河野 啓一/花冠同人

河野啓一の俳句ブログ

11.03.31タンポポ

2011-03-31 20:46:54 | Weblog
[好きな句」
子雀の四方に弾み朝の晴れ/藤田裕子
おおらかで楽しい朝の風情、心が和みます。

「投句」
蝶生まる丘の辺愉し草の色
径沿いに芽柳揺れて苑の春
タンポポの背伸び黄色く草の中

デイAから緑地公園へ"花見”5,6分咲きの木が1本、民家集落の前に。円形花壇の方に行くと芽柳が風にそよいで良い風情。しだれ柳、と名札が着いていた。車椅子に乗せてもらうと楽で良い。
尚子とアキコが来てくれて愉しく夕食。

110329辛夷咲く

2011-03-29 19:24:21 | Weblog
[好きな句」
初蝶やしばし屈める野辺の道/後藤あゆみ
羽化したばかりの蝶が野辺の草に止まっているところを見つけられたのでしょうか。春の訪れをしばし実感させる句ですね。

「投句」
海辺まで続く並木や辛夷咲く ◎**
木蓮の三つ四つ空に膨らみて
黄水仙咲きたる根元ムスカリが

正和のことと云い、福島原発と云い、気分すぐれぬことおおし。ブラメールをやっと出しておく。
Yさんからメールが来ている。花冠のブログは見ておられるようだ。Iさんも元気になられたことだし、一日も早く、と祈るや切なりだ。
康雄からメールが来る。いやひどいものだ。米日の商業主義の害毒ここに極まれり。あとは神仏に祈るしかないのだろうか?
 原発元設計者が米メディアで告白 「原子炉構造に欠陥あり」
> http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/931.html
>


11.03.28春風寒し

2011-03-28 20:54:45 | Weblog
(好きな句)
牡丹の芽低きばらの芽あい打てり/小口泰與
ユニークな観察と詠みに惹かれました。時分どきには花の王が競い合ってさぞ豪華なお庭でしょうね。

「投句」

-3/25早朝・弟の急逝を悼む-
慟哭の山麓春の風寒し
生き急ぐ農を愛せし男子なり
花待たず独り逝きたる君哀し*多田氏


26日通夜、兄弟参集、27日火葬。無宗教の家族葬。成孝さんと浩にそれぞれ神戸まで送迎してもらって何とか行動できたが-- 
何とも寂しいものであった。K叔父さんには今日連絡が行ったようで、電話がかかってきた。ブラメールが飛び交うが、もちろん一人欠けては気勢上がらず。

福島の原発はいよいよ泥沼状態。

11.03.25春の雪

2011-03-25 11:22:49 | Weblog
[好きな句」
夕暮れにほの白くあり沈丁花/多田有花
もう沈丁花の季節になったのですね。すっかり忘れていました。ほのしろくは鎮魂の色でもありましょうか。

「投句」
春の雪みちのく人の涙雨
地震思い波を忘れし人の知恵
春夕焼けリセットできぬ放射能


福島原発の決着は誠に予断を許さぬ。テレビの発言では、月、年の問題になるだろうという。政府も国民も覚悟が必要か?
山紫水明を誇った我が国の 山河はどうなってゆくのだろう。大自然を甘く見過ぎた人間の(日本人の)浅知恵のもたらした人災だ。

11.03.23デイの朝

2011-03-23 18:30:10 | Weblog
藪椿朝な夕なに続々と/多田有花
続々と咲きだす椿の生命力が平明な表現で印象的です。椿はほんとによく咲きますね。

「投句」
春風のそよ吹く野辺の広さかな
デイの朝造花飾りて春祭り ○*後藤氏
桜木の蕾は堅し風寒し
福島原発に電気が通じたと喜んでいたら、今度はその3号炉からまた黒煙が出たとか。加えて農作物や飲料水の汚染が引き続き、難儀な話だ。何とかならねば俳句どころでないかも、とI氏にメール。 

