ミスター・グッド・ドクターをさがして | ||
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読 了 日 | 2012/05/21 | |
著 者 | 東山彰良 | |
出 版 社 | 幻冬舎 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 265 | |
発 行 日 | 2012/01/25 | |
ISBN | 978-4-344-02124-2 |
の本もBS11(イレブン)の書評番組(だったと思うが、もしかしたらAxnミステリーかもしれない)で紹介されていて、気になってノートにタイトルをメモしておいた。
5月16日にいすみ市のお袋を訪ねた際に、いつも立ち寄る古書店ブックセンターあずまで見かけて買ったものだ。著者の東山氏は、「タード・オン・ザ・ラン」という作品でで第1回このミス大賞の銀賞と読者賞を受賞した作家だそうだ。
最近僕は「このミス大賞」受賞作家の作品にいくつか惹かれるものがあって、注目をしているが中にはアクが強すぎて好みに合わないものもある。と言いながら本書を買い求めたのは、やはりタイトルに惹かれたことも要因の一つだ。昔、ジュディス・ロスナーというアメリカの作家の作品が映画化された「ミスター・グッドバーを探して」というタイトルを連想したということなのだ。J・ロスナー作品の方はまだ読んでいないので、このあと読もうと思っているが、多分ジャンルも内容も異なったものだろう。
いずれ読み終ったら、と言ってもいつになるかわからないが、もちろんここに書くのだが、多分東山氏は読んでおり、意識してこのタイトルをつけたのだろう、と思うが。
さて、本書は医師の転職を仲介する会社、株式会社医師転職サポート会に勤務する、国本いずみを主人公とするメディカル・ハードボイルドだ。と言っても、僕がハードボイルドだと認識したのは読み終ってからだ。
たくさんの本を読んでいる割には、自分の読んだ本がどういうジャンルに属するか、などということをあまり意識はしていない。要するに鈍感なのだ。
下記の収録作でわかるように、一応四つの連作エピソードという形をとっているが、長編といってもいいだろう。僕の理解力のなさからか、始めのうちは主人公の行動があまり受け入れられなかったが、終わりになるにしたがって、アメリカの3F(近頃この言葉は死語か?)小説の主人公を思わせるようになって、もっとこの主人公の活躍エピソードを読みたいと思うようになる。
そういえばちょっと形は違うが、ずっと前に読んだ芦原すなお氏の「ハート・オブ・スティール(文藝春秋刊)」(後になって東京創元社で文庫化される際に「雪のマズルカ」に改題された)を思い浮かべた。
こうしたストーリーでは主人公の魅力的なキャラクターが欠かせない要因となるが、もっと重要なことの一つに主人公を取り巻く周辺人物たちの造形がある。国本いずみがこの会社に入る前にホステスをしていた店で、同僚だった沢渡絢子(さわたりあやこ)、彼女は今では自分の店を持つママだ。
そして、勤務する会社の社長である重松。さらには会社の同僚、山際などなど。彼ら彼女らが主人公を支え持ち上げていることで、この物語は成り立っている。実はこの他にも国本いずみを支える脇役はまだいるのだが…。
回彼女が担当することになる、転職を希望する医師の周りに見え隠れする問題が、彼女を悩ませたり過激な行動に移させたり、ということになる。
神聖な職業、というか人々の生命を預かり、多くの患者から信頼され一生をかけるに値する仕事だというような見方をしていた医師が、こんなにも転職を希望する者が多くいるなどとは考えてもいなかった。
医師だって一人の人間だと思えば、ごく当たり前のことなのかもしれないが、我々凡人から見たら、崇高な職務だと考えがちだ。
そして、そんな国本いずみが扱った転職医師の中の変わり種と言おうか、いずみに付きまとっているのが一色医師だ。いずみにいくら邪険にされようが、怯むことなくまるでストーカーのように、毎朝出勤するいずみを赤いフェラーリで迎えに来るのだ。
さらには一人暮らしの彼女の部屋にはピンズ、ソーズ、マンズと名付けられた猫までいる。猫たちはいずみの動作を見つめながら、笑ったり愚痴を聞いたりして相手をしているかに見えるところが面白い。時々猫や犬を飼う主人公と彼ら?の会話が、物語を面白く盛り上げている作品を読むが、僕自身はペットに興味がないものの、人が飼っているペット動物にはかわいさを感じている。
国本いずみお姉さんは、話が進むにつれて次第に過激さ?を増して、終いにはヤクザの怖いおじさんまで手玉に取るといったことまでするようになる。なかなかおとなしく引っ込んでいられないところが、このお姉さんの持ち味だ。
「まったく、女ってくだらない」と口癖のようにつぶやく国本いずみは、自分の女らしい魅力に気づいていないのか。
# | タイトル |
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1 | ミスター・グッド・ドクターをさがして |
2 | ミスター・グッド・ドクターにご用心 |
3 | ミスター・グッド・ドクターにおねがい |
4 | ミスター・グッド・ドクターによろしく |
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