降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★新聞を鉛活字で組んでいた頃(17)

2013年08月30日 | 新聞

【8月25日付の続きです。写真は本文と関係ありません。草間彌生さんバージョンの新宿スタジオ・アルタです】

新聞を活版・鉛活字で組んでいた頃を、後世のために書き遺しておこうかな──の第17回。


ときは、「平成」初め。
とある新聞社の整理部は、最終版の降版時間(25時10分=午前1時10分)へ、編集のピークだった。

▼ 24時30分。最終版降版時間まで40分────
整理部サブデスクがあれやこれや最も忙しい時間帯。
担当する紙面のチェック、新原稿、モニター出しのほかに、
翌日(既に日は変わっているのだけど)の整理部面担と広告段数予定に加え、
製作局大組みグループ、製版部、印刷局のほか、サテライト(衛星)印刷工場宛てに、整理部から各種「業務連絡」を流すのだ。
自社(製作局・製版部・印刷局)には先の全替え・一部替え・赤字処理など大雑把な版替え連絡でいいのだけど、
離れているサテライト印刷工場にはカラー(色刷り)連絡もしなくてはならない。

活版印刷当時【注・下段】でも、カラー印刷は行われていて(←当たり前)
▽題字含む1面&対抗最終面のラテ面はカラー通し(1面のカラー写真変更のときは「替え」)
▽中面X&対抗Y面もカラー通し、
▽広告A、B、C面は全通しだが、地域面の下5段広告は「替え」
など、綿密に連絡しないと大変なことになるのだ(事実、僕は大事故を起こしたけど........後日書きます)。

▼ 24時35分。最終版降版時間まで、35分────
先の版の出稿部デスク(←遅いサンと呼ばれたデスクですね)から、
僕と同じように処理能力が高い(←だはははははははははははは。言ってみただけぇ)と言われる早井デスクに代わっていた。
即応力があり、共同通信ほか他社にネットワークがある出稿部デスクだと、
整理部はかなり時間が助かるのだ。
よーし、最終版は楽勝だぁ~、かな?(続く)

【活版印刷=かっぱんいんさつ】
CTS編集で先行していた朝日新聞東京本社などは本社&郊外工場で全面オフセット印刷に移行していた。
1985年ごろから、僕の社も本社輪転は活版印刷、サテライト印刷工場は高速オフセット印刷という二本立てになっていた。
だから、印刷局は紙型とネガ撮り(サテライト向け送信)を同時に行っていた。
さらに、本社輪転はのちに軽量刷版印刷に代わり、全紙をサテライト工場で印刷するようになると、その役目を終えた。



(-_^)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。