河野 啓一/花冠同人

河野啓一の俳句ブログ

6.30 浜木綿

2007-06-30 18:40:54 | Weblog
雨止みて浜木綿朝日に映えて立つ
ハマユウの今年も咲きてさりげなく
はまおもと葉の太くして花優し

浜木綿や波に生まれし白良浜
白砂にしかと根付きしはまおもと
涼やかに浜木綿咲きて海光る
浜木綿や岬の灯し白く燃え

今年も狭い裏庭にハマユウが咲いた。今の千里タウンに越してきたころ、南紀白浜温泉で買った小苗を植えたのだが、ここ北摂の気候でも十分適応して毎年花と実をつけ、代を継いでくれている。

6.27梅雨晴れ間

2007-06-27 10:57:40 | Weblog
露晴れ間シオカラトンボがわが池に
ひらひらと表れ消えし黒揚羽
檜扇の上に舞いおり蝶二匹
早苗田のかなたに消えし揚羽蝶

蓮の花梅雨空の下華やぎて

昆虫の種類と数に異変が生じているらしい。クマゼミのように、温暖化や植樹にともなう土の移動などが原因。赤とんぼは全国的に減っており、早苗の農薬の使われ方が一因かも?という。自然環境を自然の力で回復させるNPO活動も始まっていると聞く。
そんな話をしていたら、「庭の小さな池には毎年塩からトンボが1匹ずつ住み着いているよ」と家内。どこからやって来るのだろう。

6.24 立葵/紫陽花

2007-06-24 21:46:42 | Weblog
立葵垣根に沿いて虹の色
裏庭に淡き色あり立葵
杖突きて背伸び暮らしや立葵

白花のアジサイ雨をはね返し
曇り空アジサイの株を分けにけり

夏至る蟹釜飯の茶漬けかな

今日は朝から雨。やっと梅雨本番らしい。ただTVによれば今年の梅雨は短く、末期の豪雨に要注意とか。
奈良の長男一家が雨の中やってきて夕方帰る。7時頃でもまだ明るい。

6.22 緑陰

2007-06-23 18:42:53 | Weblog
夏雲やドナウは遥か遠くあり
門前のリンデンバウムの陰青し
緑陰にタクト躍りてワルツかな
居酒屋のワインに酔えば風凉し
濃緑の歴史の森を走り抜け
宮殿の庭広々と五月雨る
夏夕べオペラハウスの人出かな

今日は晴れて蒸し暑いが、風は良く通る。偶々、10年も前のヨーロッパ旅行の写真アルバムを見る。まだ記憶の上で色褪せてなかったのが嬉しい(今日はウイーンの思い出から詠んでみました)。因みに、この頃から、下手なスケッチにトライするようになったのですが--。

6.18梅雨

2007-06-18 16:34:01 | Weblog
梅雨入りを待ちかね山のダム湖かな
梅雨の雨みどり濡らして和ませて
長雨やカビの胞子もときを得て
雨上り空は光りに野はみどり

雨降れば雨に濡れなむ野萱草
そよ風の過ぎて窓辺のアマリリス
名は何とオランダの星アマリリス

いつのまにか庭の片隅に自生した野萱草がニッコウキスゲに似た花を咲かせている。
花は1日でしぼみ、また次が咲く。丈夫なものだ。10数年前にオランダで買ってきたアマリリスも、世話が悪くて絶滅寸前だったが、今年は奇跡的に花をつけている。

6.11 当季雑詠

2007-06-11 10:03:48 | Weblog
沛然と雷雨来たりて過ぎ行きぬ
雲厚く空深くして雷の暴れたる
水無月の水を待ち居るダム湖かな

手にとれば枇杷の実まろく輝きぬ
皿のびわ色も形もまろやかに

蛸穴子鱧のあじわい淡路島

新聞に「俳句は脳を活性化する」という趣旨の記事。それによると、俳句を詠んだとき前頭前野の血流量は左脳右脳ともほぼ全域で、簡単な計算や黙読時より大きく増加したという。「句をひねるときの多角的な思考が脳の働きを強める」と推測されているようだ。

6.04水煙8月号投句

2007-06-04 10:14:29 | Weblog
父の日のシャツ着込みたり旅に出る
初夏の瀬戸沖にフェリーの白い影
指呼の間明石海峡風涼し
走り梅雨渺々として播磨灘
島陰に押し込まれ行く夏夕日
鴨の一家木陰に集いいて凉し
梅雨寒やカレーうどんの湯気香る
雛罌粟の色とりどりに丘の上
池の鮒めだかも元気に夏の朝
薔薇の園ひかりの中の車椅子

6.03 白い影

2007-06-03 17:17:36 | Weblog
初夏の瀬戸沖にフェリーの白い陰
紫陽花の白い蕾を日々数え
鉄線花涼やかないろ空の色
寄せ植の苗とりどりに梅雨の空

ご近所のIさんに先月ロベリアの苗を差し上げたはずだったが、どうしたことかこれが大嘘で単なる雑草と判って謝りに!
代わりにきれいな珍しいクレマチスの鉢を頂戴する羽目になった。

6.1淡路島

2007-06-01 12:00:40 | Weblog
父の日のシャツ着込みたり旅に出づ
指呼の間明石海峡風涼し
クレーン立つ島の漁港や夏の雲
穴子鮨地元の味はさすがなり
播磨灘渺々として海光る
山肌に押し込まれ行く夏夕日
夏港漁火まばら目の下に
花博の跡地公園海近く
雛罌粟の丘静まりて華やかに
鴨の一家木陰に集いいて凉し
おのころの神話訪ねて淡路島

家内のハンドルで行ける範囲でと、3泊4日の小旅行。山の中で大雨に遭うなどの試練もあったが野島断層、明石海峡公園(国営)、景観園芸学校(県立)などを見学。おのころ伝説については宿でもらった「淡路21世紀協会」の資料を読むことに。