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汚染水「一回流せば、除染はできない」と漁民の悲痛な叫び。「閣議決定だから」と、漁民との約束を反故にする東電。そして海洋放出に1200億円!

2023-08-10 22:33:48 | 人権、環境

(ウネリウネラより)

【原発事故汚染水の海洋放出】一人の漁師の思い

【原発事故汚染水の海洋放出】一人の漁師の思い

【原発事故汚染水の海洋放出】一人の漁師の思い

 東京電力福島第一原発事故によって発生している汚染水について、海洋放出に反対する市民団体は7月23日、福島県郡山市内で政府(原子力規制庁)・東電と交渉を行いました。...

ウネリウネラ

 

 東京電力福島第一原発事故によって発生している汚染水について、海洋放出に反対する市民団体は7月23日、福島県郡山市内で政府(原子力規制庁)・東電と交渉を行いました。筆者にとって最も印象深かったのは、同県新地町の漁師、小野春雄さんが「海に流さないでください」と何度も何度も頼んでいたことです。

 話し合いは3時間ほど続きました。会議室の最前列に座った小野さんは、時折マイクを握り、自分の思いを切々と語りました。その言葉をまとめて紹介します。

新地町の漁師、小野春雄さんの話

あんたたちはいいですよ。30年後、40年後、どうなってるか分かんないんだから。自分たちは異動もできるし、辞めることもできるけども。事業者とかここにいる皆さんは、福島県を捨てることができないんですよ。漁業者は特別、海を離れることができないんですよ。仕事場だから。現実これだけの肉体的苦痛、精神的苦痛。岸田総理大臣に聞いてもらいたいですよ。本当に。われわれの声を。

 前回の集まり(7月18日に行われた相馬双葉漁協と政府との意見交換会)で私が不思議に思ったのは、トリチウム水のタンクが満杯になっていると。そしてトリチウムってのは何年かたてばだんだん減っていくと。ほんだったら流す必要ないでしょ!

 集まりに出てた女の人が「飲み水にしたらいいべ」とか結構厳しいことを言ったんですよ。そしたら、経産省は「私は飲んでもいいんだが、法律上、飲むことはできない」と言ったんですよ。これ、どうなってんだか。飲むことはできるけど法律上だめって矛盾してるよね。本人は飲んでもいいんだって。でも法律上は飲んでもだめなんだって。そういう答えだったんですよ。

 トリチウムはだんだん減ってくんだったら流す必要ないというのと同じで、矛盾だらけなんですよ。意味がわかんないんですよ。これはどういうことなんだか。答えを知っている人にわたし聞きたいんですよ。

   ◇

 この問題の原因はなにかっつうと、一番の原因をつくったのは麻生さんなんですよ。麻生さんがなんつったか言ってくださいよ。元総理大臣の麻生さんはなんつったの、あんとき? 飲んでもだいじょぶじゃねって言わなかった? あんとき。それが気になってんでしょ。

 子どもたちがまちがって飲んだらどうすんですか? 国はどっちの味方なんですか? 国が大事に思うのは国民でしょ? 守るべきは。子どもが勘違いして飲む可能性だってあるわけですよ。これはわかんないとこだね。根本的にこの原因をつくったのは麻生大臣ですよ。麻生大臣に謝ってもらいたいですよ。だから飲んだらいいべとか風呂にしたらいいべとか、話が出てくるわけだべ。国家の元の総理大臣がそういうこと言ったでしょって。飲んでもいいとか。国のトップが言える問題じゃないでしょ! われわれ福島県民を馬鹿にしてますよ。ほんとに。

   ◇

 われわれは一生懸命になって、死に物狂いではたらいてんですよ。今後のためにと思って。こんな暑いのに。漁師は命がけでがんばってんですよ。倒れた人だっているんですから。漁師は魚を獲りたかったら本気になるんですよ。日射病で倒れた人もいるんですよ。3年前に亡くなっている人もいるんですよ。そういうふうに一生懸命仕事してるんですよ。われわれは。生活のために。今後のために。未来を夢見て。

 これを流したら、未来がないでしょ? どうするんですか! 我々にやめろってことですよ。海に流すっつうのは。われわれを守ってくださいよ。いちばん守るべきはわれわれでしょ? 方法がないんだったら、わたしだって理解しますよ。方法があるでしょ? いろいろな方法、おれは何度も言ってるでしょ。

   ◇

 いちばん大事なのは、「夏頃」っつうけど、いまは夏でしょ? いま春? 冬? 小学生も夏休み入ったでしょ? この前も官房長官が「夏」って限定してたけど、なんで夏って限定するんですか? われわれにとって一番大事なのは消費者なんですよ。消費者が納得するなら、われわれは文句言わないですから。関係者ってわれわればっかでないですよ。われわれは獲ってくるだけ。消費者の方が福島県の魚はいらないと言ったら、われわれ獲る必要なくなるでしょ。関係者ってのは、海外も含めて消費者でしょ。みんなが納得して流せば福島県の魚だって買うんですよ。納得してなけりゃ買わないでしょ。

 国のトップの官房長官が夏頃だなんて、なんで限定するんですか? いちばん肝心なのは、一度立ち止まって、皆さんの話を聞くことでしょ。

 関係者が話し合って、納得したんだったら、トリチウムを流させてくださいと。ここに総理大臣も来て土下座でもして、流さしてくださいっつうんだったら分かっけんども、現場にこなくて何が分かるんですか? あんたたちにここで言ったことが全部あがってくならいいですよ、絶対あがっていかないでしょ?

