会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1002

2016-02-29 21:54:01 | Weblog

会津八一 香薬師の歌 (全11首)

奈良の新薬師寺を思ひいでて(第1首)    解説 

 すめろぎ の おほき めやみ を かしこみ と 
             とほき きさき の たてましし てら

         (すめろぎの大き眼やみをかしこみと遠き后の建てましし寺)

会津八一 1001

2016-02-26 22:35:58 | Weblog
会津八一 香薬師の歌 (全11首)

香薬師を拝して(第2首)        解説

 ちかづきて あふぎ みれども みほとけ の 
            みそなはす とも あらぬ さびしさ

     (近づきて仰ぎ見れどもみ仏のみそなはすともあらぬ淋しさ)


     明日明後日(27~28日)は休みます 

会津八一 1000

2016-02-25 21:04:59 | Weblog
会津八一 香薬師の歌 (全11首)

香薬師を拝して(第1首)    解説 

 みほとけ の うつらまなこ に いにしへ の 
             やまとくにばら かすみて ある らし

         (み仏のうつら眼にいにしへの大和国原かすみてあるらし)

会津八一 999

2016-02-25 00:57:17 | Weblog
会津八一 香薬師の歌 (全11首)

高畑にて(第2首)    解説

 かうやくし わが をろがむ と のき ひくき 
           ひる の ちまた を なづさひ ゆく も

            (香薬師わが拝むと軒低き昼の巷をなづさひ行くも)


会津八一 998

2016-02-23 22:59:15 | Weblog
会津八一 香薬師の歌 (全11首)

高畑にて(第1首)            解説

 たびびと の め に いたき まで みどり なる
             ついぢ の ひま の なばたけ の いろ

          (旅人の目に痛きまで緑なる築地の隙の菜畑のいろ)


会津八一 997

2016-02-22 19:29:44 | Weblog
会津八一 香薬師の歌
 奈良に最初に建立された八一の歌碑(新薬師寺)は香薬師の歌である。この像を詠んだ歌は11首ある。香薬師像は盗まれて今はない。新薬師寺や早稲田大学、その他にレプリカはある。過日、早大文学部を訪れ、レプリカの撮影を許可してもらい、素空(SURUME)の手で木彫りの像を作って自宅に置いてある。
 11首の解説を順次アップする。
                                 
1 高畑にて(第1首)
         たびびと の め に いたき まで みどり なる
                  ついぢ の ひま の なばたけ の いろ     
2 高畑にて(第2首)
         かうやくし わが をろがむ と のき ひくき 
                  ひる の ちまた を なづさひ ゆく も           
3 香薬師を拝して(第1首)
         みほとけ の うつらまなこ に いにしへ の 
                  やまとくにばら かすみて ある らし        
4 香薬師を拝して(第2首)         
         ちかづきて あふぎ みれども みほとけ の 
                  みそなはす とも あらぬ さびしさ        
5 奈良の新薬師寺を思ひいでて(第1首)
         すめろぎ の おほき めやみ を かしこみ と 
                  とほき きさき の たてましし てら           
6 奈良の新薬師寺を思ひいでて(第2首)
         みほとけ は いまも いまさば わがため に 
                  まなこ すがしく まもらせ たまへ        
7 三月二十八日報ありちか頃その寺に詣でて拝観するに香薬師像のたちまち
  何者にか盗み去られて今はすでにおはしまさずといふを聞きて詠める(第1首)
         をろがみて きのふ の ごとく かへり こし 
                  みほとけ すで に なしと いはず やも         
8 三月二十八日報ありちか頃その寺に詣でて拝観するに香薬師像のたちまち
  何者にか盗み去られて今はすでにおはしまさずといふを聞きて詠める(第2首)
         みほとけ は いかなる しこ の をのこら が 
                  やど にか たたす ゆめ の ごとく に         
9 三月二十八日報ありちか頃その寺に詣でて拝観するに香薬師像のたちまち
  何者にか盗み去られて今はすでにおはしまさずといふを聞きて詠める(第3首)
         みほとけ は いまさず なりて ふる あめ に 
                  わが いしぶみ の ぬれ つつ か あらむ
10 三月二十八日報ありちか頃その寺に詣でて拝観するに香薬師像のたちまち
  何者にか盗み去られて今はすでにおはしまさずといふを聞きて詠める(第4首)
         いでまして ふたたび かへり いませり し 
                  みてら の かど に われ たちまたむ       
11 三月二十八日報ありちか頃その寺に詣でて拝観するに香薬師像のたちまち
  何者にか盗み去られて今はすでにおはしまさずといふを聞きて詠める(第5首)
         かどのへ の たかまどやま を かれやま と 
                  そう は なげかむ こゑ の かぎり を 

