我楽多(がらくた)日記

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本当のお嬢様

2012年12月11日 22時13分45秒 | 吉屋信子・他 少女小説

最近読んだ吉屋作品デス。


   お嬢さん  吉屋信子  
  
   昭和廿一年発行。 (何年だと思う?!これで11年って読むんだって )
  



    



母や姉から「結婚」をせかされる規矩子
働きたいとの思いで伯父の紹介により、九州の女学校の先生になった。
だが、働くうちに 自分の赴任のせいで、一人の老教師が辞めさせられた事や、
下宿の同居人(今で言うルームメイトだね)瀬田が 結核を患う恋人へ
自分の給料から仕送りをしている事、そしてその瀬田が妊娠してる事などを知り、
自分の安穏とした教師生活に疑問を持ち始める。
そんな折 以前からモーションをかけてくる男性・邦雄
反発しながらも、次第に気持ちが動き始める規矩子。
邦雄の押しに負けを認めた規矩子は、女学校へ辞職の届けを送った。



題名通り「お嬢さん」ですね。
いや、「お嬢」ですね。
某所で 「お帰りなさいませ。お嬢様」 なんて言われて
ウハウハ喜んでるオジョウサマとは訳が違います。


  生まれながらのお金持ち


いいよなぁ~~。
やっぱりねーホンモノのお嬢様はちがうんだよね~。
お金に変に執着しない。

妊娠して退職する瀬田に対して、
「自分が仕事を続けて、下宿代の他は全部アナタに仕送りをする。」
ってんだよ!
フツーの人種じゃ出来ないよー

それに、邦雄にしてもそうだ。
結婚を決めかねてる規矩子に向ってこう言うんだ。

「貴女は何故こう僕に向って言わないのです。
(貴方は偶然に金のある家に生まれて、労せずして財産を持って居るのよ、
だから、少し気の毒な私の女友達に支出して頂戴ー)
と・・・」

もう、自分から言っちゃってるもんなぁ。 金持ちだと。


一言で「お嬢様」と言っても、昔は今では想像もつかないくらいのお嬢様がいたんだろうね。
華族の出 とかさ。

吉屋作品は、そんな私の知らない(想像も出来ない?!)「お嬢様」の世界を
垣間見せてくれるから好きだわー。

装丁は、中原淳一 。
これまたステキです。