 現場の声わかんないでしょ。岸田総理大臣は。

   ◇

 私はずっと魚を獲ってきたんですよ。海については100%答えられるけっど、放射能については答えることできないですよ。私はお願いしてるんだから。お願いしてるんだから、どうぞ。海は、一回汚せば、除染はできないし、われわれだけじゃなくて子子孫孫に多大な迷惑がかかるんだから。ほんとに。隣の宮城県だって、もう風評被害が始まってるっていうんだから。実害ですよ。

   ◇

 ほんとにお願いしたいのは、ね、岸田さんが「待ったなし」って。なにが「待ったなし」なんだか。「待った」はあるんです。いっかいほんとに立ち止まって、冷静に考えれば、子どもでも分かるんです。答えが。

 流せば、福島県がなくなる可能性もありますよ。福島県を捨てるんですか? 

 自分は放射能を知らなかった。これはね、自分も悪かった。ただ、いま流せば、またとんでもない事態が起きますよ。これ、あわてちゃだめですよ。冷静に考えて、いちど立ち止まって、「待ったなし」なんて、岸田総理は「私の判断で」なんて言わないで、冷静に考えれば子どもでも分かるんです。海に流しちゃだめだっつうことは。

 どうか、お願いします。海に流さないでください。

(ウネリウネラより)

ALPS処理後も残るトリチウム以外の核種

実際にはALPSで処理した後にもトリチウム以外の核種が残ります。では、どんな核種がどのくらい残っているのでしょうか?

 東京電力は、無数にあるタンクのうち、「K4」「J1-C」「J1-G」の3タンク群(パイプでつながったタンク)について、汚染水中の核種を詳しく測定しました。測定対象にしたのは、残っている可能性があるとされる64の核種です。

 東電が2021年11月に作成した報告書から、3タンク群のうち「K4」の測定結果の一部を紹介します。※「K4」タンク群にあるのは、ALPSでの処理が終わり、海水で薄めて海に放出する直前の汚染水です。

核種の名まえ 濃度(1㍑あたり) 年間排水量 年間放出量
トリチウム 19万㏃ 1億2千万㍑ 22兆㏃
炭素14 15㏃ (同上) 17億㏃
マンガン54 0.0067㏃ (同上) 78万㏃
コバルト60 0.44㏃ (同上) 5100万㏃
ストロンチウム90 0.22㏃ (同上) 2500万㏃
テクネチウム99 0.7㏃ (同上) 8100万㏃
カドミウム113m 0.018㏃ (同上) 210万㏃
ヨウ素129 2.1㏃ (同上) 2億4千万㏃
セシウム137 0.42㏃ (同上) 4900万㏃
プルトニウム239 0.00063㏃ (同上) 7万3千㏃

 (東京電力の「多核種除去設備等処理水(ALPS 処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)」を基に筆者作成)

表の左側はK4タンク汚染水中の「濃度」です。トリチウムよりも薄いとはいえ、他の核種も含まれていることが分かります。

 次に、表の右端にある「年間放出量(㏃、ベクレル)」を見てください。政府・東電の計画ではトリチウムの年間放出量の上限は「22兆㏃」です。トリチウムを上限いっぱいまで放出する場合、総放水量は1億2千万㍑となり、トリチウムと一緒にほかの核種も海に流されることになります。その量が示されています。

 骨に集積すると言われる「ストロンチウム90」が2500万㏃、半減期が1570万年の「ヨウ素129」が2億4千万㏃、「炭素14」が17億㏃、「セシウム137」が4900万㏃、「プルトニウム239」が7万3千㏃・・・。濃度はどうあれ、さまざまな放射性核種が海に流されることが分かります。

しかも「総量」が分からない

 深刻なのは「放出される核種の総量が分からない」ことです。東電が現時点で64核種を測っているのは「K4」を含む3タンク群のみでした。他のタンク群はセシウム137などの主要7核種しか測っていないようです。

 たとえば「K4」にあるタンクは合計35基です。福島第一原発の敷地内には1000基を超えるタンクがあるはずなので、現時点で64核種が測定できているのは、林立するタンクのうちのごく一部だということになります。

 「K4」など3タンク群以外の汚染水については、実際に放出する2カ月前にトリチウムとその他の核種を測る計画だと言われています。つまり、放出する核種の最終的な総量は海洋放出が終わる2カ月前にならないと判明しない、ということです。

