隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0643.死体を無事に消すまで-都筑道夫ミステリー論集―

2005年08月29日 | エッセイ
死体を無事に消すまで
-都筑道夫ミステリー論集―
読 了 日 2005/08/29
著  者 都筑道夫
出 版 社 晶文社
形  態 単行本
ページ数 357
発 行 日 2004/09/21
分類番号 75020557

 

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の本は発行当時買ったものだから、もう30年以上前のことになる。この頃までは、まだ、いっぱしのミステリー通を自認していたので、経済事情が許す限り、これはと思うミステリー文献を買い集めていた。
といってもほんのわずかなことではあったが。ところが、買うには買っても読むのは後回しで、この本もそうして積ン読状態が30年以上も続いたわけだ。5月末に著者の「ベッド・ディテクティヴ」(602.参照)を読んだ際に本書を思い出して、読んでおこうと思った次第。E.Q.M.M.の編集に携わっていただけに主として翻訳物についての評論・解説が多いが、今後の読書の指針として大いに役立つと思われる。
著者は惜しくも一昨年(2003年11月)にこの世を去ったが、ミステリーに対する愛着と、独自の視点、また、魅力ある偏見に満ちた、この評論集は、浅学な僕などがどうこう言えることではないが、読物としても面白く、著者の拘りといったものが伝わってくる。
国内の作品では、特に"久生十蘭"や"大坪砂男"について詳しく書かれており、若い頃僕も大坪氏の「天狗」は読んでいるのだが、もう一度読んでみようかと思った。江戸川乱歩氏について書かれている中で、「幻影城」、「続・幻影城」、「海外探偵小説 作家と作品」にちょっと触れているが、僕は、「幻影城」と「続・幻影城」については、苦い想い出がある。まだ高校生の頃、金に困って、少ない小遣いを貯め苦労して買ったこの2冊を神田の古本屋で処分してしまったことがあるのだ。
その後、この2冊は、講談社から江戸川乱歩全集の15として、「幻影城」、「続・幻影城」が合本となって発行されたものをまた買いなおしたのだが。それからは、古本を処分するときも文献だけは手放さないよう気をつけている。「海外探偵小説 作家と作品」のほうは乱歩氏のサイン入りの本が手元にあるが、大分古くなっており、保存が悪く表紙のビニールの部分が縮んでしまっている。

 

 

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