河野 啓一/花冠同人

河野啓一の俳句ブログ

9.30秋の旅

2007-09-30 17:20:01 | Weblog

秋の旅着きし駅舎はトタン屋根
釣り人の釣り糸並び秋長閑
秋堤に画布広げれば蜻蛉くる
渡り来て水面に騒ぐ鳥の影

雲流れ風朗らかに運動会
孫っ子の大きくなりて組体操
ここまでは真夏と思え九月尽

昨日が夏日、今日が10月中旬並。温度差は10度近くしかも朝から雨。寒い!
以前の行楽や外出などを思い出して句作に励む。


9.28いもほり

2007-09-28 17:15:12 | Weblog
桑音も高く甘藷を掘り当てぬ
園児らの歓声聞こゆおいもほり

町外れ狸注意の札の立ち
並木道色変わり来し銀杏の木

当地は40年前に開発された大規模住宅地。今、再開発だとて駅前に高層ビルの林立する気配。隣町との境の丘陵には小動物や鳥たちも棲み、自然豊かな街なのに、残念--。
<オンライン9月投句>
望月の光あまねく野の草に
鍬掘ればころり転がるさつまいも
夕日浴び薄化粧して箒草

9.21秋あかね/秋刀魚

2007-09-21 10:35:48 | Weblog
秋あかね見ることもなき残暑かな
親潮に乗りて秋刀魚の現れる
豊漁の秋刀魚水揚げ海の人

知らぬ間に年とり秋の同期会
鰯雲汝は何処まで伸び行くや

昨日は6、7年ぶりに高校の同期会に出席。一足飛びに昔に帰る。戦後の学制改革の波にもまれ、わずか在籍1年で学校そのものがが消滅した学年だったが、みな気だけは若く、しばしの歓を尽くして散会した。
(当時の寮歌にちなみ)秋あかね帝陵山下に群れ集い

9.15秋暑し

2007-09-15 10:56:28 | Weblog
秋暑し池に金魚を放ちけり
秋の陽の投げ出すごとく落ちにけり
丹波路の出石の里や蕎麦の秋
若草の夢覚め桐の秋近し

12日(水)の驚天動地のニュース!には唖然とした。来客中であったがテレビの画面から眼が離れず、あとで叱られること。「ボクちゃんの投げ出し無責任内閣」と評した野党党首が居たが、全くその通り。1年前こんなボンに”国民的人気”があると思い込んだ政治家たちの連帯責任であろう。さらに言えば選挙民がアホだったから、と言うことに。
いつまでも暑差が続く(大阪は今日34度)。八つ当たりというかゴマメの歯軋りもしたくなる。


9.1秋あかね

2007-09-10 21:45:49 | Weblog
秋あかね讃岐路めぐり牟礼の里
夕日射し影ふと見えて秋あかね
秋蝶や蜜はありしかひらと去る

今朝もまたひとつ咲きたる紅芙蓉
百日紅はかなく揺れて秋の空

今日は久しぶりにT氏がやってきてくれて碁を囲む。結果は三連敗、絶不調。俳句との両立は難しいのかもしれない。ひきかえ最近の阪神タイガースの強いこと!

9.9箒草

2007-09-09 15:47:54 | Weblog
綺麗好きなる母偲ぶころ箒草
星屑を集め花にす箒草
百日紅はかなく揺れて秋空に
青柿の枯れ向日葵を見下ろせり

風さやか稲田に光る波のあり
秋光を浴びて野に立つ讃岐富士
うどん善し讃岐の秋は屋島寺


雨がよく降って庭のほうき草がぐんと伸びた。丈夫で手間がかからず、点景として十分役に立つ。よく観ると小さな蕾が一面に。
長男が久しぶりにやってきて亡き祖母のことなど取り留めない話をして帰る。

9.5秋桜

2007-09-05 12:24:15 | Weblog

(ご挨拶)
今朝は当地もようやく涼風が肌に感じられるようになり、ホッと一息ついています。
さて小生このたび、年相応に青樹句会で勉強をさせていただくことになりましたが、本ブログの方も変わらずらず続けさせていただくつもりですので、今後とも宜しくお付き合いを賜わりますようお願い致します。


秋桜花束ゆれて花カクテル
山遠く心の奥は秋のゆめ
苦瓜の炎暑ようやく乗り越えて
夕焼けて芒の穂波遠くあり





9.3水煙11月号投句(控)

2007-09-03 15:53:54 | Weblog
忘れ得ず蝉も哭くかな原爆記忌
夏雲にこだまし平和の鐘が鳴る
カヌー漕ぐオールの響き夏の湖
星月夜さやけき夜のキャフェテラス
ハイビスカス真っ直ぐ我に向きて咲く
雨上がり芙蓉花を訪う黒揚羽
苦瓜の西日を浴びて二つ三つ
待ちかねし雲間欠け行く望の月
向日葵も渇くや今日の猛暑かな
雲の峰小さく並び夏送る