会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 350

2014-05-31 19:53:27 | Weblog
枕頭(ちんとう)(第1首)  解説
     
 いね がて に わが もの おもふ まくらべ の 
          さよ の くだち を とし は いぬ らし 

       (寝ねがてに我が物思ふ枕辺のさ夜のくだちを年はいぬらし)  


会津八一 349

2014-05-30 20:29:57 | Weblog
除夜の銀座に出でて(第2首)   解説
     
 かぎり なく ゆき かふ ひと の いづれ より 
         われ おい けらし みち の ちまた に 

       (限りなく行き交う人のいづれより我老いけらし道の衢に)  


会津八一 348

2014-05-29 20:30:55 | Weblog
除夜の銀座に出でて(第1首)   解説
     
 ちかづけば きみ に います と たち よりて 
          いたはる とも を かなしむ われ は 

        (近づけば君にいますと立ち寄りていたはる友を悲しむ我は)  


会津八一 344

2014-05-24 18:13:05 | Weblog
二十六日山内義雄に導かれて嵯峨に冨田渓仙の遺室を
弔(とむら)ふ(第3首)    解説

 ぶつだん に とぼし たつれば すがすがし 
          あすかぼとけ の たちて います も

       (仏壇に灯火立つればすがすがし飛鳥仏の立ちていますも)  


会津八一 343

2014-05-24 01:10:49 | Weblog
二十六日山内義雄に導かれて嵯峨に冨田渓仙の遺室を
弔(とむら)ふ(第2首)    解説

 ここ にして きみ が ゑがける みやうわう の 
           ほのほ の すみ の いまだ かわかず

        (ここにして君が描ける明王の炎の墨のいまだ乾かず)  


会津八一 342

2014-05-22 20:24:37 | Weblog
二十六日山内義雄に導かれて嵯峨に冨田渓仙の遺室を
弔(とむら)ふ(第1首)   解説

 きうきよだう の すみ の すりかけ さしおける 
           とくおう の ふで さながらに して

      (鳩居堂の墨の磨りかけさし置ける得応の筆さながらにして)  


会津八一 341

2014-05-21 22:35:01 | Weblog
この日修学院(しゆがくいん)離宮を拝す 林泉は後水尾(ごみずのお)法皇の親(みずか)ら意匠して築かしめたまふところといふ  解説

 ばんじよう の そん もて むね に ゑがかしし 
         みその の もみぢ もえ いでむ と す

       (万乗の尊もて胸に描かししみ園の紅葉燃え出でむとす)

会津八一 340

2014-05-19 22:36:23 | Weblog
二十五日大原に三千院寂光院を訪ふ(第2首)  解説

 おほはら の ちやみせ に たちて かき はめど 
            かきもち はめど バス は みえ こず

         (大原の茶店に立ちて柿食めどかき餅食めどバスは見えこず)  

 

会津八一 339

2014-05-18 20:10:34 | Weblog
二十五日大原に三千院寂光院を訪ふ(第1首)  解説

 まかり きて ちやみせ に たてど もんゐん を 
           かたりし こゑ の みみ に こもれる

        (まかり来て茶店に立てど門院を語りし声の耳にこもれる)  


会津八一 338

2014-05-17 20:30:36 | Weblog
東寺の塔頭(たつちゆう)観智院にて  解説

 むかし きて やどりし ひと を はりまぜ の 
         ふるき びやうぶ に かぞへ みる かな

        (昔来て宿りし人を貼り混ぜの古き屏風に数へ見るかな)  


会津八一 337

2014-05-16 21:47:20 | Weblog
この日醍醐を経て夕暮に京都に出で教王護国寺に詣づ 平安の東寺にして空海に賜(たま)ふところなり講堂の諸尊神怪を極む(第2首)   解説

 ひかり なき みだう の ふかき しづもり に 
           をたけび たてる 五だいみやうわう

        (光なきみ堂の深きしづもりに雄叫びたてる五大明王)  


会津八一 336

2014-05-15 21:04:59 | Weblog
この日醍醐を経て夕暮に京都に出で教王護国寺に詣づ 平安の東寺にして空海に賜(たま)ふところなり講堂の諸尊神怪を極む(第1首)  解説

 たち いれば くらき みだう に ぐんだり の 
          しろき きば より もの の みえ くる

        (たち出れば暗きみ堂に軍荼利の白き牙より物の見えくる)