会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 265

2014-02-28 21:25:41 | Weblog
越後の中頸城(なかくびき)に住めるころ(第3首)  解説

 よるべ なく おい に し ひと か やまかげ の 
           をだ の はすね を ほり くらし つつ

       (寄る辺なく老いにし人か山影のを田の蓮根を掘り暮らしつつ)




会津八一 264

2014-02-27 21:12:42 | Weblog
越後の中頸城(なかくびき)に住めるころ(第2首) 解説

 さよ ふけて かど ゆく ひと の からかさ に 
          ゆき ふる おと の さびしく も あるか

        (さ夜更けて門行く人のからかさに雪降る音の淋しくもあるか)


会津八一 263

2014-02-26 22:19:22 | Weblog
越後の中頸城(なかくびき)に住めるころ(第1首)  解説

 むらびと が とがま とり もち きそひ たつ 
          あした の はら に きり たち わたる

          (村人が利鎌取り持ち競ひたつ朝の原に霧立ちわたる)


会津八一 261

2014-02-24 21:38:44 | Weblog
会津八一 鹿鳴集・旅愁(十九首)
            明治四十年より大正十五年一月に至る

 早稲田大学文学部英文科を卒業し、新潟県中頸城郡(なかくびきぐん)板倉村(現上越市板倉区)の有恒学舎(現県立有恒高等学校)に英語教師として赴任した翌年明治40年(1907年)から大正15年(1926年)までの旅の歌である。作者27~46歳までの作品を明日から紹介する。



会津八一 260

2014-02-21 20:35:08 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第12首) 解説

 こがくれて なけや いかるが あす より は
         はた の はて なる ひと も きく がに

       (木隠れて鳴けや斑鳩明日よりは畑の果てなる人も聞くがに)  


                          斑鳩12首・完

                     明日明後日は休みます

会津八一 259

2014-02-20 22:38:21 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第11首)  解説

 おちあひ の のなか の もり の ひとつや に
          さげて わが こし かご の いかるが

         (落合の野中の森の一つ家に提げて我が来し籠の斑鳩)  


会津八一 258

2014-02-19 23:29:12 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第10首)  解説

 ふろしき に つつめる かご の とまりぎ に
           かそけき あのと きき の よろしき

     (風呂敷に包める籠の止まり木にかそけき足の音聞きのよろしき)  


会津八一 257

2014-02-17 22:40:49 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第9首)   解説

 こまどり は きみ が まにまに この はと を
         おきて かふ べき とり も しら なく に

      (駒鳥は君がまにまにこの鳩を置きて飼うべき鳥も知らなくに)
 

               (明日は休みます)


会津八一 256

2014-02-17 00:03:40 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第8首)  解説

 わが こふる おほき みてら の な に おへる
         とり の いかるが これ に し ありけり

      (我が恋うる大きみ寺の名に負へる鳥の斑鳩これにしありけり)  


会津八一 255

2014-02-16 00:55:16 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第7首)  解説

 たな の うえ の ちひさき かご の とまりぎ に
            むね おしならべ ねむる はと かな

         (棚の上の小さき籠の止まり木に胸押し並べ眠る鳩かな)  


会津八一 254

2014-02-15 00:07:33 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第6首)   解説

 ももどり の なき かふ みせ の たな の うえ に
             ましろき はと の ただに ねむれる

          (百鳥の鳴き交ふ店の棚の上に真白き鳩のただに眠れる)  


会津八一 253

2014-02-12 21:46:43 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第5首)  解説

 こまどり の なき の まにまに わが とも の
            かがやく まなこ わらわべ の ごと

          (駒鳥の鳴きのまにまに我が友の輝く眼童部のごと)  


会津八一 252

2014-02-11 22:19:48 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第4首)  解説

 ふみ あまた とも は よめれど おほつか の
           とりや に たてば わらわべ の ごと

         (文あまた友は読めれど大塚の鳥屋に立てば童部のごと)  


会津八一 251

2014-02-10 20:43:26 | Weblog
八月二十三日友人山口剛を誘いて大塚に小鳥を買ふ(第3首)  解説

 いたり つく とりや が みせ の ももどり の
          もろごゑ しぬぎ こま ぞ なく なり

        (至り着く鳥屋が店の百鳥も諸声しぬぎ駒ぞ鳴くなり)