会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1435

2017-05-30 20:43:47 | Weblog
会津八一に関するブログ 350

山鳩・第6首(会津八一) 2013・4・22(月)  解説

 やみ ほそる なが て とり もち まがつひ に 
      もえ たつ やど を いでし ひ おもほゆ

(病み細る汝が手取り持ちまがつひに燃えたつ宿を出でし日思ほゆ)

 昭和20年4月13日、八一ときい子が住む東京目白文化村の家(滋樹園秋艸堂)は空襲で全焼する。疎開のためにきい子が手配(18日発送予定)した荷物も全て燃えてしまう。きい子の手をとって猛火をくぐって逃れ出たその日を八一は思い起こしているのである。

会津八一 1434

2017-05-30 00:20:38 | Weblog
会津八一に関するブログ 349

山鳩・第5首(会津八一) 2013・4・19(金)  解説

 いたづき を ゆきて やわせ と ふるさと の 
     いなだ の かぜ を とめ こし もの を  
  
(いたづきを行きてやわせと故郷の稲田の風をとめこしものを)

 戦火の都ではなく、稲田を吹き渡る風がこころよい故郷の環境に希望を持って親子は疎開した。だが、それも空しくきい子は帰らぬ人になった。「とめこしものを」に八一の深い思いが込められている。