会津八一 996

2016-02-21 20:32:41 | Weblog
寒燈集以後・鐘銘(一首)   昭和三十年十一月 

鐘  銘
「四国の八栗寺の依頼で鐘銘のため、歌と詞書きを作り、鋳造のために揮毫した。しかし、完成を見ずに昭和31年11月21日、この世を去ることになる。八一最後の1首である」          解説

五剣山八栗寺の鐘は戦時供出し空しく十余年を経たり今ここに昭和三十年十一月龍瑞僧正新に之を鋳(い)むとし余に歌を索(もと)む乃ち一首を詠じて之を聖観世音菩薩の宝前に捧ぐその歌に曰く

 わたつみ の そこ ゆく うを の ひれ に さへ 
            ひびけ この かね のり の みため に

         (わたつみの底ゆく魚の鰭にさへ響けこの鐘法のみために)  


 上記にて会津八一の歌の解説は終える。明日からは八一に関連するものを
ランダムに取り上げる。

会津八一 995

2016-02-20 20:05:00 | Weblog
寒燈集以後・新年同詠船出応制歌(一首)
       昭和二十八年二月五日  宮中歌会始の儀に際しての召歌 

新年同詠船出応制歌
「昭和28年1月の歌会始に召人として詠んだ歌。この年の題は船出だった。敗戦の苦難を乗り越える悲願をこめた歌である」     解説  

 ふなびと は はや こぎ いでよ ふき あれし 
           よひ の なごり の なほ たかく とも

        (船人ははや漕ぎいでよ吹き荒れし宵の余波のなほ高くとも)  

会津八一 994

2016-02-19 20:06:59 | Weblog
菊久栄(一首)
        昭和二十七年十一月一日
        皇太子が立太子の礼を行はせらるるを祝ひての献歌 

菊  久  栄
  「立太子の礼を行って皇太子を正式に定めた昭和27年11月1日、
   祝いの歌を詠んだ」
                                        
1 菊久栄     解説

     しらぎく は か に こそ にほへ ひのもと の 
              ひつぎ の みこ は いや さかえ ませ

     (白菊は香にこそ匂へ日の本の日嗣の皇子はいや栄えませ)

会津八一 990

2016-02-14 23:13:40 | Weblog
山歌(第1首)       解説

昨秋天皇陛下この地に巡幸したまひし時県吏まづ来りて予にもとむるに良寛禅師に関する一席の進講を以てす予すなはちこれを快諾したるも期に及びてにはかに事を以てこれを果すことを得ず甚だこれを憾(うら)みとせり今その詠草を筐底(きょうてい)に見出でてここに録して記念とす       

 さと の こ と てまり つき つつ あそびたる 
           ほふし が うた を きこえ まつらむ

      (里の子と手まりつきつつ遊びたる法師が歌を聞こえまつらむ)  


会津八一 989

2016-02-13 20:12:59 | Weblog
    会津八一 寒燈集以後・山歌(四首)      昭和二十三年一月

山     歌
「昭和22年10月7日、昭和天皇の新潟行幸の時、県から天皇への御進講の依頼が會津八一、小杉放菴、佐藤耐雪、佐々木象堂、斎藤秀平の五氏にあった。しかし、人選や方法に問題があり八一は辞退する。その時に御進講のために用意した良寛のことを詠い、後に発表した4首が山歌である」

1 山歌(第1首)
   昨秋天皇陛下この地に巡幸したまひし時県吏まづ来りて予にもとむるに
   良寛禅師に関する一席の進講を以てす予すなはちこれを快諾したるも
   期に及びてにはかに事を以てこれを果すことを得ず甚だこれを憾(うら)み
   とせり今その詠草を筐底(きょうてい)に見出でてここに録して記念とす
     さと の こ と てまり つき つつ あそびたる 
                 ほふし が うた を きこえ まつらむ
2 山歌(第2首)
     やまかげ の ほふし が うた も きこし めせ 
                 くに みそなはす たび の かたみ に
3 山歌(第3首)
     あしびきの やま の ほふし が ふるうた の 
                 ひびき すがし と よみし たまはむ
4 山歌(第4首)
     ほほゑみて きこし めしぬ と とこよべ に 
                  ほほゑむ らし も いにしへ の ひと