会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 321

2014-04-30 20:32:29 | Weblog
三月堂にて   解説

 びしやもん の おもき かかと に まろび ふす 
                だえ も ちとせ へ に けむ  
                 
         (毘沙門の重き踵にまろびふす鬼のもだえも千年経にけむ)


会津八一 320

2014-04-29 22:44:02 | Weblog
十七日東大寺にて(第2首)  解説

 おほてら の ひる の ともしび たえず とも 
           いかなる ひと か とは に あらめ や  
                 
        (大寺の昼の灯火絶えずともいかなる人か永久にあらめや)


会津八一 319

2014-04-28 20:02:13 | Weblog
十七日東大寺にて(第1首)  解説

 おほてら の ひる の おまえ に あぶら つきて 
              ひかり かそけき ともしび の かず  
                 
            (大寺の昼のお前に油尽きて光かそけき灯火の数)


会津八一 318

2014-04-27 22:07:48 | Weblog
会津八一 鹿鳴集・観仏三昧(二十八首)
 昭和14年10月の作である(28首)。早大文学部芸術科の学生を連れて奈良見学旅行に赴いた時の作で、冒頭に八一はこう記す。「観仏三昧 仏像の研究と鑑賞に専念すといふこと」

十五日二三子を伴ひて観仏の旅に東京を出(い)づ   解説

 やまと には かの いかるが の おほてら に 
             みほとけ たち の まちて いまさむ  
                 
          和にはかの斑鳩の大寺にみ仏たちの待ちていまさむ)


会津八一 317

2014-04-26 20:48:37 | Weblog
法隆寺福生院に雨やどりして大川逞一にあふ  解説

 そうばう の くらき に のみ を うちならし 
            じおんだいし を きざむ ひと かな   

       (僧坊の暗きに鑿をうち鳴らし慈恩大師を刻む人かな)


会津八一 316

2014-04-25 20:01:32 | Weblog
これよりさき奈良の諸刹をめぐる(第2首)  解説

 いかで かく ふり つぐ あめ ぞ わが ともがら 
             わせだ の こら の もの いはぬ まで

   (いかでかく降り継ぐ雨ぞわがともがら早稲田の子らのもの言わぬまで)


会津八一 314

2014-04-23 22:49:09 | Weblog
下山の途中に(第2首)  解説

 あきやま の みち に すがりて しのだけ の
           うぐひすぶゑ を しふる こら かも   
         
          (秋山の道にすがりて篠竹の鶯笛を強ふる子らかも)


会津八一 313

2014-04-23 00:36:27 | Weblog
下山の途中に(第1首)   解説 

  くだり ゆく たに の さぎり と まがふ まで 
            まつ の こずゑ に しろき みづうみ
         
           (下りゆく谷のさ霧とまがふまで松の梢に白き湖)


会津八一 312

2014-04-21 21:25:13 | Weblog
山中にて(第3首) 解説

  かの みね の いはほ を ふみて をのこ やも 
           かく こそ あれ と をたけび に けむ
         
       (かの峰の巌を踏みて男やもかくこそあれと雄叫びにけむ)


会津八一 309

2014-04-18 21:30:26 | Weblog
根本中堂の前に二株の叢竹あり 開山大師が唐の
台岳より移し植うるところといふ(第2首)    解説

 ふたむら の この たかむら を みる なべに 
           たう の みてら を おぼし いで けむ 
 
        (二むらのこの竹群を見るなべに唐の御寺をおぼしいでけむ)


会津八一 308

2014-04-16 23:26:42 | Weblog
根本中堂の前に二株の叢竹あり 開山大師が唐の
台岳より移し植うるところといふ(第1首)   解説

 あき の ひ は みだう の には に さし たらし 
               せきらんかん の たけ みどり なり 

        (秋の日は御堂の庭にさしたらし石欄杆の竹緑なり)


会津八一 307

2014-04-14 21:52:48 | Weblog
十八日延暦寺の大講堂にて(第2首)  解説

 やまでら の よ を さむみ か も しろたへ の
             わたかづき せる そし の おんざう

         (山寺の夜を寒みかも白妙の綿かづきせる祖師の御像)


                明日は休みます。