河野 啓一/花冠同人

河野啓一の俳句ブログ

08.8.31 天高し

2008-08-31 12:07:52 | Weblog

(多田富雄さんが第7回小林秀雄賞)
 寡黙なる人の著作や天高し
 朝顔の届かざるとも空を向き
 秋空の澄みて嬉しく句集来る

信之師名で句集が届く。ほんとに立派な句集ができたものだ。早速先生に電話でお礼を述べる。残金の振込みは明日。
多田富雄さんの寡黙なる巨人(集英社)を朝刊で知って早速具子に依頼する。

08.8.30竜胆

2008-08-30 20:21:11 | Weblog
竜胆の小鉢幼稚園児のごとく
苦き根を隠し竜胆花を見せ
降りしきる雨に光れる紅芙蓉
「好きな句」
鳥取より来て二十世紀梨を売る/多田有花
駅前で時に島根や鳥取の物産展があり、売り子さんがはっぴを着て特産品の販売をしている光景をよく見かけます。ひやかすのも楽しいものです。御句は無理なくそうした情景を詠まれ、「鳥取より来て」がさすがと思いました。
「お礼」
前川音次さま 早明浦は涸れて葉月の雨を待ち」の拙句に有り難くも嬉しいコメントを頂戴し、厚く御礼申し上げます。現地の情報通に聞いた所ではこれだけの大雨というのに貯水率4.7%ということでした。天はなんと不公平なものでしょうね。

宮本和美さま 「秋灯の火影静かな二人かな」に暖かいコメントを頂戴し、有り難うございます。ご想像のとおりです。嬉しく拝読しました。

08.8.29葉月

2008-08-29 16:48:09 | Weblog
あわあわと葉月の色や百日紅
早明浦は涸れて葉月の雨を待ち
秋灯の火影静かな二人かな

「好きな句
女郎花揺れて日暮るる六甲山/小河原宏子
六甲山に行く機会もなくなってしまいましたが、夕刻には寒さを覚えるほどに早まり行く六甲の秋の風情を表現された句と思います。「日暮るる六甲山」になんとなき郷愁を感じます。

プラージュとめがねの千里へ。修理と枠交換。案外安くつく。

08.8.28秋雨

2008-08-28 18:24:11 | Weblog
秋雨にけぶる野の草森の木々
雨受けて秋の草木の交響詩
秋の雨朝顔小さく咲いている

「好きな句」
吾亦紅生まれし仔牛立ち上がり/宮本和美
吾亦紅が秋風に頼りなく揺らいでいる.生まれたばかりの仔牛もゆらりと歩き出す。六甲山牧場辺りの秋の風情もさもありなんと想像してみました

08.8.27秋暑し

2008-08-28 17:59:42 | Weblog
秋暑し上がり下りのエレベーター
天高く遠山白く輝けリ
一望の稲田いろ濃く色薄く
「好きな句」
八月の夢のごときや赤とんぼ/小西宏
具体的な景を想像したわけではありませんが、残暑の中で夢の如くふんわりと心を安らげて呉れる赤とんぼ、何ともいえない詩情を感じさせていただきました。
「小西氏」
「八月の夢のごときや赤とんぼ」へのお言葉、たいへんありがとうございました。赤とんぼの群を見るようになると、夏もほんとうに終わってしまうのだと、センチメンタルな思いに駆られます。
大手前のNHKホールで、大阪センチュリー交響楽団のファミリー演奏会。スメタナのモルドウほか。尚子の旧知の関谷氏が指揮者。

08.8.25秋日

2008-08-25 17:29:47 | Weblog
秋日や幾年若きクラス会
筆入れに鬼灯二つ飾りたり
秋雨や金銅ともに叶わざる

「好きな句」
処暑の朝エスプレッソを入れて飲む/多田有花
暑さもやっと一段落。今朝は久しぶりに濃い珈琲をじっくり味わってみようかとの作者のお気持ちに共感です。東西の文化の取り合わせも面白と思いました。

SA友垣会国際交流ののクラス会、HEPナビオにて。10年前に比べ年はとったが、話の内容はみな若い。「前向き、感謝、愚痴を言わない」と良いことを言う人がいた。

08.8.24秋の雨

2008-08-24 11:37:03 | Weblog
秋雨にけむる山並み信貴生駒
トンネルを出れば広がる古都の秋
海底に湧き出すごとく秋の鯖


博の家にきて一泊。久し振りで面白い半日。ここのPC は同じメーカー(ただしビスタ)なので句会に投句、控えコピーなどもやりやすく便利。だいぶ早さが地がうというが、自分の使い道では大差なし。

昨夜は野球決勝戦韓国-キューバを見る。やはり根性の韓国。最後のピッチャーは若そうだが、実に堂々としたもの。日本にはいない。 

08.8..21無花果

2008-08-21 22:13:27 | Weblog
薄皮をむいて無花果ひとくちに
押し押され無花果裂け目大きくて
二十世紀梨を土産にバス帰る

「好きな句」
近寄れば湖景を隠す乱れ萩/志賀泰次
乱れ咲く萩のかげからきらきら光る水面が見え隠れしているように思え、明い秋の風情を感じさせてくれる好きな句です。

ソフトボール、アメリカとの決勝戦に3-1で見事勝利。金メダル。立ち上がりとても歯が立たないと思ったが、三連投の上野をバックスが好守で支える一方、相手はエラーが多く、追加点を呉れたり。こんなことも有るのだ。

08.8.20柿の実

2008-08-20 16:21:18 | Weblog
柿の実のいつしか青く太り来て
丹波より「完熟葡萄」宅急便
完熟の葡萄の粒よ吾も似たり

「好きな句」
近付けばキチキチバッタハイジャンプ/小河原宏子
秋の庭の愛らしい反面食害が目に余る小さなバッタ。軽く活き活きと詠まれた共感の一句です。

AM、図書館と本屋へ。角川「俳句脳」ほか。ちょっと外出すると昼寝が必要になる。
Mさんが印をもらいにみえる。ソフトボールは結局USにやられたようだ。

08.8.29新涼

2008-08-19 19:52:47 | Weblog
新涼や我も草木も深呼吸
秋風に風船かづら揺れており
精一杯生きよと鳴くや法師蝉

「好きな句」
  収穫祭のごとき土産や盆帰省/桑本栄太郎
いろとりどり、盛りだくさんな野の幸、季節の作物を持って帰省先から戻って来られた様子が目に浮びます。勿論遺伝子組み替え作物などではない新鮮出美味しい野菜ばかりと思います。食糧自給率の低さが懸念されている昨今ですが、このような風習が健在である限り、日本の農業は大丈夫という気が致しました。