昨年 京都国際漫画ミュージアム
へ行った時、1巻だけ読んで
「コレ面白そう。
機会があったらゆっくり読みたい」
と思ったマンガ。
古本で購入したよ。
ガラスの城 わたなべまさこ
(4巻と5巻、順番違う~)
これは、週刊マーガレットに
1969年(昭和44年)から翌年まで
連載してた作品。
この本は復刻された文庫本です。
ストラス・フォード城。
素敵なお城に想いを馳せる高校生がいた。
派手好きでわがままなイサドラと
純真なマリサ。
ささやかながらも母と三人 仲良く暮らしていた。
だが母が不慮の事故死をきっかけに
マリサが実はストラス・フォード伯爵の娘
だと知ったイサドラが、自分が伯爵家の娘に
なりすましてしまう。
そこから二人の、そして二人を取り巻く
多くの人達の運命が狂い出して行く。
姉妹として育った二人が
かたや伯爵令嬢、かたや小間使いの娘。
なりすまし、いじめ、陰謀
母の行方不明・記憶喪失 などなど
の展開に、
ザ・昭和 貸本漫画か少女小説か
と感じた。
(もちろん大好物)
伯爵令嬢になりすましたイサドラが
あの手この手で周りをだまし、
本気にさせ、のし上がって行く。
途中、父も母も執事にも
何度も何度も あやしい! と
思われながらもその都度ひと芝居うって
スルリとかわして行く・・・
もう、ここまで来ちゃ ある意味
神様はイサドラに味方してる
としか思えないね。
そして心優しいマリサは
最後の最後まで、何度も何度も
イサドラに裏切られ、その都度
最後の最後まで、何度も何度も
「イサドラを許しましょう」
だ。
執事のクロッキーも言ってたけど
マリサは伯爵家に戻っても
心から休める日は無かったんじゃ
ないかな~・・・。
最初の方は、貸本漫画か少女小説か
といった展開だったけど、
そのうちイサドラが人を殺して行くし、
イサドラにもマリサにも娘が生まれるし、
イサドラは気が狂っちゃうし、と
「おいおい!この先どうなっちゃうんだー」
と まさに息もつかせぬ展開が。
わたなべ先生は、少女マンガ・恐いマンガ
悪女シリーズなど描いて来られた先生。
この「ガラスの城」は、この3つの要素が
すでに盛り込まれたスゴイ作品だと
思います。
当時の読者は、それはそれは
この二人の少女 どうなっちゃうんだろう
と、ハラハラしながら
毎週読み続けた事でしょう。
で、この物語を最後まで読んだ人なら
きっと、みんなの心の中に
残ったであろう登場人物。
執事のクロッキー。
代々伯爵家に忠誠を近い
お屋敷に勤めてたという。
優しく、頼もしく、頭の回転も速く。
このクロッキーが、そばにいた事は
不運続きのマリサにとって
唯一幸運な事だったと思う。
う~~ん。
ホント、いいキャラだねぇ。
花輪クンちのヒデじい
(ちびまる子ちゃん)といい
少佐の屋敷のスダレ頭の執事
(エロイカより愛をこめて)といい
ミー&マイガールのヘザーセット
(ミュージカル)といい
中年~老年執事は、みんなイイ味
出してるなぁ~。
この作品、「読んでみたいけど
古本を捜すのはメンドクサイ」
という人は、デジタル版もあるみたい。
興味のある方はどーぞ