こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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今日は皮膚科の往診日

2011-03-22 22:39:20 | 訪問看護、緩和ケア
3連休が明けました。
連休中に、あの私の手をずっと握りしめていた患者さんが亡くなりました。

四肢のチアノーゼが出ている状態でしたが、「海を見に行く。」という強い意志と、それを支えるご家族の力で、なんと横須賀の馬堀海岸まで行ってきたそうです。
その前日には訪問入浴で久しぶりの入浴も楽しみ、今日もう一度入る予約をしていました。
残念ながら2度目の入浴はかなわなかったけれど、思い出の海にご家族とともに行かれ、どんな想いで海を見たのでしょうか・・?

海と言うのは、こんなにも優しく私たちを包む存在であるというのに・・

何が、海を魔物に変えるのでしょうか?
黒くうねりながら、死の波で何もかも奪い去ってしまう事もある・・。

未だ混乱する被災地や、制御しきれない原発に怯えながらも、少しずつ前へと進み、東北の人々が再び穏やかな青い海に、癒されることが出来きるよう祈っています。


そして、今日もバタバタと一日を過ごし、夕方からは皮膚科の往診となりました。

介護保険上、訪問看護に診療介助は認められていないので、ご希望の患者さんや、必要と思われる患者さんに対して、うちステーションでは保険外サービスで皮膚科の先生の往診介助をしています。

在宅では、皮膚トラブルは常について回るので、専門医がいるといないとでは大違いです。

いずみ野皮膚科の増田先生は、在宅の患者さんもたくさん診ていて、いつも的確な診断ですぐによくなるので、私たちの強い味方です。

往診の先生をお願いしても、全く連携を取る気のない先生がたとは、一緒にお仕事はできないので、うちのステーションは、本当に恵まれているな、と思っています。

今日の往診は3名です。

いずみ野にある先生のクリニックまでお迎えに行き、事前にお伝えした情報に加え、車の中でだいたいの状況をお話しします。
皮膚トラブルの原因は、家族背景や環境によるところも多く、またいろんな合併症を持っていることが多いため、往復のこの時間はとても大切です。

結局何やかやと診察中にもアクシデントがあり、どんどん時間はたっていき、お薬をもらってステーションに戻ったのが7時近くなってしまいました。

今日の往診のなかで、全身性の発疹が見られる帯状疱疹の患者さんがいました。
半身のみでなく、両上肢や脇腹、陰部臀部大腿部まで広範囲に発疹と水泡があり、汎発性帯状疱疹と診断されました。
99歳のご高齢であり、かなり免疫力が落ちているとのこと。
往診中に尿閉を起こしている事もわかり、途中バルン挿入の間も待っていてくれました。

往診の介助は、単に医師のお手伝いではなく、看護師としての情報提供や今後の治療方針の相談、家族への説明、病変の裏にある問題点なども発見できる大事なチャンスにもなります。

介護保険は在宅療養のためのものなのに、そのへんもわかってもらえないのは残念ですね。

とはいえ、先生とのスケジュールあわせで、早めに診ていただけたので一安心です。

4月は耳鼻科の往診があります。

いろんな専門医に診てもらえるのは勉強になるし、実はすごく楽しい時間でもあります。

もっといろんな科の先生が来てくれるといいのにナ・・。