会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1609

2018-09-30 09:18:13 | Weblog
会津八一に関するブログ 818

斑鳩・第7首(会津八一)  2018・9・30(日)

 八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第7首) 解説

  たな の うえ の ちひさき かご の とまりぎ に
               むね おしならべ ねむる はと かな


 鳥好きの八一にとって寄り添って眠る鳩はとてもいとおしい。
 

会津八一 1609

2018-09-29 18:59:42 | Weblog
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斑鳩・第6首(会津八一)  2018・9・29(土)

 八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第6首) 解説

  ももどり の なき かふ みせ の たな の うえ に
                ましろき はと の ただに ねむれる


 ももどり(百鳥。多くの鳥、種々の鳥)が鳴く中で静かに眠る白い鳩を詠む。 

会津八一 1607

2018-09-28 19:04:23 | Weblog
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斑鳩・第5首(会津八一)  2018・9・28(金)

 八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第5首) 解説

  こまどり の なき の まにまに わが とも の
             かがやく まなこ わらわべ の ごと


 第4首と同じ、山口剛が小鳥たちを前にして子供のように目を輝かす姿を詠む。  

会津八一 1606

2018-09-27 21:46:17 | Weblog
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斑鳩・第4首(会津八一)  2018・9・27(木)

 八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第4首) 解説

  ふみ あまた とも は よめれど おほつか の
             とりや に たてば わらわべ の ごと


 大学教授であっても鳥たちの前では子供のような友・山口剛を詠む。そこには八一の温かいまなざしがある。 

会津八一 1605

2018-09-26 18:41:22 | Weblog
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斑鳩・第3首(会津八一)  2018・9・26(水)

 八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第3首) 解説

  いたり つく とりや が みせ の ももどり の
             もろごゑ しぬぎ こま ぞ なく なり


 こま(駒鳥)はスズメ目の小鳥。全長14センチくらい。上面は赤褐色、腹部は白っぽい。ヒンカラカラカラと高い声で美しく鳴く。


会津八一 1604

2018-09-25 21:07:50 | Weblog
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斑鳩・第2首(会津八一)  2018・9・25(火)

 八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第2首) 解説

  みち の べ は なつび てらせる ごこくじ の 
             かど めぐり ゆく おほつかなかまち


 2人は早稲田大学から護国寺横を通って鳥屋に歩いて行ったと思う。

 

会津八一 1602

2018-09-23 18:56:33 | Weblog
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斑鳩・第1首(会津八一)  2018・9・23(日)

 八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第1首) 解説

  とりかご を て に とり さげて とも と わが
             とり かひ に ゆく おほつかなかまち


 友人山口剛(早稲田大学教授・国文学者)と大塚中町へ小鳥を買いに行った時の歌12首。

会津八一 1601

2018-09-22 19:27:54 | Weblog
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鹿鳴集・斑鳩(十二首)(会津八一) 2018・9・22(土)  
         大正十四年八月

 斑鳩 いかるが。珠数掛鳩(じゆずかけばと)をいふ。雀科の鴲(シメ)に似たる一種とする説あるも、作者は採らず。この名につきて従来の国語事典の定義まちまちにて一致せず。中には全く異る二種の鳥の属性を総合して一種として書けるもあり。それにつきて『渾斎随筆』のうちに詳説したり。   (自註鹿鳴集より)   
 
 親友山口剛(早稲田大学教授・国文学者)を誘って小鳥を買いに行った時の作品である。八一の心温かい山口剛へのまなざし、鳥たちへの思いが優しく詠われる。 
 この斑鳩12首は最初、山光集(第2歌集)に収録されていた。
 筆者は山光集例言で“・・・ただ、「斑鳩」は大正十四年八月の作にて、時代としては、まさに『鹿鳴集』に入るべくして脱漏したるものなれば、最近に作れる他の諸篇とやや趣を異にするところもあるべし。”としていたが、後の会津八一全歌集で鹿鳴集に移した。本解説はそののちの自註鹿鳴集を定本としているので、鹿鳴集の斑鳩として取り扱う。

会津八一 1600

2018-09-21 22:42:05 | Weblog
会津八一に関するブログ 809

南京余唱・第42首(会津八一) 2018・9・21(金)
  
 嵐山     解説

  だいひかく うつら うつら に のぼり きて 
          をか の かなた の みやこ を ぞ みる


 大悲閣は嵐山山腹にある黄檗宗の寺、千光寺の山号。南京余唱42首を終わる。

会津八一 1599

2018-09-20 19:07:43 | Weblog
会津八一に関するブログ 808

南京余唱・第41首(会津八一) 2018・9・20(木)
  
 太秦の広隆寺の宝庫にて   解説

  あさひ さす しろき みかげ の きだはし を
            さきて うづむる けいとう の はな


 八一は葉鶏頭を愛し「雁来紅の作り方」という文章がある。雁が飛来してくる秋になると、その葉が美しい紅色に染まるので雁来紅(葉鶏頭)という名がついた。 

会津八一 1598

2018-09-19 23:53:08 | Weblog
会津八一に関するブログ 807

南京余唱・第40首(会津八一) 2018・9・19(水)
  
 鹿の鳴くをききて(第2首)    解説 

  しか なきて なら は さびし と しる ひと も 
          わが もふ ごとく しる と いはめ や も


 古都奈良への哀傷を詠う。

会津八一 1597

2018-09-17 19:29:39 | Weblog
会津八一に関するブログ 806

南京余唱・第39首(会津八一) 2018・9・17(月)
  
 鹿の鳴くをききて(第1首)   解説

  しか なきて かかる さびしき ゆふべ とも 
            しらで ひともす なら の まちかど


 もの悲しい鹿の鳴き声を詠んだ。八一の奈良への哀傷、寂寥感があふれている。

       (明日第3火曜日は休みます) 

会津八一 1596

2018-09-16 20:56:28 | Weblog
会津八一に関するブログ 805

南京余唱・第38首(会津八一) 2018・9・16(日)
  
 東大寺の某院を訪ねて   解説

  おとなへば そう たち いでて おぼろげに 
           われ を むかふる いしだたみ かな


 某院は観音院、上司海雲住職よりサロンが開かれ、八一や入江泰吉、杉本健吉など多くの文化人が出入りした。 

会津八一 1595

2018-09-15 19:07:09 | Weblog
会津八一に関するブログ 804

南京余唱・第37首(会津八一) 2018・9・15(土)
  
 奈良の町をあるきて   解説

  まち ゆけば しな の りはつ の ともしび は 
              ふるき みやこ の つち に ながるる


 長い歴史を持つ奈良、ひっそりとした中国人の床屋の灯火、思い描いてみると何とも言えない情感がある。