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「天国で再び会うことを」最高裁が逆転無罪判決 赤ちゃんの遺体を遺棄した罪に問われたベトナム人元技能実習生
「天国で再び会うことを」最高裁が逆転無罪判決 赤ちゃんの遺体を遺棄した罪に問われたベトナム人元技能実習生（RKK熊本放送） - Yahoo!ニュース
死産した双子の赤ちゃんの遺体を自宅に遺棄したとして、罪に問われたベトナム人の元技能実習生に対し最高裁判所は一審二審の有罪判決を破棄し無罪を言い渡しました。
この裁判は2020年11月、当時、技能実習生だったベトナム国籍のレー・ティ・トゥイ・リンさん（24）が芦北町の自宅で、死産した双子の赤ちゃんの遺体を遺棄したとして罪に問われていたものです。
リンさんは「赤ちゃんを捨てるつもりはなく安置した」と無罪を主張していましたが熊本地裁、福岡高裁ともに死体遺棄にあたると有罪判決を言い渡していました。
最高裁判所はリンさんの行為について「遺棄には当たらない」として熊本地裁・福岡高裁の判決を破棄し無罪の判決を言い渡しました。
無罪判決を受けたリンさんはなぜ罪に問われたのか?
■孤立する外国人実習生
技能実習生として2018年に熊本にやってきたリンさん。 2年ほど働いた頃に妊娠が明らかになりました。
リンさん「妊娠した実習生が帰国させられたことも聞いていましたので、ベトナムに帰らされることが怖くて」
日本に来るためにリンさんが母国の送り出し機関に支払った手数料はベトナムの平均年収のおよそ5倍。 帰国させられることを恐れ、誰にも相談できなかったと言います。 そして、2020年11月、双子の赤ちゃんを死産。部屋にあった箱にタオルを敷き、遺体を寝かせました。 この行為が「遺棄か」「埋葬か」が裁判の争点となりました。 リンさん「自分の子どもを捨てることは考えませんでした」 リンさんの代理人弁護士「ベトナムの風習に従って、埋葬するつもりだった」
死産から1年、リンさんは赤ちゃんへの思いを言葉にしました。 「私たちはこの世で一緒にいることはできませんでしたが、天国で再び会うことを願っています」
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技能実習生や難民など、日本人でない人を私たちが受け入れて共生していくことについて、人権問題だけでなく多くの配慮が必要だと思う。
この事件は、ベトナム女性が孤立出産をし、死産であったが、そのことが死体遺棄事件として犯罪になった。地裁、高裁では有罪。最高裁で逆転無罪になった。
日本とベトナムの弔いのやり方、技能実習制度の在り方がきちんと反映されたいい判決だと思い、これまで屈せず、異国で無罪を主張してきたリンさんや寄り添ってきた弁護士、支援の人たちはすごいと思う。
若い女性が妊娠するのは当たり前で、どんな事情があれ、自己責任とかマタハラで追いつめて孤立出産させてはいけない。
技能実習制度は妊娠したり、病気になったら帰国させられるという現状は変えなければならない。あっせん会社に多額の借金を抱えていることが多いということが一番の問題だ。労働力が必要ならきちんとした移民制度で受け入れ、日本人と同じ労働条件、同じ社会保障制度は人権上守るべき事柄だ。
警察、検察、これまでの裁判が、死体遺棄という犯罪について、殺人の後に遺体を隠したり捨てたりという解釈しかできなくて、死産の場合の遺体の取り扱いについてどこからが犯罪に相当するかの判例がなかった。この裁判は、リンさんが死産した双子の赤ちゃんに名前をつけて、毛布にくるんで自室の段ボールに保管していたことが死体遺棄に問われた。日本では死亡届や火葬の手続きをとるが、埋葬のベトナムにはない。これを犯罪にするのはおかしい。
たまに、コインロッカーとかトイレで孤立出産と思われる赤ちゃんの死体が発見されて、犯人が捕まるが、妊娠中から死産、あるいは死体遺棄までの孤独を思うと、産んだ女性だけの責任ではないような気がする。
女性の貧困や入管法改正と合わせて考えていきたい。