降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★1990年代のCTSは.......=僕的『メディアの興亡』(8)

2012年10月13日 | 新聞

【10月10日付の続きです。写真は本文と関係ありません】
鉛活字にさようなら――遅まきながらの後発CTS(新聞コンピューター編集=コンピューター・タイプセッティング・システム)開始まで1年余となった1990年中ごろ、開発室会議に出た僕は、
「よっしゃあ、編集整理部として言うだけ言ってやる!」
と技術部に注文&質問をしまくった。
ところが、さすがエンジニア集団は理路整然と打ち返してきた。

▼CTSシステムダウンなど不測の事態への対応
(技術部の回答、以下同)1980(昭和55)年に起きた朝日新聞築地社屋での漏水によるシステムダウン→印刷不能事故のことですね。
ウチではコンピューター室の上には食堂などはありません。万が一の時は、他本社経由サテライト(郊外衛星)工場がバックアップします。

▼データの重い画像から広告まで取り込む「フルページネーション」は最終目標
画像や見出し出力端末の切り換えがあるので、まず同機器を稼動します。
L機(LDT=レイアウト・ディスプレー・ターミナル)で画像などを空白スペースにして組み上げた紙面は印画紙出力します。
別に単品出力した地紋見出し・写真・広告を貼り込んでから、大型スキャナーで読み取り、サテライト工場に送信――という流れの「パートCTS」を想定しています、当面はですが。

▼地紋見出しは「HCS」
高額ですが、他社実績あるHCS(ヘッド・カット・システム)を採用しました。
L機には、ご指摘の「反転」機能などはプログラミングしていますが、CTS稼動直後はオペレーターの習熟度に差がありますので使えないです。

▼入稿→サーバー→ホストで蓄積
問題は、校閲さんから入った赤字をどこで反映させるかです。
赤字を入れてから、ホストに入れるか――。
整理部さんがL機で組むデータは、初校直しを反映させたものとし、
デスク直し、校閲直しが入るごとに記事データ頭の数字を上書きするようなことを考えていますが現在、製作局と協議中です。

――おおっ、なんだかとても頼もしいぞ技術部。
朝日事故などから学んでいるし、「後発CTS」の強みだな、と思った。
――長くなったので、続きは後日(書くかも)。
【お断り】10月3日付で「漢テレ=漢字テレックス」としましたが、大先輩から
「漢字テレタイプの略ではなかったろうか? それ以前には『全自動モノタイプ』があったからのぉ~」
と指摘されました。たぶん、大先輩のご指導のほうが正しいかと思います。


m(__)m

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。