切な処置が必要だと言う事が、改めてエビデンスに基づいて説明して頂けました。

また、安藤先生は「消毒を悪のように言うけれど、判断を間違えば感染による悪化は重大になる。自分の研究ではヨード剤をうまく使った方が、何もしないものより安全に早く良くなっている。」
「今はやりのプロスタンディンやフィブラストスプレーなどは、上皮化が弱い。自分はヨード製剤から使用し、真皮層ができればステロイド剤にそのまま移行することのほうが、効果的だと考える。」
などのお話しをされたうえで、ものすごい創傷治療のスライドを、次から次へと見せて頂きました。

うちでは、皮膚科のドクターもいいとこ取りで、洗浄、ユーパスタ&モイスキンパット(もしくは、ポリエチレン紙おむつパット)のみで、最後まで治しちゃうことがよくあります。

安藤先生は、真皮を失った場合は、手術適応と言われていましたが、現実在宅では全身状態や、環境などから、入院加療を望まない患者さんが多いので、やはり在宅なりのアレンジで治療を進める確信がもてました。

入浴に関しては、出来ればシャワーで洗い流すのが最善だが、在宅では一人ひとり必ずお湯を変え、浴槽をきれいな状態にしてなら、創傷には入浴は有効だと確認しました。
また、以前から言われていましたがあらためて「炭酸入浴剤」の治療効果はかなり絶大であると聴きました。
会終了後、参加していた訪問入浴のスタッフ達が「絶対にバブを入浴剤の中に取り入れます!!」と言って帰っていきました。
ちなみに、私はマイバブを訪問カバンに入れています。
最初の足浴などに割って入れ、効用を説明して、次回からご家族に用意してもらっていますので、うちの患者さんはかなり確率で炭酸入浴剤を利用されています。

足浴、入浴は炭酸浴効果があるので、ぜひお勧めです。
時々、炭酸入浴剤をお願いすると、炭酸の入っていないやたら緑色とかの入浴剤を用意されたりするご家族がいて、買い換えて頂くのも申し訳ないので、使い切るまでそれを使ったりすることはありますが、やはり炭酸のほうが循環は各段によくなります。

と、長くなってしまったので、今日はここまでにします。

今日は、また寒い夜です。
お風呂で暖まって、もう寝ます。