当初の「34億円」から「1200億円」にふくれあがっている汚染水海洋放出費用

【原発事故汚染水の海洋放出】結局いくらかかるのか? 青天井の放出コスト

処理水放出に430億円 福島第1原発 東電見通し

 東京電力は12日、福島第1原発の処理水海洋放出の関連費用が、2021~24年度の4カ年で計約430億円に上る見通しだと明らかにした。費用全体の見積もりを示すのは初めて。

この時点で2016年当時の試算から約10倍になっています。

 しかし海洋放出に伴う費用は”本体工事”だけではありません。

 主な出費は、経産省がつくった2つの基金です。

基金①「ALPS処理水(『汚染水』)の海洋放出に伴う需要対策基金」:300億円

テレビCMなどの海洋放出PR事業を行う(30億円)。また、海洋放出後の需要減に備え、水産業者に対して、水産物の一時買い取りや事業資金の借り入れを支援する(270億円)。

基金②「ALPS処理水(『汚染水』)の海洋放出に伴う影響を乗り越えるための漁業者支援基金」:500億円

全国の漁業者に対して「新しい漁具の購入経費」「燃油コスト削減に向けた取り組み」「省エネ機器の導入」などを支援する。

 本体工事だけでなく、テレビCMなどの広報事業と漁業者支援のために合計800億円が投じられることになります。基金①は直接の「売り上げ減」対策になっていますが、基金②はごく一般的な漁業者支援です。原油価格の高騰などで全国の漁業者が打撃を受けているのは間違いありませんが、海洋放出の問題と絡めて支援するところに疑問を感じます。

 この800億円、正確に言えば広報事業の30億円をのぞいた770億円は、海洋放出に反対する漁業者たちへの「懐柔策」と言えるでしょう。

 これら2つの基金だけではありません。経済産業省は他にもいろいろな政府予算が「海洋放出のために使える」と言っています。政府会議の資料をもとに、その一例を紹介します。

原子力災害等情報発信事業費補助金(1.9億円)

原子力災害伝承館における理解醸成活動を支援

風評(『正当な不安』)払拭・リスクコミュニケーション強化対策(20億円)

風評(『正当な不安』)の払拭、ALPS処理水(『汚染水』)に対する理解醸成、諸外国・地域における日本産品に対する輸入規制撤廃などのための国内外への情報発信

水産業復興販売加速化支援事業(40.5億円)

福島県をはじめとした被災地域における水産加工業の販路回復を促進する取り組みなどを支援

被災地次世代漁業人材確保支援事業(7億円)

漁業の新規就業者への長期研修や漁船・漁具の導入支援について、福島県に加え近隣県でも実施できるよう対象地域を拡大

ブルーツーリズム推進支援事業(2.7億円)

ALPS処理水(『汚染水』)の海洋放出による風評(『正当な不安』)への対策として、岩手県から茨城県における海の魅力を高めるブルーツーリズムの推進のための取り組みを支援

 ごく一例を挙げました。詳しくは政府の資料を読んでください。

ALPS処理水の処分に伴う施策について(「行動計画」に対応した各省庁の政府予算案等の概要)

 これらの事業がすべて「海洋放出のため」というわけではないでしょう。だから「合計でいくら」という表現はできませんが、800億円を超える予算を使って政府が海洋放出をプッシュしようとしているのは明白だと思います。

ふりだしに戻って考えるべきでは……

 原発事故汚染水の海洋放出にかかる費用は、現時点では以下になります。

東電による本体工事(437億円)+広報/漁業者支援の基金(800億円)+その他の政府予算

 海洋放出案は当初、「34億円」という触れ込みで世に出てきました。それがいつの間にか「1200億円」を超える大出費になっています。  
これからさらに増えることも考えられるでしょう。

 こうなってしまうと、セメントなどで固めて埋める「地下埋設」と費用面であまり変わらない状況になります。本当に海洋放出しか方法はないのか、もう一度ふりだしに戻って考えるべきだと思います。

 

(おしどりポータルサイトより)

【ALPS処理水】「漁業者の理解なくして放出なし」閣議決定なので東電と漁連の約束は反故に!?

【ALPS処理水】「漁業者の理解なくして放出なし」閣議決定なので東電と漁連の約束は反故に!?

「漁業者、関係者の理解なしに、いかなる処分もおこなわない」と約束したが、これは漁業者と東電のみの約束であって、今回は閣議決定なので

7月27日の中長期ロードマップ会見での東電・小野氏の回答は驚くべきものだった。

「今回は、サブドレンや地下バイと違い、国の判断。関係閣僚会議で夏頃の放出と決められている。
なので、地下バイやサブドレンのときと判断が違う。当社のみで判断するものではない。」

つまり、ALPS処理水の海洋放出に関しての取り決め「漁業者の理解なくして放出なし」

これは漁業者と東電のみの約束であって、今回は閣議決定なので、

東京電力としては、地下バイ・サブドレンのような漁業者の明確な容認を待たない、とのことだった。

 

 

 

 

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