こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅医療がうける停電の影響

2011-03-14 22:29:33 | 訪問看護、緩和ケア
金曜日に地震があり、明けて4日目。

計画停電の報道で、相鉄線が止まり、スタッフ二人が出勤できませんでした。
(うちの夫も、結局通勤できず・・)

訪問も、電気が使えないと困る人を入れ替えたり、区役所と連絡をとりあったりと、かなりばたばたとした一日でした。
電気が来ないと困る人。

人工呼吸器のかたは、なるべく一時的に入院を勧めているようでした。
うちのステーションは、現在夜間のみNPPVを付けている方が一人だけなので、特に問題はありませんでした。

どうしてもバッテリーが必要な方は、東京電力からの貸し出しも受けられるようです。

在宅酸素は、各酸素会社が利用者に連絡を取り、予備のボンベを補給しています。

カフティポンプは、充電器の電池を交換しているので24時間は大丈夫ですが、たまにAV電源だけで使用している方がいるので、そこの確認だけ必要ですね。

吸引器は、バッテリータイプではないと吸引ができませんので、頻繁な吸引が必要な場合は、バッテリー式の吸引器をレンタルするしかないかもしれません。
この費用は、誰が負担するのでしょうか?

エアマットは、スイッチを切ってすぐに切れるわけではないのですが、あとで停電が終了しても、ケープのものはそのままで再度電源を入れなおさないといけません。

空気が漏れにくいものと、そうでないものがあるので、メーカーに確認する必要があります。

今日心配したのは、頚損の方です。
首から下は自分では全く動かせないのですが、日中は一人なのでもし変な形でエアマットが沈んで、掛物などが顔にかかっても自分ではどうにもなりません。

停電の予定時間前に訪問しました。
ボランティアのかたも来てくれたので、患者さんをリフターで釣り上げ、その間にエアマット(アドバン)を外して無圧布団と入れ替えました。
セッティングを終えてから排便ケアに入り、2時間かかって終わったころに奥さんも心配して戻ってきてくれました。

このかたは、これで計画停電が終了するまで過ごすことになります。(仙骨部の褥瘡が、やっときれいに治ったところなので心配です。)

また、胃瘻の注入をされている方は、ベットを上げて注入中に電気が止まると、今度は下げられなくなります。
朝夕に停電すると、この注入が大変になります。
車椅子に移動して、長時間過ごせる方ばかりではないのです。
半固形化注入であれば、時間調整がもう少し楽かもしれませんが、滴下で注入する場合は、注入から終了してしばらく置くので、1時間から2時間かかる場合もあります。

こういう事が起こって、初めていろんな問題がわかります。

ステーションは、朝から照明も半分以下に落として、計画停電を待ちましたが、肩透かしを食らったように何もなく終わりました。
それでも、はっきりしない報道に振り回され、夜には停電に「なるかも知れないし、ならないかもしれない。」みたいな発表に苛立ちながら、そうそうにステーションを後にしました。

電車が止まることで車の利用が増え、そのためにガソリンは売り切れ、道は渋滞で動かなくなりました。
歩いて通勤する人や、バイクや自転車に乗る人がやたら目立ちます。

電気が使えず、寒さが来ると言う事で、灯油も売り切れ・・。
(私は、たまたま昨日の昼にガソリンや灯油を買っておいたのでラッキーです。)

店はどこも電気を半分以上消して節電体制ですが、困ったのはスーパーがどこも短時間しか営業せず、しかも中身は空っぽでした。
パンや惣菜はもちろん、カップラーメンからスープから、レトルト食品から野菜まで、ものの見事になくなっています。
さらには、トイレットペーパーやティッシュも完売。(オイルショックじゃないんだから・・。)
それから電池。特に単一がありません。
ガスボンベもない。びっくり・・。

流通さえちゃんとしてくれれば、こんなに物がなくなるなんてあり得ないと思うのだけれど・・・。

こうなると、外出ができない独居の方は、何も食べるものがなくなるのじゃないかと・・・。

ベットから立ち上がっては、転倒を繰り替えしてるYさんの担当は、今日は布団を敷いてそこで寝るようにセッティングしました。
停電したら、そこから離れない事をお約束し、懐中電灯を枕元に置いて帰ってきました。

とにかく不安は尽きませんが、こういう経験も必要だと感じました。

それに、東北の人たちの苦しみに比べたら、こんなものなんでもないですよね。

今日もまた、原発がかなり危険な状況を告げています。
赤いランプがくるくる回って、警報音が響き渡っているような情景が目に浮かびます。
本当に怖いです。本当に大丈夫なのか、疑ってしまいます。

とにかく、原発に関しては世界中から専門家を収集して対処してもらいたいですね。