会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

科学と文章(寺田寅彦)  素空

2012-04-29 23:40:47 | Weblog
 「科学と文学」に関する随筆の中で両者は密接に関連していることを述べ、その中の「科学と文章」で優秀な科学者の書く文章は総じて優れていると展開する。「(優秀な科学者の論文が)内容はいいが文章が下手で晦渋(かいじゅう)でよくわからない」と言うことはほとんどなく、「(科学者の論文が)内容は平凡でも文章がうまいからおもしろい」などと称賛されても、科学者の読者にはちっとも面白くないと言う。
 文章は中身を伴わないと良いものとならないと言うことだろう。そして、以下のように言う。「どうしたら文章がうまくなれるか、という質問を受けることがある。そういう場合に、自分はいつも以上のような答えをするのである。何度繰り返して読んでみても、何を言うつもりなのかほとんどわからないような論文中の一節があれば、それは実はやはり書いた人にもよくわかっていない、条理混雑した欠陥の所在を標示するのが通例である。これと反対に、読んでおのずから胸の透くような箇所があれば、それはきっと著者のほんとうに骨髄に徹するように会得したことをなんの苦もなく書き流したところなのである」
 「読んでおのずから胸の透くような箇所」、なるほど過去の読書で頭に残っているものはそういう箇所である。良い文章に常に接したいと思う。

「人工衛星又はミサイル」失敗   素空

2012-04-16 23:53:40 | Weblog
 発射による被害が出なかったのでほっとしている。宇宙開発が軍事技術開発の側面を持っていることは歴史が示している。「正義」の戦争などと言って人が人を殺める事には反対である。それ故、今回の北朝鮮の行為には絶対に反対である。
 ところが、この発射に対するアメリカの見解は「北朝鮮の挑発行為は地域の安全を脅かし、国際法と最近の合意に違反する」だった。国際法違反なら、アメリカを先頭にした各国のミサイル開発や人工衛星打ち上げは違反ではないかと素朴な疑問がわく。で、調べてみたらこの国際法とは北朝鮮だけに適用される2009年の国連安保理決議1874だった。暴走する北朝鮮に対する当然の中身だが、それなら先進国、先行国のミサイル発射実験や核実験は容認されるのかと大いに疑問である。
 一方的な報道等だけで物事を判断しないように心がけている。その裏に隠された真実もあるはずだ。
 太平洋戦争で日本では300万人以上の人が死に、中国では1000万人以上の人が亡くなった。戦争とはかくも悲惨なことなのだ。