会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1581

2018-08-31 19:01:52 | Weblog
会津八一に関するブログ 789

南京余唱・第24首(会津八一) 2018・8・31(金)
  
 またある日(第2首)  解説

  いにしへ に わが こふ らく を かうべ に こ 
             おほさか に こ と しづこころ なき


 大阪の親友・伊達、神戸の昔の恋人・渡辺文子、彼らの誘いは嬉しい事である。

会津八一 1580

2018-08-30 19:16:45 | Weblog
会津八一に関するブログ 788

南京余唱・第23首(会津八一) 2018・8・31(木)
  
 またある日(第1首)    解説

  あまごもる なら の やどり に おそひ きて 
             さけ くみ かはす ふるき とも かな  


 この友は伊達利光。八一は若き日この友に恋の悩みを語っている。
伊達は早大卒業後、大阪毎日新聞社に入り、後にNHK大阪放送局の文化部長になって関西文化事業に貢献する。ヨーロッパの絵画の解説書やトルストイの「戦争と平和」の翻案本などがある。会津八一の伊達に宛てた書簡類は600通にのぼる。

会津八一 1579

2018-08-30 00:12:44 | Weblog
会津八一に関するブログ 787

南京余唱・第22首(会津八一) 2018・8・29(水)
  
 奈良のやどりにて    解説

  かすがの の よ を さむみ か も さをしか の 
             まち の ちまた を なき わたり ゆく


 八一の奈良の常宿・日吉館で鳴く鹿を詠む。日吉館は老朽化を理由に2009年に取り壊された。残念なことだ。

会津八一 1578

2018-08-28 20:43:52 | Weblog
会津八一に関するブログ 786

南京余唱・第21首(会津八一) 2018・8・28(火)
  
 春日野にて     解説

  かすがの の しか ふす くさ の かたより に 
          わが こふ らく は とほ つ よ の ひと


 八一が「恋焦がれた遠き世の人達」を詠う。

会津八一 1577

2018-08-27 19:25:20 | Weblog
会津八一に関するブログ 785

植田重雄先生4 2018・8・27(日)
  
 先生は短歌同人誌「淵」(1959年創刊)編集発行していた。それを送って下さり、歌作りを進め、さらに郷土誌のようなものを書けと勧められた。どちらも素養がなかったので期待に応えることはできなかった。
 1976年5月に出版された先生の著書「神秘の芸術 リーメンシュナイダーの世界」( 新潮選書)を紹介により購入したが、それも難しかった。

 先生の手紙
「 御健勝と存じます。大兄も大分暇が出来たようですし、人生、自己、自然をじっくり見つめ直し、歌を詠むことをすすめます。
 自己が何を見つめるか、何を納得するかがポイントです。日記代わりの二行詩のつもりで詠んでごらんなさい。待っています。
                              植田重雄
  服部素空大兄

会津八一 1576

2018-08-26 18:42:48 | Weblog
会津八一に関するブログ 784

南京余唱・第20首(会津八一) 2018・8・26(日)
  
 奈良博物館即興(第4首)   解説

  のち の よ の ひと の そへたる ころもで を 
                かかげて たたす ぢこくてんわう


 ぢこくてんわう(持国天王)は仏教の守護神・四天王の一つ、東方世界を守り、特に仏法を守る。  

会津八一 1575

2018-08-25 18:56:43 | Weblog
会津八一に関するブログ 783

南京余唱・第19首(会津八一) 2018・8・25(土)
  
 奈良博物館即興(第3首)    解説

  ガラスど に ならぶ 四はう の みほとけ の 
            ひざ に たぐひて わが かげ は ゆく


 この歌を想いながら奈良博物館を歩いたことがある。

会津八一 1574

2018-08-24 19:24:01 | Weblog
会津八一に関するブログ 782

南京余唱・第18首(会津八一) 2018・8・24(金)
  
 奈良博物館即興(第2首)   解説

  あせたる を ひと は よし とふ びんばくわ の
             ほとけ の くち は もゆ べき ものを


びんばくわ
「頻婆果。頻婆という蔓草の果実。鮮やかな紅色なので、仏典で仏や女性の唇など紅色のものの形容に用いられる」

会津八一 1573

2018-08-23 20:24:49 | Weblog
会津八一に関するブログ 781

南京余唱・第17首(会津八一) 2018・8・23(木)
  
 奈良博物館即興(第1首)   解説

  たなごごろ うたた つめたき ガラスど の 
           くだらぼとけ に たち つくす かな


 209.4cmの細身の百済観音、その前から立ち去りがたいのは誰もが同じであろう。

会津八一 780

2018-08-22 20:03:31 | Weblog
会津八一に関するブログ 780

植田重雄先生3 2018・8・22(水)
  
 ある出版社に就職試験を受けに行った時、高卒で病弱だったので実家にいたと履歴を提出したら、編集部は無理だと言われた。仕方がないので大学名を言い、植田先生の名前も出した。先生とは1年生の時しか接触はなかったのだが。
 すぐに電話を調べて植田先生に事情を話し、問い合わせがあったらお願いしますと言ったら快諾してくださった。ドイツ語テストに続く二つ目の恩である。ほとんど接触がなかったのにこの時、恩師と呼ぶことになった。

会津八一 1571

2018-08-20 19:30:12 | Weblog
会津八一に関するブログ 779

南京余唱・第16首(会津八一) 2018・8・20(月)
  
 豊浦にて     解説
 
  ちよろづ の かみ の いむ とふ おほてら を 
           おして たて けむ この むら の へ に


 仏教伝来当時、蘇我氏と物部氏が仏教をめぐって争った当時を回顧して詠んだ。

        (明日第3火曜日は休みます

会津八一 1570

2018-08-19 23:18:06 | Weblog
会津八一に関するブログ 778

南京余唱・第15首(会津八一) 2018・8・19(日)
  
 聖林寺にて    解説
 
  あめ そそぐ やま の みてら に ゆくりなく 
            あひ たてまつる やましな の みこ 


 偶然会った山階宮の皇子を詠う。奈良・聖林寺の十一面観音は素晴らしい。ぜひ、一度見に行って欲しい。


会津八一 1569

2018-08-18 19:12:22 | Weblog
会津八一に関するブログ 777

植田重雄先生2 2018・8・18(土)
  
 真面目に授業を受けなかったので未だにドイツ語は分からないが、1年の学期末試験の前に大怪我をして何日も入院した。退院した翌日がドイツ語のテストだったが全くわからない。答案用紙の裏に「大怪我をしたのでわかりません」と書き、白紙で提出したら可をくださった。
 思想的には相いれないものがあったのに合格をもらえたことは大きな思い出である。
 授業中はいつも真面目で笑顔を見たことがなかったが、心の広い人だったことは間違いない。

会津八一 1568

2018-08-17 22:44:32 | Weblog
会津八一に関するブログ 776

南京余唱・第14首(会津八一) 2018・8・17(金) 
 
 山田寺の址にて(第2首)    解説

  やまでら の さむき くりや の ともしび に 
            ゆげたち しらむ いも の かゆ かな


 山田寺跡には見逃してしまいそうな小さな寺がある。2003年、友人たちと訪れたことがある

会津八一 1567

2018-08-16 19:05:47 | Weblog
会津八一に関するブログ 775

南京余唱・第13首(会津八一) 2018・8・16(木)
  
 山田寺の址にて(第1首)    解説

    
  くさ ふめば くさ に かくるる いしずゑ の 
          くつ の はくしや に ひびく さびしさ


 中国大陸へ行く予定の八一は乗馬の練習をしていた。