11.03.22朧

2011-03-22 18:50:16 | Weblog
[好きな句」
紀伊水道見下ろす丘に青き踏む/津本けい
青い海を見降ろせる緑の丘で青草を踏んで歩く爽やかさ。”紀伊水道”がその実感を呼び起こしてくれると思います。

「投句」
淡路島暮れて朧のちぬの海
春光の野越え丘越え山遠く
淡路島暮れゆく海の朧かな

朝方雨は止み、1日曇り空。風はやや寒い。胃腸の調子があまりよくない。具子は関水の展示に出かけ、5時帰宅。同時に尚子がやってくる。

11.03.21春彼岸

2011-03-21 12:01:35 | Weblog
コルセット魔人の如く春の野へ/山中啓輔
春なお寒きこの頃着ぶくれて、帽子を着てサポーターをつけて、それでも春の野を見に出かけられる作者のファイティングスピリットに敬意を表します。魔人のごとくと春の野のとりあわせが鮮やかですね。

「投句」
春彼岸小鳥の遊ぶバラアーチ
花韮の雨に濡れたるしおらしさ○
雨垂れと白梅枝に並ぶかな

朝からしょぼしょぼと雨。しかし温かい。
Tさんと常のごとく。負けようのない碁を負けたり、勝ち難い碁を勝ったり。1-2。大前研一のブログによると、日本の復興には10年近くかかるだろう、とのこと。のんびりと俳句を考える気持ちにはなりにくい。

11.03.20春嵐

2011-03-20 18:31:21 | Weblog
[好きな句」
海沿いの地のすみずみまで春来たれ/小川和子
理屈抜きに素晴らしい句と思いました。本当に地のすみずみまで早く春が来てほしいと祈っています。
「投句」
街角に幟はためく春嵐
放水の弧を描きつつ春の滝
木蓮の三つ四つ蕾ふくらみて

[お礼」

11.03.18冴え返る

2011-03-18 10:29:24 | Weblog
北国の人思いつつ春菜摘む/古田敬二

大災害から一週間、未だにありとあらゆる苦労に囲まれている東北の人々を思うと、春が近づいてきている関西の人間はどうしたらよいのでしょう。改めて想いを呼び起こしてくれる一句です。

「投句」
冴え返るみちのくの人耐えられよ
春寒し見えざるものが相手なり
パンジーの白のごとくに水投下


康雄から送信のあった、平井憲夫:原発がどんなものか知ってほしい―廃炉も解体もできない原発―を再読。ほんとにどうにもならぬ。こうした情報をメディアはもっと市民にしらせるべきだった。もう遅い、手遅れだが。以前、ドイツがあっさりと原発中止を決めた訳がわかったような気がした。自分が知らなかっただけかも知らないが。
山折哲夫の「先人たちは自然の猛威に頭を垂れて耐え忍んできた」を想い出す。

11.03.17辛夷

2011-03-17 22:08:18 | Weblog
「好きな句」
大空はどこまでも青く辛夷咲く/高橋秀之
何処までも青い大空に陽を受けて咲く辛夷の花。素晴らしいですね。

「投句」
色昏く姿見せたる花馬酔木
木瓜の花せめて明るき彩りに
せせらぎの聞こえる里や辛夷咲く

福島原発は依然として深刻だ。この間アメリカは80km内の地域から帰国勧告。フランスは帰国指示? コメの輸出も観光立国も夢のまた夢だ。あまりにも自然を甘く見ていた付けがきたのか。お粗末な設計。想像力の欠如。

一方被災地は雪で、零下数度の寒さという。アキヒト天皇がテレビ出演して「みな相携え助けあって不幸を乗り越えてほしい」とのおはなし。その通り、もっともっと助け合い精神が要る。自分さえよければ的風潮が今の日本には充満している。内部留保を貯め込んだ大企業は今こそ、日本復興のため積極的にそれを活用すべきだろう。